子宮筋腫とは

子宮筋腫は良性の腫瘍です。それ自体が生命を脅かすものではありません。
４０歳以上の女性４人に１人は発症すると言われています。
女性ホルモンによって筋腫が大きくなりますが、逆に閉経後には小さくなります。悪性の腫瘍と違ってほかの組織への転移はありません。複数個できることが多く、数や大きさはさまざまです。大きさやできた場所によって症状が違ってきます。筋腫のできた場所によって、子宮内側（粘膜下筋腫）、子宮筋肉の中（筋層内筋腫）、子宮外側（漿膜下筋腫）に分けられています。

好発年齢

• 30～40歳代
• 成熟期女性の30％に存在

症状

多くの方は無症状ですが、以下のような症状の方がいらっしゃります。
・過多月経
・下腹部痛や腰痛
・貧血：粘膜下筋腫で著しい
・おりもの以上
・頻尿
・便秘

発生部位による分類

• 粘膜下筋腫、筋腫分娩
• 筋層内筋腫
• 漿膜下筋腫

 診断

• 内診：腫大した子宮を触知
• 腟鏡診：筋腫分娩はこれで診断
• 超音波検査：境界明瞭な円形の腫瘍として描出
• MRI：子宮腺筋症との鑑別に有効

治療法                        

子宮筋腫の治療法は、症状の程度や子宮の大きさ、そして妊娠・出産の希望の有無によって相談します。
当院では、患者様の環境やご意向に合わせて治療法のご相談、医療機関のご紹介を行っています。

• 手術療法
  ・根治的手術：単純子宮全摘術　(開腹 / 腟式)
  ・保存的手術：妊孕性温存を目的
  ・筋腫核出術　(開腹 / 腹腔鏡下)
  ・TCR　(経頸管的子宮筋腫切除術) →粘膜下筋腫に適応

• 薬物療法
  GnRHアナログ：閉経前や手術前の筋腫縮小目的に使用

• その他
  ・子宮動脈塞栓術　(uterine artery embolization:UAE)
  ・集束超音波治療　(focused ultrasound surgery:FUS)