子宮頸がん検診はどれくらいの頻度で受けるべき?推奨される間隔と対象年齢
子宮頸がんは、命に関わることもある重大な疾患であるため、定期的な検診の受診が大切です。本記事では、子宮頸がん検診を受けるべき適切なタイミングや頻度、受診時の注意点、予防につながる対策についてご紹介します。自身の年齢やライフスタイルに応じた正確な情報を得て、子宮頸がんの予防に役立ててください。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。
子宮頸がん検診とは子宮頸がんの早期発見を目的とした検査
子宮頸がん検診は、子宮の入口にあたる子宮頸部に発生するがんを、できるだけ早い段階で見つけるための検査です。子宮頸がんの主な原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染であるとされています。HPVは性行為を通じて感染し、多くの女性が生涯に一度は感染を経験すると言われています。
HPVは一般的なウイルスで、感染しても多くの場合は自然に体から排除されます。一部の人では感染が長期間持続し、数年〜十数年かけて子宮頸がんへと進行する可能性があります。検査方法には、以下の2つがあります。
- 細胞診:子宮頸部から細胞を採取し、顕微鏡で異常な細胞の有無を調べる
- HPV検査:採取した子宮頸部の細胞からHPVのDNAを検出し、感染の有無を確認する
子宮頸がん検診の推奨する頻度
子宮頸がん検診を受けるべき頻度について、以下の3つに分けて解説します。
- 基本的な受診間隔(2年に1回)
- 検診の対象年齢(20歳から)
- 検診の終了する目安
基本的な受診間隔(2年に1回)
子宮頸がん検診は、20歳以上の女性を対象に「2年ごと」に受診することが推奨されています。がんの進行スピードと検診による発見効果を踏まえた適切な受診間隔とされています。厚生労働省が定める「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」にもとづき、自治体が実施する公的な検診でも、2年に1回の頻度が採用されています。
子宮頸がんは、正常な細胞が異形成を経てがんへと進行するまでに通常数年〜10年以上かかるとされており、2年に1回の検診でも十分に早期発見が可能です。基本的な受診間隔は、以下のとおりです。
- 対象者:20歳以上の女性
- 受診頻度:2年に1回
- 検査方法:子宮頸部の細胞診(必要に応じてHPV検査を併用
毎年検査を受ける必要はありませんが、過剰な検査によって偽陽性や不必要な精密検査のリスクが高まる可能性もあります。過去に異常所見があった方や、リスクの高い方は、医師と相談しながらより短い間隔での受診を検討しましょう。
検診の対象年齢(20歳から)
子宮頸がん検診は、20歳になったタイミングから2年に1回の頻度で受けることが推奨されています。発がんの原因とされるHPVに感染してからがんを発症するまでに一定の期間があるためです。20歳未満では、HPVに感染しても自然にウイルスが排除されるケースが多く、がんに進行することはまれであるため、通常は検診の対象にはなりません。
近年では20代後半〜30代にかけての発症が増加傾向であり、若年層であっても油断は禁物です。性交経験のない方も、将来的なリスクを考慮して医師と検診の必要性について相談しましょう。性交経験がない場合は、医師にその旨を伝えることで、より体に負担の少ない検査方法が選択されることがあります。
検診を終了する目安
子宮頸がん検診には、明確に決められた終了年齢はありませんが、一般的には65〜70歳を目安に継続の可否を検討する場合があります。長期間にわたり検診を定期的に受け、異常が見つからなかった方に該当するケースです。終了の目安は、以下のとおりです。
- 過去10年間で少なくとも3回以上連続して異常が見つかっていない
- 過去20年間に高度異形成以上の所見がなかった
過去に異常があった方やHPVの感染歴がある方、免疫機能が低下している方は、年齢にかかわらず検診を継続することが大切です。子宮を摘出した場合でも、頸部が残っている場合は引き続き検診が必要です。検診の終了を判断する際は、自己判断せず、検診結果や健康状態をふまえて医師とよく相談したうえで決めましょう。
子宮頸がん検診を受ける前に確認しておきたいポイント
子宮頸がん検診を受診する際に、事前に把握するポイントは以下のとおりです。
- 検診の数日前は性行為を控える
- 検査前の腟洗浄は避ける
- 性感染症やその他の感染症の治療中は検査を避ける
- 生理中の検査は避ける
- 性感染症や感染症の治療中は検査を避ける
検診の数日前は性行為を控える
子宮頸がん検診で正確な結果を得るためには、検査の2〜3日前から性行為を控えることが望ましいとされています。細胞を採取する際に使用されるブラシに精子が付着してしまい、本来確認すべき子宮頸部の細胞が十分に取れない場合があるためです。
性行為によって子宮頸部がわずかに傷つくこともあり、自然に回復するものの、一時的な損傷が検査結果に影響を与えるケースもあるため注意が必要です。検査精度を保つために、受診前は一定期間、性行為を控えましょう。
検査前の腟洗浄は避ける
