メニュー

更年期の生理がこない・おりものが多いのはなぜ?ホルモン変化の影響と対処法を解説

[2025.08.21]

更年期は、多くの女性にとって心身の変化が大きく表れる人生の転機です。50歳前後は、卵巣の機能が徐々に低下し、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が減少します。ホルモン分泌が低下すると、さまざまな体調の変化が現れます。

「生理がこなくなる」「おりものの量が増える」といった症状は、加齢による自然な変化の一つですが、場合によっては病気の兆候であることもあるため、注意が必要です。この記事では、更年期に見られる生理不順やおりものの変化の仕組みや原因、安心して更年期を乗り越えるための具体的な対処法を詳しく解説します。

橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。

また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。

体の変化に不安を感じたら、お気軽にご相談ください。

ご予約はこちら

更年期に生理がこない・おりものが多いメカニズムを解説

更年期に生理が止まる、おりものが増えるメカニズムについて、以下を解説します。

  • 更年期に生理がこない原因
  • 更年期におりものが多くなる原因

更年期に生理がこない原因

更年期に入ると、卵巣の機能が徐々に低下し、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が不安定になります。エストロゲンは、子宮内膜を増殖させて生理を起こしたり、おりものの量を調整したりする大切なホルモンです。ホルモンのバランスが乱れることで、生理周期が不規則になり、生理がこなくなったり、逆に頻繁に来たりといった生理不順が起こります。

生理が3か月以上来ない状態が続くと「閉経」を迎えます。閉経とは、卵巣の働きが止まり、エストロゲンの分泌がほとんどなくなることで、生理が永久的に停止する状態です。40代に差しかかると「これは更年期の始まり?それとも別の原因?」と不安を感じる方も少なくありません。

更年期におりものが多くなる原因

更年期には、エストロゲンの急激な減少によって体にさまざまな変化が起こります。おりものの変化もその一つであり、個人によって減る人もいれば増える人もいます。エストロゲンの働きは、腟の粘膜を潤し、健康に保つことです。更年期になると分泌が低下し、腟が乾燥しやすくなります。

一方で、おりものが増えるケースも見られます。おりものが増える理由は、体がエストロゲンの不足を補おうとすることで、頸管粘液が多く分泌されるためです。更年期には自律神経が乱れやすくなり、発汗やほてりなどの症状と同時に、腟まわりが蒸れておりものが増えることもあります。

腟の乾燥により炎症が起こりやすくなることで、おりものの増加につながるケースもあります。普段と異なるおりものの変化や、におい・色・量の異常が見られるときは、婦人科での相談が安心です。ホルモンの変化がもたらす自然な現象と、治療が必要な兆候を見極めることが、更年期を穏やかに乗り越えることにつながります。

更年期のホルモン変化によるその他の影響

更年期のホルモンバランスの乱れにより、生理不順やおりものの変化以外に起こる症状は以下のとおりです。

  • 急な発汗
  • 頭痛
  • めまい
  • イライラや不安感

急な発汗

更年期を迎えると、急な発汗やほてりといった症状が現れやすくなります。急な発汗やほてりは「ホットフラッシュ」と呼ばれ、更年期障害の代表的な症状の一つです。顔や首、胸まわりなどが突然熱くなり、大量の汗をかくといった症状が数分から数十分続くことがあり、1日に何度も繰り返す方もいます。

ホットフラッシュが起こる背景には、エストロゲンの分泌量の減少による体温調節機能の乱れがあります。体温調節を担っているのは脳の視床下部という部分で、体温の微細な変化を感知し、汗をかいたり血管を拡張・収縮させたりすることで体温を一定に保っています。

更年期には、エストロゲンが急激に減少することで視床下部の働きが不安定になり、わずかな体温変化にも過剰に反応してしまうため、ホットフラッシュが起こりやすくなるのです。ホットフラッシュは、日常生活の中で突然発生するため、仕事や家事に集中できなくなる、外出をためらうなど、生活の質に大きく影響を与えることもあります。

症状がつらいと感じたときは、婦人科での相談や治療を検討することが大切です。

頭痛

更年期に入ると、ホルモンバランスの変化が、頭痛を引き起こします。更年期に見られる頭痛には、主に片頭痛と緊張型頭痛があります。片頭痛は、頭の片側または両側にズキンズキンと脈打つような強い痛みが出るのが特徴です。吐き気や嘔吐、光や音に対する過敏さを伴うこともあります。

緊張型頭痛は頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが続くタイプで、肩や首のこりを伴うことも多いです。主な原因は精神的なストレスや身体の疲労、長時間同じ姿勢を取ることによる筋肉の緊張とされています。更年期にはホルモンバランスの乱れによって自律神経が不安定になり、ストレスに対して敏感になるため、緊張型頭痛も起こりやすくなります。

