着床出血の見た目が知りたい!茶色・ピンク・赤の違いと見分け方のポイント
着床出血は、妊娠している場合に見られることが多い現象です。発生するのは妊娠全体の約2~3割とされ、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる出血を指します。すべての妊婦さんに起こるわけではなく、生理や不正出血との区別が重要です。
本記事では、着床出血に見られる色・量・続く期間の特徴や、生理との違いを3つのポイントにまとめて解説します。さらに、着床出血が起きたときの対応方法、病院受診の目安、妊娠検査薬を使うタイミング、切迫流産のサインや注意すべき点まで、妊娠初期の不安解消に役立つ情報を網羅しています。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性ならではの体調の変化に関するご相談はもちろん、男性不妊に関する検査や治療にも対応しています。専門医がお悩みに寄り添いながら、適切なサポートを提供いたします。
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着床出血とは?その特徴を詳しく解説
妊娠初期のごく早い段階に、少量の出血が見られる場合があり、これを着床出血と呼びます。すべての妊婦さんに起こるわけではなく、発生するのは全体の約2~3割とされています。着床出血の特徴として、以下の3つを解説します。
- 着床出血の色
- 着床出血の量
- 着床出血の期間
着床出血の色
着床出血の色合いは、鮮やかな赤から淡いピンク、茶色がかった色まで幅があります。出たばかりの血液は鮮明な赤色ですが、時間が経つと酸化によって徐々に濃く変化します。おりものと混ざると淡いピンク色に見えることもあり、その色の変化は多くの場合、出血からの経過時間を反映しています。
着床出血の量
着床出血の量は少なく、生理時の経血とは異なり、おりものに血がわずかに混じる程度がほとんどです。ティッシュに少し色がつく程度や、下着にうっすらシミができる程度で、ナプキンが必要になるほどの出血はまれです。量には個人差がありますが、少量であることが特徴です。
着床出血の期間
着床出血が続く期間は、短ければ数時間、長くても3日ほどです。多くの場合は1~2日で止まり、生理のように何日も続くことはありません。
着床出血と生理の3つの違い
着床出血と生理の違いは、以下の3つです。
- 出血のタイミング
- 出血の色と量
- 痛みの有無
出血のタイミング
大きな違いのひとつは、出血が起こる時期です。生理は前回の生理開始日からおよそ1か月後(25~38日の周期)に始まります。個人差はありますが、自分の周期を把握していればおおよその予測が可能です。
着床出血は受精卵が子宮内膜に着床する際に起こるもので、排卵日から約1週間後、つまり生理予定日の数日前に現れることが多いです。すべての妊娠で起こるわけではなく、妊娠した女性の約2~3割に見られる現象です。
出血の色と量
生理の出血は、一般的に鮮やかな赤色で量が多く、ナプキンやタンポンを頻繁に交換する必要があります。経血には子宮内膜などの組織片が混ざるため、レバー状の塊が見られることもあります。
これに対し、着床出血は量がごく少なく、色は淡いピンクや茶色がかっていることが多いです。下着に少し付着する程度や、おりものに混ざる程度で、「おりものが少し色づいたかな?」と感じる程度の場合もあり、気づかない人もいます。生理のようにナプキンが必要なほどの量ではありません。
痛みの有無
生理では、下腹部や腰の痛みを伴う方が多く、その強さは人によって異なります。中には痛みが強く、日常生活に支障が出る場合もあります。
一方、着床出血はほとんどの場合、痛みを伴いません。多少の違和感を覚える方はいますが、生理痛のような強い痛みはありません。「チクチクする感覚」や「少し重い感じ」を覚える方もいますが、痛みはごく軽いのが一般的です。
着床出血と似た出血の見分け方
着床出血は、他の婦人科系の出血と外見が似ているため、発生時期や出血の特徴を総合的に判断することが重要です。女性の体ではさまざまな要因で出血が起こるため、見た目だけで区別するのは難しい場合があります。
排卵出血や不正出血、妊娠初期に見られる他の出血との違いを把握することで、より的確に判断できるようになります。以下の項目に沿って、着床出血と間違えやすい出血の見分け方を解説します。
