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卵子凍結はどれくらい痛い?痛みを感じやすい場面と和らげる工夫を紹介

[2025.12.30]

「将来子どもが欲しい」と思ったタイミングに備える方法の一つとして、卵子凍結を選ぶ女性が年々増えています。一方で、治療や処置に伴う痛みについて不安を感じている方も少なくありません。本記事では、卵子凍結に至るまでの治療の流れを整理しながら、痛みを感じやすいタイミングについてわかりやすく説明します。

負担を軽減するための対処法も紹介しますので、検討中の方はぜひ参考にしてください。

橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。

また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。

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卵子凍結で痛みを感じやすいタイミング

卵子凍結に関わる一連の処置の中で、痛みを覚えやすい場面は主に以下の3つです。

  • 採卵に向けた事前検査
  • 排卵を促すための自己注射
  • 卵子を取り出すための吸引・採取

採卵に向けた事前検査

採卵前に行う検査の中で、痛みを感じやすいのが、採血と経腟超音波検査です。血液検査では、卵巣内にどの程度卵子が残っているかを把握するAMH(抗ミュラー管ホルモン)をはじめ、卵巣機能を確認するための各種ホルモン値や、全身の健康状態を調べます。

採血の方法は一般的な健康診断と同じで、注射針を用いて血液を採取します。AMH以外のホルモンは生理周期によって数値が変動するため、生理中に採血を行う必要があります。経腟超音波検査では、腟から超音波のプローブを挿入し、卵巣の状態や卵子の成長具合、卵巣疾患の有無を確認します。

検査機器を挿入する際に、違和感や痛みを覚える方もいます。

排卵を促すための自己注射

より多くの卵子を凍結保存する目的で、高刺激法と呼ばれる排卵誘発剤の注射を使用することがあります。採卵までの約6~10日間、毎日注射が必要となるため、通院の負担を減らす目的で自宅で行う自己注射を選択する方が多くいます。

自己注射は、打ち方が不適切だと痛みを感じやすくなるため、初回の処方時に医療機関で注射方法の説明や練習を行います。注射薬を冷蔵庫から出してすぐの冷えた状態で使用すると、痛みを感じやすくなる傾向があります。

卵子を取り出すための吸引・採取

採卵術は、腟から卵巣に向けて針を刺し、卵胞を吸引して卵子を取り出す処置であるため、痛みを感じる方もいます。排卵誘発後、卵子は卵胞と呼ばれる膜に包まれた状態で卵巣内に育ちます。採卵では、腟から超音波機器を挿入し、その機器に付属した長い針を使って、卵胞ごと卵子を吸引します。

使用する針は採血時よりもやや太く、腟の粘膜や卵巣に針が刺さる瞬間や吸引時に痛みを感じることがあります。採卵後数日間は、卵巣への刺激が原因で卵巣過剰刺激症候群を起こし、卵巣の腫れや腹水による下腹部の張りや違和感が出る場合があります。採卵後に強い違和感や異変を感じた際は、早めに医療機関を受診することが大切です。

卵子凍結で感じる実際の痛みの程度

卵子凍結に伴う痛みの強さについては、感じ方に幅があります。痛みの程度を理解しやすいよう、次の2つの観点から説明します。

  • 他の医療処置と比べた場合の痛み
  • 個人差によって生じる痛みの違い

他の医療処置と比べた場合の痛み

卵子凍結に伴う痛みを一般的な医療処置と照らし合わせると、排卵誘発剤の注射は予防接種と同程度と感じる方がいます。採卵手術は、比較的軽度な内視鏡検査に近いと表現されることがあります。注射時の痛みは一瞬で終わり、その後に起こる軽い腫れや圧迫感も、数時間から長くても1日ほどで落ち着くケースがほとんどです。

採卵時については、婦人科健診で器具を挿入する際よりやや強い刺激を感じる場合があります。ただし、通常は麻酔を使用するため、処置中に強い痛みを自覚することはあまりありません。処置後の痛みも軽い生理痛程度で、鎮痛薬でコントロール可能な範囲とされています。

いずれの痛みも一時的なものであり、医療機関の管理のもと行われる点を理解しておくことが大切です。

個人差によって生じる痛みの違い

痛みの感じ方には大きな個人差があります。普段から生理痛が軽い方は、卵子凍結に伴う痛みも比較的負担に感じにくい傾向があり、生理痛が重い方は、処置に伴う痛みを強く感じることがあります。注射に対して苦手意識や恐怖心がある場合、実際以上に痛みをつらく感じてしまうこともあります。