めまい

更年期に起こるめまいには、自律神経の乱れやエストロゲンの減少による血流の悪化、ストレス、睡眠不足など、複数の要因が関係しています。めまいには以下の種類があります。

  • 回転性めまい:周囲がグルグルと回っているように感じるタイプのめまい
  • 浮動性めまい:身体がふわふわと浮いている感覚や、足元が不安定に感じる状態
  • 立ちくらみ:急に立ち上がったときに視界が暗くなり、クラッとする症状

めまいに加えて、吐き気や耳鳴りを伴うこともあります。特に自律神経のバランスが崩れると、体の各機能がうまく調整されなくなり、不調が起こりやすくなります。エストロゲンの急激な減少によって自律神経のバランスが崩れることが、更年期のめまいの主な原因とされています。

イライラや不安感

更年期になると、以前は気にならなかったことにイライラしたり、理由もなく不安を感じたりすることが増える場合があります。感情のコントロールが難しくなり、ちょっとしたことで落ち込んだり、気分が不安定になることも少なくありません。精神的な変化の背景には、エストロゲンの減少が関係しています。

エストロゲンは、感情や気分を調節する役割を持つ「神経伝達物質(セロトニン・ドーパミンなど)」の働きにも関与しています。ホルモンの減少によって神経伝達物質のバランスが乱れ、情緒不安定・イライラ・不安感といった症状が現れやすくなるのです。

更年期には家庭や仕事などの生活環境の変化、身体的な不調も重なり、ストレスが増えることで症状が悪化しやすくなります。精神的な症状は、日常生活に大きな影響を与えることもあるため、つらさを感じたときは医療機関に相談することが大切です。

病院を受診するタイミング

医療機関を受診する目安は以下のとおりです。

  • 3か月以上生理がこない
  • おりものが急に多くなった
  • 閉経後に不正出血がある
  • 強いかゆみを感じる

3か月以上生理がこない

3か月以上生理が来ない状態は、更年期による変化が原因である可能性が高いです。40代後半以降の女性では、卵巣機能の低下により閉経が近づいているサインの可能性もあります。閉経は自然な体の変化ですが、前後には更年期特有の症状が現れることも多く、不調を感じる場合には放置せず対処することが大切です。

更年期以外の無月経で考えられる要因は以下のとおりです。

  • 過度なダイエットや激しい運動
  • 強い精神的ストレス
  • 甲状腺ホルモンの異常
  • 脳下垂体の腫瘍(高プロラクチン血症など)

妊娠の可能性が否定できない場合は、早めに確認を行いましょう。3か月以上生理がない状態が続いた場合は、自己判断せずに婦人科を受診し、原因を特定することが重要です。

おりものが急に多くなった

更年期には、エストロゲンの減少により、体内のバランスが変化し、おりものの量や質に変化が現れることがあります。体がホルモンの変化に適応しようとすると、子宮頸管からの分泌が一時的に増え、おりものの量が増えることがあります。

急激な増加や、色・においの変化、かゆみ・痛みを伴う場合は、何らかの感染症や疾患が関係している可能性もあるため注意が必要です。おりものの急激な増加で考えられる原因は、以下のとおりです。

  • カンジダ腟炎:白くヨーグルト状またはカッテージチーズ状のおりもの、外陰部の強いかゆみが特徴。
  • 細菌性腟症:灰白色のおりものと、生臭いにおいがする
  • 萎縮性腟炎:閉経後のエストロゲン減少により腟粘膜が薄くなり、黄色っぽいおりものや出血、かゆみ、性交痛を生じる

症状がある場合は、婦人科での診察を受けることが必要です。おりものの変化は体からのサインでもあるため、違和感を覚えたら早めに対応しましょう。

閉経後に不正出血がある

閉経後に再び出血が見られる場合「不正出血」とされ、注意が必要なサインです。子宮体がんや子宮頸がん、子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど、重大な婦人科疾患が背景にある可能性があるため、放置せずに対応することが重要です。出血量が少量であっても、必ず婦人科での検査を受けましょう。

早期に異常を発見し、適切な治療を行うことで、予後を大きく改善できる可能性があります。不正出血は閉経後に限らず、月経以外のタイミングで起こるすべての異常出血を指します。適切な対応が可能となるため、原因や見分け方を理解しておくことが大切です。

強いかゆみを感じる

更年期に入ると、女性ホルモンの減少によって腟の乾燥が進行し、かゆみを感じやすくなります。強いかゆみがある場合は、単なる乾燥ではなく、カンジダ腟炎などの感染症が原因となっている可能性があるため注意が必要です。

カンジダ腟炎とは、腟内に常在するカンジダ菌(真菌)が過剰に増殖することで発症する感染症です。更年期には腟の自浄作用が低下し、菌が繁殖しやすくなるため、発症リスクが高まります。症状が出たときに、市販薬で自己判断して対処するのは避けるべきです。かゆみの原因が感染症かどうかを見極めるためには、婦人科での適切な検査と診断が不可欠です。