子宮頸がん検診を受ける当日や前日には、腟洗浄は控えましょう。腟洗浄によって腟内の環境が変化し、検査結果に影響を及ぼす可能性があります。腟洗浄によって必要な細胞や分泌物が洗い流されてしまうと、正確な検査が難しくなる場合があります。自然な状態で検査を受けることが、より信頼性の高い結果につながります。
性感染症やその他の感染症の治療中は検査を避ける
性感染症やその他の感染症を指摘されている場合は、治療が完了した後に子宮頸がん検診を受けるのが望ましいとされています。治療中は炎症による細胞が多く検出されることで、がん細胞や前段階である異形成の検出が難しくなることがあります。使用される薬剤によっては検査結果に影響を及ぼす可能性もあります。
性感染症の中には、クラミジアのように症状が出にくいものもあり、感染の可能性がある場合には事前に医師へ相談しましょう。
生理中の検査は避ける
子宮頸がん検診は、生理中を避けて受診することが推奨されます。月経時には経血が子宮頸部に付着しており、血液成分や子宮内膜の細胞が混入することで、正確な検査結果を得ることが難しくなる可能性があります。検査に適しているのは月経が終わった後、2〜7日目頃とされています。
検診の予約をする際には、自分の生理周期を考慮し、できるだけ月経期間と重ならないようにスケジュールを調整しましょう。
リラックスして検査を受ける
リラックスした気持ちで子宮頸がん検診を受けることは、スムーズに検査を進めるうえで大切です。検診は内診台で行われるため、緊張や不安を感じやすい方も多いです。過度な緊張があると骨盤周辺の筋肉が収縮し、検査器具の挿入がしづらくなったり、痛みを感じやすくなったりすることがあります。
実際の検査は数分で終了することがほとんどです。不安な点がある場合は遠慮せず医師に相談しましょう。深呼吸をしてリラックスし、医師や看護師の指示に従って検査を受けてください。
子宮頸がんを予防するための5つのポイント
子宮頸がんの発症リスクを減らすためのポイントとして、以下の5つを解説します。
- コンドームを正しく使用する
- HPVワクチンを接種する
- 生活習慣を見直す
- 禁煙する
- 検診を定期的に受ける
コンドームを正しく使用する
コンドームは、性行為の開始から終了まで毎回確実に使用することが大切です。避妊具としてよく知られているコンドームですが、性感染症の予防にもつながります。子宮頸がんの主な原因であるHPVも性感染症の一種であるため、コンドームの適切な使用はHPV感染のリスクを下げる手段の一つです。
性行為の途中で外したり、破損してしまったりすると感染リスクが高まるため、使用する際は必ず説明書を確認し、正しく装着しましょう。使用期限を過ぎたコンドームは品質が劣化している恐れがあるため、期限内のものを使用してください。装着時には、爪などで破らないよう丁寧に扱うことも大切です。
HPVワクチンを接種する
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となる特定のHPV型への感染リスクを軽減するためのワクチンです。日本では、小学6年生〜高校1年生までの年齢の方が定期接種の対象になり、期間内であれば公費で接種を受けることが可能です。定期接種の対象年齢を過ぎた場合でも、自費でワクチンを接種することができます。
ワクチン接種を受けた後でも、子宮頸がん検診は必要です。HPVワクチンと定期的な検診の両方を行うことで、子宮頸がんの発症リスクをより低減することにつながります。
生活習慣を見直す
日々の生活を整えることは、体の免疫力を高め、HPV感染への防御力を強化するうえで大切です。以下の生活習慣の改善を心がけましょう。
- バランスの良い食事:野菜や果物、たんぱく質、炭水化物などを偏りなく摂る
- 適度な運動:ウォーキングや軽いジョギングなどを日常に取り入れる
- 質の良い睡眠:毎日決まった時間に就寝・起床する
禁煙する
禁煙は、免疫機能を改善し、HPVへの感染リスクの低下につながります。タバコに含まれる有害物質は、免疫力を弱めるだけでなく、HPVに感染した後の発がんリスクを高める可能性もあります。禁煙は子宮頸がんの予防だけではなく、心血管疾患やその他のがん、慢性疾患のリスク低減にもつながるため、健康全般の維持においても大切です。
検診を定期的に受ける
20歳を過ぎたら、自覚症状がなくても定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。子宮頸がんは、初期の段階ではほとんど症状が現れないため、早期に発見するには定期的な検診が不可欠です。検診によって、がんに進行する前の段階で異常を見つけることができ、適切な治療を早期に開始することにつながります。
検診の適切な頻度は、年齢や検診結果によって異なるため、医師と相談して自分に合った受診スケジュールを立てましょう。多くの自治体では子宮頸がん検診の費用を一部補助する制度を設けています。定期的に検診を受けることで、子宮頸がんによる死亡リスクの低下が期待されるという研究報告もあります。
子宮頸がん検診に関してよく寄せられる質問
子宮頸がん検診について、よく寄せられる質問は以下のとおりです。
- 子宮頸がん検診は何歳から始めるべき?