年齢による違いもあり、若い方ほど卵巣の反応が良好で、腫れや痛みが出にくい傾向が見られます。体格や皮下脂肪の厚さによって、注射時の感覚が変わることもあります。精神的な緊張状態も痛みの感じ方に影響するため、リラックスして臨めるかどうかも重要なポイントです。

医師は一人ひとりの体調や状況に合わせて、できる限り負担を抑える方法を提案してくれるため、不安や疑問があれば遠慮せず相談しましょう。

卵子凍結の痛みを和らげるための工夫

卵子凍結の痛みを和らげるための工夫として、次の2つが挙げられます。

  • 信頼できる医療機関を慎重に選ぶ
  • 自己注射を正しい方法で行う

信頼できる医療機関を慎重に選ぶ

卵子凍結そのものの治療手順に大きな差はありませんが、痛みへの配慮や緩和策がどこまで整っているかは、医療機関ごとに異なります。経腟超音波検査に用いる機器が旧式か最新型かによって、検査時の体への負担に差が出ることがあります。

採卵時に部分的に痛みを抑える局所麻酔や、眠っている間に処置を受けられる静脈麻酔に対応しているかどうかも、病院によって対応範囲が異なります。事前に相談しながら、痛みに対して丁寧に向き合ってくれる医療機関を選ぶことが、治療を進めるための大切なポイントです。

自己注射を正しい方法で行う

卵子凍結の過程で特に痛みを感じやすいのが、排卵誘発剤を自己注射する際の注射部位の痛みです。自己注射は一度きりではなく、複数回行うことが多いため、正しい方法を身につけることが重要になります。注射時の痛みを完全になくすことは難しいものの、以下の方法で痛みを和らげられる可能性があります。

  • 皮膚に対しておよそ45度の角度で針を刺す
  • 一定の速度で注入する

不安なく注射できるようになるまで、看護師と一緒に練習することも大切です。注射後に適切なスキンケアを行うことで、痛みや違和感が軽減される場合があります。もともと肌が弱い方や痛みが長引く場合には、医療機関に相談して薬を処方してもらうことも検討しましょう。

卵子凍結を受けるための医療機関選びのポイント

卵子凍結を不安なく受けるためには、医療機関選びがとても重要です。納得して治療を進めるために確認しておきたい主なポイントとして、次の4つが挙げられます。

  • 費用体系の明確さ
  • 通院の利便性
  • 医師の専門性・経験
  • 安全管理体制の充実度

費用体系の明確さ

卵子凍結は保険適用外の自由診療となるため、クリニックごとに費用設定が大きく異なります。初回にかかる費用だけでなく、年間の保存料や、将来体外受精を行う際に必要となる費用まで含めた総額を、事前にしっかり確認しておくことが大切です。

料金の内訳が明確で、追加費用が発生する可能性についても丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。分割払い・医療ローンなどの支払い方法に対応しているかどうかも確認しておくと安心です。

通院の利便性

排卵誘発期間中は通院回数が増えるため、無理なく通える立地かどうかは重要なポイントです。自宅や職場からの距離に加え、診療時間や予約の取りやすさも確認しておきましょう。特に仕事を続けながら治療を受ける方にとっては、平日の夜間診療や土曜診療の有無が通いやすさを左右します。

駐車場の有無や公共交通機関でのアクセス状況、体調が急に変化した際に相談できる体制が整っているかも、事前に確認しておきたい点です。

医師の専門性・経験

卵子凍結を受ける際、不妊治療に精通した医師が在籍していることが重要です。日本生殖医学会認定の生殖医療専門医であるか、不妊治療の実績が豊富かどうかを確認しましょう。医師の経歴や専門分野、学会発表などの情報も判断材料になります。

クリニック全体としての年間採卵件数や、卵子凍結・解凍後の成績、妊娠に関する実績データを確認することも大切です。治療内容やリスクについて、わかりやすく丁寧に説明してくれる医師かどうかも、信頼できるかを見極めるポイントです。

安全管理体制の充実度

卵子を長期間保存するためには、安全管理が徹底された設備と体制が欠かせません。液体窒素を用いた凍結保存設備の管理方法や、停電・機器トラブルに備えたバックアップシステム、24時間体制での監視が行われているかを確認しましょう。

万が一の事故に備えた保険や補償制度についても事前に説明があるクリニックを選ぶことで、長期保存に対する不安を軽減しやすくなります。

卵子凍結は30代前半までを目安に検討を

卵子は年齢を重ねるごとに数が減少するだけでなく、卵子そのものも加齢の影響を受けます。卵子凍結は30代前半までに行うことが望ましいとされています。卵子は生まれた時点ですでに数が決まっており、精子のように新たに作られることはありません。

年齢とともに減り続け、35歳を過ぎる頃からは閉経に向けて卵巣機能が徐々に低下し、卵子の数や質も下がるとされています。卵巣機能が比較的保たれている30代前半までに卵子凍結を行えば、卵子が加齢の影響を受ける前の状態で保存できる点が大きな利点です。

体外受精と年齢の関係を検討した研究では、36歳以下の女性が複数回の体外受精治療を継続した場合、累積で子どもを1人授かる確率が約90%に達したと報告されています。この結果は治療回数や個々の背景因子によって大きく異なります。

39歳以降の妊娠では流産率の上昇や出産率の低下が指摘されており、卵子凍結に年齢制限を設けている医療機関も少なくありません。39歳以降で卵子凍結を検討する場合は、凍結の目的や処置に伴う負担、長期保存にかかる費用などを十分に整理しておくことが重要です。

卵子凍結の痛みに関してよくある質問

卵子凍結の痛みについて、多くの方から寄せられる疑問には、主に次の3つがあります。

  • 痛み止めを使うことはできる?
  • 痛みはどの程度の期間続く?
  • 痛みがつらく我慢できない場合はどうすればいい?

痛み止めを使うことはできる?

卵子凍結の治療過程では、状況に応じて痛み止めを使用できます。ただし、服用する時期や薬の種類には注意が必要です。採卵前の注射の痛みに対しては、市販の解熱鎮痛薬を使用できる場合が多いですが、必ず事前に医師へ相談したうえで服用しましょう。

採卵手術では、局所麻酔や静脈麻酔を用いるのが一般的なため、処置中に強い痛みを感じることはほとんどありません。術後の痛みに関しては、医師から処方される鎮痛薬を適切に使用します。一般的には、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬が用いられます。

卵巣機能へ影響を及ぼす可能性のある薬もあるため、自己判断での服用は避け、必ず医師の指示に従うことが重要です。無理に我慢せず、適切に痛み止めを使うことで、治療をより快適に受けることができます。

痛みはどの程度の期間続く?

卵子凍結に伴う痛みの続く期間は、受ける処置の内容によって異なります。排卵誘発剤の注射による痛みは、注射直後から数分〜数時間程度で落ち着くことが多く、注射部位の軽い腫れや赤みも1〜2日ほどで改善するのが一般的です。

排卵誘発期間中に感じる下腹部の重さや張りは、治療期間中続く場合がありますが、日常生活に大きな影響が出ることは少ない傾向です。採卵手術後の痛みについては個人差がありますが、多くの方は24〜48時間以内に軽減します。手術当日はできるだけ安静に過ごし、翌日以降は通常の生活に戻れるケースがほとんどです。

重い荷物を持つことや激しい運動は、術後およそ1週間は控えることが推奨されます。痛みが長引いたり、発熱などの症状を伴ったりする場合には、早めに医師へ連絡してください。

痛みがつらく我慢できない場合はどうすればいい?

痛みが強くつらいときは、我慢せずすぐに医療スタッフへ伝えることが最優先です。適切に伝えることで、痛みを和らげる対応や必要な検査につながります。痛みを感じた場面に応じて、次のような対応が取られます。

  • 採卵前に鎮痛薬の調整や注射方法を見直す
  • 採卵中に麻酔を追加し処置方法を調整する
  • 術後に痛み止めの変更や追加を行う
  • 強い痛みが続く場合に検査で合併症を確認する

医師が正しく判断するためには、痛みの強さや種類を具体的に伝えることが大切です。10段階での評価や、ズキズキする・重い・刺すような痛みなどで表現すると伝わりやすいです。多くの医療機関では時間外の相談体制も整えられているため、不安を感じたら遠慮なく相談しましょう。

まとめ

卵子凍結では、卵巣から卵子を採取するまでの過程で、事前検査や排卵誘発剤の使用、採卵時など、針を用いる場面がいくつかあり、痛みを感じやすいタイミングが存在します。どの処置で痛みを覚えるかは人それぞれ異なるため、注射や処置の内容に応じて、負担を軽くする工夫を取り入れることが大切です。

卵子凍結は、将来に備えて卵子の加齢を防ぐ目的で選ばれる不妊治療の一つです。卵子凍結が自分にとって適した選択なのか、あるいは別の不妊治療を検討すべきかも含め、痛みや不安を感じている場合は、専門的な知識を持つ産婦人科に相談することをおすすめします。

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参考文献

Khalife D, Nassar A, Khalil A, Awwad J, Abu Musa A, Hannoun A, El Taha L, Khalifeh F, Abiad M, Ghazeeri G.Cumulative Live-Birth Rates by Maternal Age after One or Multiple In Vitro Fertilization Cycles: An Institutional Experience.International Journal of Fertility & Sterility,2020,14,1,p.34-40

 

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