更年期のかゆみは、放置すると悪化したり、他の疾患が隠れていたりすることもあるため、早めの受診と医師の診察を受けることが、安心して日常生活を送るための第一歩です。

生理がこない・おりものが多い症状の対処法

更年期の症状緩和や健康維持のために、以下のポイントを解説します。

  • ホルモン補充療法(HRT)
  • 漢方薬
  • 禁酒
  • 質の良い睡眠
  • 無理のない運動

ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法(HRT)は、加齢とともに減少するエストロゲンを補うことで、更年期症状を緩和する治療法の一つです。のぼせ・発汗・不眠・イライラなど、さまざまな更年期の不調に対して検討される選択肢です。

近年の研究では、経皮エストラジオール(貼り薬)と経口エストロゲン(飲み薬)の効果を比較した試験が行われました。貼り薬と飲み薬どちらも更年期症状全般の軽減に有効であり、投与経路による明確な差はなかったと報告されています。HRTの投与方法には以下の種類があります

  • 経口薬(飲み薬)
  • 経皮薬(貼り薬)
  • 外用薬(塗り薬)

どの投与経路が適しているかは、医師と相談のうえでご自身に合ったものを選択することが可能です。HRTには更年期症状の緩和だけでなく、骨粗鬆症の予防効果も期待されています。HRTはすべての方に適しているわけではなく、以下のようなリスクや注意点があります。

  • 血栓症のリスク上昇
  • 子宮体がんのリスク
  • 禁忌となる疾患(乳がん、子宮体がん、血栓症など)

HRTを検討する際は、医師による事前の診断とリスク評価を受け、定期的なフォローアップを行いながら安全に治療を進めることが重要です。

漢方薬

更年期症状の改善には、漢方薬が用いられることもあります。漢方薬は、体のバランスを整えることで自然治癒力を高め、不調を和らげることが目的です。代表的な漢方薬には、以下があります。

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん):のぼせ・イライラ・不眠・不安感など
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え・疲労感・めまい・月経不順など

漢方薬は、医師による診察にもとづき、体質や症状に合わせて処方されることが基本です。HRTと異なり、漢方薬には即効性はありませんが、副作用が少なく、長期的に服用しやすいというメリットがあります。医師の判断によってはHRTと漢方を併用するケースもあります。

より自分に合った漢方薬を見つけるためには、漢方に精通した医師や専門外来に相談しましょう。自然なアプローチで更年期の不調を穏やかに整えたい方にとって、漢方は有力な選択肢です。

禁酒

アルコールは自律神経のバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。アルコールは肝臓で代謝されますが、更年期は肝機能が低下しやすいため、過剰な飲酒は肝臓への負担となりやすいです。症状の悪化を防ぐためにも、飲酒は控えめにし、できるだけ禁酒を心がけることが望ましいでしょう。

質の良い睡眠

睡眠不足は自律神経の働きを乱し、更年期の不調を悪化させる大きな原因です。睡眠の質を高めるポイントは、以下のとおりです。

  • 就寝前のカフェイン摂取を避ける
  • スマホやパソコンなどのブルーライトを控える
  • リラックスできる環境(音・照明・温度)を整える

質の良い睡眠は、自律神経のバランスを整える助けになります。

無理のない運動習慣

運動は、血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。ストレス解消や気分転換にもつながるため、更年期の心身が安定するとされています。おすすめの運動は以下のとおりです。

  • 軽いウォーキング
  • ヨガやストレッチ
  • 自宅でできる軽い筋トレやラジオ体操

激しい運動でなくても構いません。継続できる運動を日常生活に無理なく取り入れることがポイントです。

まとめ

更年期に生理がこなくなったり、おりものの量が増減したりするのは、エストロゲンの分泌低下による自然な体の変化と考えられています。急激な変化や、他にも気になる症状がある場合には、婦人科での相談を検討することが大切です。

医療機関では、ホルモン補充療法や漢方薬の処方、生活習慣の改善提案など、さまざまな角度から更年期症状に対するサポートが受けられます。日々の体調の変化に目を向け、自分の体に合ったケア方法を見つけましょう。不調を我慢せず、必要に応じて専門医に相談することが更年期を乗り越える第一歩です。

参考文献

Ruiyi Tang, Yubo Fan, Xiangyan Ruan, Zhifen Zhang, Mulan Ren, Jie Wu, Kuanyong Shu, Huirong Shi, Meiqing Xie, Shulan Lv, Xin Yang, Qi Yu, Rong Chen.Changes in menopause-specific quality of life between women with transdermal estradiol versus oral estrogens: results of a randomized controlled trial.Gynecol Endocrinol,2025,41,1,p.2484213

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME