子宮筋腫の手術は日帰りも可能!費用・当日の流れ・痛みまで詳しく解説
子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)と診断され、手術が必要かどうか不安に感じている方も多いのではないでしょうか。子宮筋腫は多くの女性が経験する良性の腫瘍であり、その症状や治療法は個人によって異なります。近年では医療技術の進歩により、子宮筋腫の手術も日帰りで受けられるケースが増えてきています。
本記事では、日帰り手術が可能な条件や手術にかかる費用、当日の流れ、術後の過ごし方や痛みの程度などについて詳しく解説します。子宮筋腫としっかり向き合い、治療を検討する際の参考として、ぜひ最後までご覧ください。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。
子宮筋腫とは子宮の筋肉組織に発生する良性腫瘍
子宮筋腫は、子宮の筋肉組織にできる良性の腫瘍です。女性にとって比較的よく見られる疾患であり、特に40代の女性では約20〜30%の方に発生しているとされています。基本的に悪性化することはほとんどありませんが、筋腫の大きさやできる場所によっては、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。
子宮筋腫の原因と現れる主な症状
子宮筋腫の発生原因や、現れる可能性のある症状について詳しく見ていきましょう。
子宮筋腫の原因
子宮筋腫のはっきりとした原因は、まだ完全には解明されていませんが、女性ホルモンの一種であるエストロゲンが大きく関係していると考えられています。思春期前に子宮筋腫が発見されることはほとんどなく、逆に閉経後には自然に縮小するケースが多いためです。
エストロゲンには子宮内膜を増殖させる働きがあります。しかし、この作用が筋腫細胞にも影響し、筋腫の成長を促す可能性があるとされています。
子宮筋腫の症状
子宮筋腫は自覚症状がないまま進行することも少なくありませんが、以下のような症状が見られる場合には注意が必要です。
- 月経時の出血量が多くなる(過多月経)
- 生理痛が以前より強くなる
- 下腹部の圧迫感や痛み、張りを感じる
- 頻尿や便秘など、膀胱や腸への影響
- 不妊、または流産のリスクが高まる
こうした症状がある場合は、早めに婦人科での検査を受けることをおすすめします。
子宮筋腫の検査方法
子宮筋腫は、以下のような検査によって診断されます。
- 内診:医師が手を使って子宮の形や大きさを確認
- 超音波検査:経腹または経腟から行い、筋腫の位置や大きさを把握
- MRI検査:より高精度な画像を得て、筋腫の種類や周囲組織との関係を確認
- 子宮鏡検査:子宮の内腔を直接観察し、内部の異常を詳しく調べる
早期に発見し、適切な治療を行うことで、症状の軽減や将来的な合併症のリスクを下げることが可能です。気になる症状がある場合は、ためらわずに婦人科を受診しましょう。
子宮筋腫の治療法
子宮筋腫の治療法は、症状の重さ、筋腫の大きさや位置、そして患者の年齢や妊娠希望の有無など、さまざまな要因によって選択が異なります。代表的な治療法には、手術療法と薬物療法があります。
手術療法
子宮筋腫の手術療法の中にも、大きく分けて子宮を残す手術と子宮を摘出する手術として、以下の2種類があります。
- 子宮を残す手術(子宮筋腫摘出術)
- 子宮を摘出する手術(子宮全摘術)
子宮を残す手術(子宮筋腫摘出術)
子宮筋腫摘出術とは、その名のとおり筋腫のみを取り除き、子宮自体は温存する手術方法です。将来的に妊娠を希望している方や、子宮を残したいと考えている方に選ばれる治療法です。主な術式は以下の2つです。
- 腹腔鏡下手術:お腹に数カ所小さな穴を開け、そこからカメラや手術器具を挿入して筋腫を切除する方法
- 子宮鏡下手術:膣から細いカメラを子宮内に挿入し、内部から筋腫を除去する方法
腹腔鏡下手術は、切開が小さく、術後の痛みや回復期間が比較的短いのが特長です。子宮鏡下手術は、お腹を切る必要がなく、体への負担が少ないうえに傷跡が残らない特長があります。
子宮を摘出する手術(子宮全摘術)
子宮全摘術は、子宮をすべて摘出する治療法で、筋腫の大きさや数、症状の重さによって術式が選ばれます。以下に主な3つの方法を紹介します。
- 腹式子宮全摘出術:お腹を切開して子宮を取り出す方法で筋腫が大きい場合や多数ある場合に適している
- 腟式子宮全摘出術:腟から子宮を摘出する方法でお腹に傷が残らない
- 腹腔鏡下子宮全摘出術:お腹に小さな穴を開けて腹腔鏡で子宮を摘出する方法で傷が小さく回復が早い
手術療法のメリット・デメリット
子宮内の疾患に対する手術療法には、それぞれ利点と注意点があります。子宮筋腫摘出術のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット:妊娠の可能性を残すことができ、子宮の機能を温存できる
- デメリット:再発の可能性があり、研究によって20〜60%と幅がある
子宮全摘術のメリット・デメリットとして、以下が挙げられます。
- メリット:再発がなく、子宮に関連する疾患のリスクを低下させられる
