40代女性の生理不順の原因と対策とは?更年期との深い関係を解説
40代に入ってから、生理周期の乱れや出血量の変化、今まで感じなかった生理痛に気づいたことはありませんか?40代からの変化は、多くの女性が経験する「更年期の始まりを知らせるサイン」の可能性があります。日本人女性の平均閉経年齢は50〜52歳とされていますが、40代前半で閉経を迎える人もいるなど、個人差は大きいです。
40代は「プレ更年期」とも呼ばれ、卵巣の機能が徐々に低下し始め、女性ホルモンの分泌が不安定になることで、さまざまな生理の異変が起こりやすくなる時期です。この記事では、40代女性に見られる生理不順の主な原因や、更年期との関係、日常生活で取り入れられる具体的な対策について詳しく解説します。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の体調の変化に関するご相談をはじめ、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら適切なサポートを提供いたします。
また、当院は神奈川県相模原市のソフィアレディスクリニック(淵野辺駅から徒歩2分)と連携しており、婦人科および不妊治療を協力体制で行っています。2院間で検査結果や治療方針をスムーズに共有し、より質の高い医療をご提供しています。少しでも気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
40代女性に見られる生理不順の主な4つの原因
40代で生理不順が起こる主な原因として、以下の4つが挙げられます。
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
- 子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患
ホルモンバランスの乱れ
40代に入ると、卵巣機能は徐々に低下を始め、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌量が減少します。更年期へ向かう自然な変化ですが、そのままにせず、早めに適切なケアを行うことが大切です。
ホルモンバランスの乱れは、生理周期の調整機能に直接影響を与え、生理不順を引き起こすことがあります。25〜38日と安定していた周期が突然40日以上空いたり、20日未満で早く来たりするなどの変化が見られます。出血量にも異常が現れやすくなり、極端に少なくなるケースや、今まで以上に出血が多くなるケースも報告されています。
生理周期や症状の変化に気づいたら、ホルモンバランスの崩れを疑い、早めに婦人科で相談することが重要です。
ストレス
ストレスは、自律神経やホルモンの働きに強く影響し、生理周期の乱れを引き起こす大きな要因の一つです。40代は、仕事や家庭、介護などで多忙を極める時期であり、精神的・身体的なストレスが複雑に絡み合いやすい時期です。
昇進や役職に伴うプレッシャー、職場での人間関係、家庭内での介護や育児、夫婦関係のストレス、子どもの受験や進学など、心身にかかる負担は多いです。ストレスが蓄積されると、生理が遅れたり早まったり、ひどい場合にはまったく来なくなることもあります。
精神的ストレスだけでなく、過剰な運動や極端な食事制限、慢性的な睡眠不足、持病による体調不良なども身体的ストレスとなり、生理周期に悪影響を与えます。ストレスが続くと、早期の更年期症状を引き起こす可能性もあるため、自分の心と体の状態を冷静に見つめ、必要に応じて専門機関に相談することが大切です。
生活習慣の乱れ
私たちの身体は、規則正しい生活リズムによって健康が保たれます。睡眠不足や不規則な食事、無理なダイエット、運動不足などが続くと、ホルモンバランスが乱れ、生理不順の原因となります。「睡眠時間が5時間未満」「朝食を抜き、昼食はコンビニで済ませてしまう」といった日常習慣は、体に大きな負担をかけ、生理周期の乱れにつながりやすいです。
バランスの良い食事や適度な運動、十分な睡眠を意識することは、生理の安定だけでなく、心身の健康維持にもつながる重要なポイントです。
子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患
40代女性に多く見られる子宮筋腫や子宮内膜症といった婦人科系の病気も、生理不順の一因とされます。子宮筋腫は子宮内にできる良性の腫瘍で、子宮内膜症は子宮内膜に似た組織が子宮以外の部位に発生する疾患です。
子宮筋腫や子宮内膜症は、生理痛の悪化や経血量の増加、生理周期の乱れを引き起こすことがあり、貧血を伴うケースも少なくありません。生理不順が長引く場合、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れている可能性もあります。早期発見と早期治療のためにも、定期的な婦人科健診を心がけましょう。