- 不正出血との違い
- 排卵出血との見た目の違い
- 着床出血以外の妊娠初期出血
不正出血との違い
不正出血は着床出血と見た目が似ていても、発生する時期や続く期間が大きく異なります。ホルモンバランスの乱れやストレス、婦人科系の病気など、原因はさまざまで、予測できないタイミングで起こります。これに対し、着床出血は排卵後7〜10日という決まった時期に見られる生理的な現象です。
不正出血は生理周期に関係なく突然始まり、数日から長いと数週間続く場合があります。色は茶色やピンクが多く、着床出血と似ていますが、量が増減しやすく、多くなることもあります。また、基礎体温に変化がない点も違いの一つです。発生時期や持続期間を観察することで、両者を見分けやすくなります。
排卵出血との見た目の違い
排卵出血と着床出血は外見がよく似ているため、基礎体温や生理周期を参考にして判断することが重要です。どちらも出血量は少なく、色や量だけでは区別が難しいですが、発生するタイミングが異なります。排卵出血は生理開始からおよそ14日後の排卵期に起こり、着床出血は排卵後7〜10日頃に現れます。
排卵出血は生理周期の中間あたりに1〜2日程度、薄いピンクや茶色で極少量を出血します。着床出血も見た目は似ていますが、排卵から1週間以上経ってから発生するのが特徴です。基礎体温の変化では、排卵出血の後に体温が上昇し、着床出血の時期にも高温期が維持されています。
見た目だけでなく、時期と基礎体温の変化を合わせて判断しましょう。
着床出血以外の妊娠初期出血
妊娠初期には着床出血以外にもさまざまな原因による出血があり、見た目や症状から緊急度を見極めることが大切です。妊娠初期は子宮や胎盤が形成される時期のため、生理的な出血から病的な出血まで発生する可能性があります。早期に異常を発見し、適切に対応することで妊娠の継続にも影響します。
切迫流産では鮮やかな赤色の出血が多く、強い下腹部痛を伴います。絨毛膜下血腫は茶色い出血が長く続くことがあり、子宮外妊娠では激しい腹痛と出血が見られます。また、子宮頸管ポリープによる出血は性交後に少量の鮮血が出るのが特徴です。妊娠初期の出血には多様な原因があるため、不安な症状がある場合は早めに医師へ相談することが重要です。
着床出血があった場合の対処法
着床出血があった場合の対処法として、以下を参考にしてください。
- 病院を受診するタイミングの目安
- 妊娠検査薬の使用時期
- 切迫流産の兆候と注意点
- 妊娠超初期の症状と快適に過ごすためのポイント
病院を受診するタイミングの目安
着床出血は基本的に心配のないことが多いですが、自己判断は避けるべきです。早期発見・早期治療が重要なため、以下のような場合は念のため産婦人科を受診しましょう。
出血量が多い場合
夜用ナプキンが必要になるほどの出血や、鮮血が大量に出る場合は、着床出血ではない可能性があります。子宮外妊娠や流産の兆候の恐れもあるため、速やかに病院へ行きましょう。筆者の経験でも、夜用ナプキンを必要とする出血で来院された患者さんが、子宮外妊娠と診断された例がありました。早期発見が鍵となります。
強い下腹部痛など、他の症状を伴う場合
着床出血はほとんどの場合、痛みを伴いません。強い痛みがある場合は、子宮内膜症や卵巣嚢腫など、他の病気による出血の可能性があります。
妊娠検査薬で陽性反応が出た場合
陽性反応が確認できたら、産婦人科で正式に妊娠を診断してもらいましょう。医師からは今後の生活に関するアドバイスが受けられます。妊娠初期の生活指導は、妊娠を継続するうえで重要です。
妊娠検査薬の使用時期
着床出血があっても、すぐに妊娠検査薬を使うと正確な結果が出ないことがあります。使用は生理予定日の約1週間後が望ましく、この頃には妊娠時に分泌されるhCGホルモンが検出しやすくなります。朝一番の尿を使うことで、より精度の高い結果が得られます。
検査結果が陽性でも陰性でも、一度産婦人科で確認を受けましょう。陽性の場合は妊娠週数を確定し、陰性の場合は生理不順などの原因を調べてもらえます。
切迫流産の兆候と注意点
妊娠初期には切迫流産のリスクがあります。これは妊娠22週未満で流産の可能性がある状態を指します。症状には、少量〜大量の出血、下腹部痛、腰痛などがあります。痛みは生理痛のような鈍痛やチクチクした感覚などさまざまです。出血の程度もおりものに血が混じる程度から、生理のような出血まで幅があります。
症状が出た場合は、すぐに安静にし、産婦人科を受診しましょう。予防のためには、妊娠初期は特に体への負担を減らし、重い荷物を持つことや激しい運動を避けることが大切です。十分な睡眠、栄養バランスの良い食事、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
妊娠超初期の症状と快適に過ごすためのポイント
妊娠超初期には、着床出血のほかにも以下のような症状が現れることがあります。
- おりものの変化
- 胸の張りや痛み
- つわり
- だるさ
- 強い眠気
- 便秘
- 肌荒れ
生理が来なかったり、情緒が不安定になりイライラしやすくなることもあります。これらはホルモンバランスの変化によるもので、症状の有無や程度には個人差があり、すべてが必ず現れるわけではありません。妊娠していない場合でも似た症状が出ることがあります。
妊娠超初期はお腹の膨らみがまだ目立たず、周囲に妊娠を知らせるかどうか迷う時期でもあります。この時期は心身ともに不安定になりやすいため、できるだけ穏やかな気持ちで過ごすことが大切です。
体に負担のかかる行動は避け、十分な休息を取りましょう。カフェインやアルコールの摂取は控え、栄養バランスの良い食事を心がけてください。気になる症状があれば、早めに産婦人科で相談しましょう。
着床出血の見た目に関するよくある質問
着床出血の見た目について、多くの方が抱く以下の疑問を解説します。
- 塊が混じっていても大丈夫?
- 鮮血の場合は着床出血ではない?
- 見た目で妊娠を判断できる?
塊が混じっていても大丈夫?
着床出血に小さな血の塊が混ざることはありますが、大きな塊や多量の場合は別の原因が考えられます。着床出血は毛細血管からの軽い出血のため、通常はサラサラとした血液が出ます。しかし、体外に出るまで時間がかかると自然に固まって米粒ほどの小さな塊になることがあります。
親指の爪ほどの大きさやレバー状の塊は、子宮内膜の剥離や他の出血が原因の可能性があります。塊と同時に大量出血がある場合は、切迫流産や他の婦人科疾患の恐れがあります。小さな塊は心配ないことが多いですが、大きな塊や症状を伴う場合は早めに医師へ相談しましょう。
鮮血の場合は着床出血ではない?
着床出血でも鮮血が見られることはありますが、量が多い、または長時間続く場合は他の原因が疑われます。色は出血からの経過時間や個人差によって変化し、着床直後の新しい血液が短時間で排出されれば鮮血として見えることもあります。ただし、着床出血は少量が一般的です。
おりものに鮮血が少し混じる程度なら着床出血の可能性がありますが、以下の場合は切迫流産や不正出血の可能性が高まります。
- ナプキンが必要になるほどの鮮血
- 数時間以上続く鮮血
- 強い痛みを伴う鮮血
鮮血の場合は、量・持続時間・伴う症状を総合的に見て判断しましょう。
見た目で妊娠を判断できる?
着床出血の見た目だけで妊娠を確定することはできません。排卵出血や不正出血など、似た見た目の出血は他の原因でも起こります。また、妊娠していても着床出血がない人は多く、逆に出血があっても妊娠していない場合もあります。
薄いピンク色の少量出血であっても、ストレスによる不正出血の可能性があります。着床出血が全くなくても正常に妊娠しているケースもあります。妊娠を確実に判断するには、生理予定日の1週間後以降に妊娠検査薬を使用し、医師の診察や超音波検査を受けることが必要です。見た目はあくまで参考程度にとどめ、確定は医学的検査で行いましょう。
まとめ
着床出血は、妊娠ごく初期に起こる少量の出血です。すべての妊婦さんに見られるわけではなく、経験するのは全体の2〜3割程度とされています。色は鮮やかな赤から淡いピンク、茶色がかった色まであり、量はおりものに混じる程度のわずかな出血が一般的です。期間は数時間から、長くても3日ほどで終わります。
着床出血と生理の違いは、出血が起こる時期、色や量、そして痛みの有無です。着床出血は生理予定日の数日前後に見られ、淡いピンクや茶色で、ごく少量なのが特徴です。妊娠初期には切迫流産の可能性にも注意し、体に負担をかけないよう、ゆったりと過ごすことが大切です。