- デメリット:妊娠が不可能になるほか、更年期に似た症状が出る場合がある
薬物療法
薬物療法は、手術を避けたい場合や手術前に筋腫を小さくする目的で行われます。主な薬の種類と作用は以下のとおりです。
- GnRHアゴニスト療法:一時的に閉経状態をつくり筋腫を縮小させる治療で3〜6か月の間に約30〜50%の縮小効果が期待できる
- 低用量ピル:排卵を抑えて月経量を減らす
- 抗プロゲステロン薬:筋腫の成長を抑えて症状を改善する
それぞれの薬にはメリットとデメリットがあり、治療方針を決める際にはバランスを考慮することが大切です。
ホルモン療法のメリット・デメリットは以下のとおりです。
- メリット:手術を避けられる、比較的短期間で治療できる
- デメリット:すべての人に効果があるわけではない、副作用が出ることがある
子宮筋腫治療薬のメリット・デメリットとしては、以下が考えられます。
- メリット:筋腫縮小効果が高い
- デメリット:効果に個人差がある、副作用の可能性がある、治療費が高くなる場合がある
子宮筋腫の日帰り手術|費用・流れ・術後ケア
近年、医療技術の進歩により子宮筋腫の治療でも日帰り手術が選ばれるケースが増えています。体への負担が少なく、回復も早いため、忙しいライフスタイルの中でも治療が受けやすくなっています。ここでは、日帰り手術が可能な条件や手術当日の流れ、費用、術後の注意点まで詳しく紹介します。
日帰り手術が可能な場合
子宮筋腫の日帰り手術はすべての患者に適しているわけではなく、以下の条件を満たしていることが目安になります。
- 筋腫の大きさが比較的小さい(おおよそ5cm未満)
- 筋腫の数が少ない(3個以下が目安)
- 全身状態が良好である
- 重大な合併症がない
適切な症例を選べば、子宮鏡下筋腫切除術の日帰り手術の成功率は95%以上、重大な合併症の発生率は1%程度と報告されています。
日帰り手術の流れ
日帰り手術を受ける際の一般的な流れは以下のとおりです。
- 術前検査(血液検査、心電図、胸部X線など)
- 医師からの説明と同意(手術内容、リスク、術後の注意点)
- 当日の来院と受付
- 手術前準備(着替え、点滴など)
- 手術(所要時間は30分〜2時間程度)
- 術後の回復(麻酔覚醒、バイタル確認)
- 異常がなければ当日中に帰宅
術後1〜2週間後には外来で経過観察を行い、傷の状態や体調を確認します。
手術費用と保険適用
子宮筋腫の日帰り手術には健康保険が適用され、自己負担は3割負担の場合で以下のとおりです。
- 子宮鏡下手術:5~10万円程度
- 腹腔鏡下手術:10~20万円程度
使用する医療材料や入院の有無で費用は変動します。高額療養費制度を活用することで、自己負担を軽減できる場合もあります。
術後の経過と注意点
日帰り手術は回復が早い一方で、術後は無理をせず、以下の点に注意して過ごすことが大切です。
- 入浴:傷口が完全にふさがるまではシャワーのみ
- 飲酒・喫煙:傷の治りを妨げるため控える
- 運動:激しい運動は避け、軽いウォーキングなどから始める
- 仕事:1週間程度の休養をおすすめ
- 家事:重い物を持つ作業は避ける
- 性交渉:医師の許可が出るまでは控える
- バランスの良い食事:野菜や海藻など食物繊維を意識して摂る
- 適度な運動:ストレッチや軽い運動で血行促進
- ストレス対策:ヨガや瞑想でリラックスを心がける
- 定期的な検診:自覚症状がなくても定期的な婦人科検診を受ける
個々の状況によって最適な治療法は異なるため、医師とよく相談して決定しましょう。
まとめ
子宮筋腫の日帰り手術について、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 適応条件:筋腫の大きさ、場所、患者の全身状態により判断
- 費用:健康保険適用、自己負担額は5~20万円程度
- 手術の流れ:術前検査、医師の説明、当日の手術、術後経過観察
- 術後の注意点:無理をせず、医師の指示に従ったうえでの日常生活が大切
子宮筋腫の日帰り手術は、正しく選ばれた症例であれば高い安全性と有効性を備えた治療法です。手術の可否や術式は個人の状況によって異なるため、まずは信頼できる医師とよく相談し、最適な治療法を選択することが重要です。
参考文献
- Li RZ, Sun LF, Li R, Wang HJ. "Survival after minimally invasive radical hysterectomy without using uterine manipulator for early-stage cervical cancer: A systematic review and meta-analysis." BJOG : an international journal of obstetrics and gynaecology 130, no. 2 (2023): 176-183.
- 小谷 泰史, 梅本 雅彦, 飛梅 孝子, 塩田 充, 星合 昊. 腹腔鏡下子宮筋腫核出術における術後再発率に関する検討. 第64回日本産科婦人科学会学術講演会抄録集, 2012.