- 2年1回以上の頻度で子宮頸がん検診を受ける必要はある?
- 子宮頸がん検診は痛い?
子宮頸がん検診は何歳から始めるべき?
子宮頸がん検診は、20歳を迎えた時点から受け始めることが推奨されています。厚生労働省のガイドラインでは、20歳以上の女性に対して2年ごとの定期的な検診を受けるよう呼びかけられています。性行為の経験がなくても、将来の健康管理の一環として検診を受けると安心です。
20歳未満の方については、HPVに感染しても自然にウイルスが排除されることが多く、がんに進行するケースが少ないことから、通常は検診の対象ではありません。20代から子宮頸がんを発症するケースもあるため、早めに検診を受け、継続的に受診する習慣を持ちましょう。
2年1回以上の頻度で子宮頸がん検診を受ける必要はある?
基本的には、子宮頸がん検診は「2年に1回」の受診で十分とされています。厚生労働省の指針にもとづいており、20歳以上の女性に対して推奨されています。体調や過去の検査結果によっては、より短い間隔での検診が必要になるケースもあります。検査を頻繁に行うと、偽陽性や不要な精密検査につながるリスクがあるため、推奨される間隔を守りましょう。
以下の状況に該当する場合は、より高い頻度での検診が検討されます。
- 過去の検診で軽度〜中等度の異形成など、異常が見つかった
- 高リスク型HPVに陽性となり、持続感染が確認されている
- HIV感染や免疫抑制剤の使用、臓器移植後などで免疫力が低下している
- 不正出血やおりものの異常など、自覚症状がある
高リスクに該当する場合は、半年〜1年ごとの検診が望ましいとされています。特別な事情がない場合は、2年に1回の定期検診を継続しましょう。
子宮頸がん検診は痛い?
子宮頸がん検診では、強い痛みを感じることはほとんどありません。検査時には、腟鏡を挿入する際に圧迫感を覚えたり、チクッとした刺激を感じたりすることがあります。実際の採取は数秒程度で終了します。多くの場合、耐えられないような痛みが生じることはまれです。痛みの感じ方には個人差があり、緊張していると痛みを強く感じやすいです。
深呼吸をしてリラックスすることで、不快感の軽減につながります。初めて検診を受ける方や痛みに敏感な方は、事前に医師や検査技師に伝えておくと安心です。丁寧な声かけや、ゆっくりとした進行、緊張を和らげるためのサポートを受けられる場合がありますので、遠慮せず相談しましょう。
まとめ
子宮頸がんは、定期的な検診によって予防や早期発見が可能な数少ないがんの一つです。20歳以上の女性に対して2年に1回の子宮頸がん検診が推奨されています。検査方法は、年齢やリスクに応じて医師が適切な検査を選択します。検査を受ける際には、生理中を避けるなどの注意点を守ることで、より正確な診断結果につながります。
HPVワクチンの接種や健康的な生活習慣の実践も、子宮頸がんを予防するうえで大切です。将来の健康を守るために、定期的な検診と予防的な取り組みを継続しましょう。
参考文献
- Diane M Harper, José A Navarro-Alonso, F Xavier Bosch, Jorma Paavonen, Margaret Stanley, Peter Sasieni, María Yébenes, Néstor Martínez-Martínez, Ángela Rodriguez, Andrea García, Laura Martín-Gomez, Laura Vallejo-Aparicio, Helena Carrión, Yara Ruiz García. Impact of human papillomavirus vaccines in the reduction of infection, precursor lesions, and cervical cancer: A systematic literature review. Human Vaccines & Immunotherapeutics, 2025, 21, 1, p.2497608
- 厚生労働省:「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」