40代女性に多い生理不順の症状5つ
40代女性によく見られる生理不順の代表的な症状は、以下の5つです。
- 生理周期が短くなる・長くなる
- 生理の出血量が増える・減る
- 生理痛が強くなる
- 生理が止まる(無月経)
- 生理不順に伴う不正出血
生理周期が短くなる・長くなる
健康な生理周期は一般的に25〜38日の間で安定しています。生理周期が24日以下、または39日以上の周期になる場合は、生理不順の可能性があります。生理周期が短くなると、出血日数が少なく、経血量も少なめになる傾向です。周期が長くなると、出血日数が長引き、出血量が増えることが多くなります。
生理周期の変化は、ホルモンバランスの乱れをはじめ、ストレスや生活習慣の乱れ、子宮や卵巣の疾患が影響している場合もあります。周期の異常が続くときは、婦人科の受診を検討しましょう。
生理の出血量が増える・減る
生理の経血量には個人差がありますが、一般的には20〜140ml程度が正常とされています。目安としては、昼用ナプキンで十分対応できる量であれば正常範囲内です。夜用ナプキンでもすぐに漏れるほど出血量が多くなったり、逆におりものシートで足りてしまうほど極端に少なくなったりする場合は、生理不順のサインの一つです。
経血量が増える背景には、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が隠れていることがあります。出血量が少ない場合は、ホルモンバランスの乱れや子宮内膜の厚さが影響している可能性もあるため注意が必要です。
若い女性に多い過度なダイエットは、体脂肪の減少によってホルモンの分泌に影響を与え、出血量を減らしてしまうことがあります。出血量の変化が気になるときは、早めに医療機関で相談しましょう。
生理痛が強くなる
多くの女性が経験する生理痛ですが、40代に入ってから急に痛みが強まった場合には注意が必要です。鎮痛剤でコントロールできていた痛みが、立ち上がることも困難なほどの激痛に変わるケースもあります。子宮内膜症や子宮筋腫などの婦人科疾患が原因で、生理痛が重症化している可能性もあるため、早めの受診が重要です。
海外の研究では、BMIが低い(痩せすぎ)ことも生理痛悪化の一因とされています。脂肪組織は女性ホルモンの産生に関与しており、体脂肪が極端に少ないとホルモンバランスが乱れやすく、生理痛が強く出やすいと考えられています。
生理が止まる(無月経)
3か月以上生理が来ない状態は「無月経」と呼ばれます。妊娠の可能性がない場合、ホルモンバランスの乱れや子宮や卵巣の疾患、過度のストレス、急激な体重変化などが背景にあります。40代では、卵巣機能の低下によって更年期に近づくと、無月経になることが多いです。
更年期は自然な体の変化ですが、無月経が続くことで骨粗鬆症のリスクが高まるなど、健康への影響も懸念されます。無月経が長期間続く場合には、放置せずに婦人科を受診し、原因を確認したうえで適切な治療を受けることが重要です。
生理不順に伴う不正出血
生理周期とは無関係に少量の出血が見られることを「不正出血」と呼びます。「生理が終わったと思ったら再び出血があった」「性交後に出血が見られた」などのケースが該当します。不正出血は、単なるホルモンバランスの乱れだけでなく、子宮頸がん・子宮体がん・子宮筋腫・子宮内膜症などの病気が関与している可能性があるため、注意が必要です。
40代以降で不正出血が続く場合は、何らかの疾患のサインであることも考えられるため、できるだけ早く婦人科を受診しましょう。早期に診断・治療を行うことで、より安全で安心な対応が可能になります。
生理不順の検査・治療法と日常でできる対策3選
生理不順に対する検査・治療法とともに、日常で実践できる対策を以下に3つご紹介します。
- 婦人科で行われる主な検査内容
- 生理不順の治療法
- 生理不順を改善するためのセルフケアと対策
婦人科で行われる主な検査内容
生理不順の原因を明らかにし、適切な治療方針を立てるために、婦人科ではいくつかの検査を組み合わせて行います。代表的な検査は以下のとおりです。
- 問診
- 内診
- 血液検査
- 超音波検査
問診では、現在の生理の状態(周期・出血量・生理痛の有無など)に加えて、これまでの生理の経過、妊娠や出産の経験について確認します。生活習慣や仕事や家庭でのストレス、服用中の薬なども伺います。直接の対話を通して、隠れた要因を探りながら患者さんの不安に寄り添います。
内診は、腟から子宮や卵巣の状態を直接確認し、子宮の大きさや形、卵巣の腫れや嚢胞の有無などを調べます。初めての場合は緊張することもありますが、医師はできるだけ負担を軽減するよう配慮しながら進めます。内診により、大きな子宮筋腫が偶然発見され、早期に手術へつながった例もあります。
血液検査では、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌量や甲状腺ホルモンの数値、貧血の有無などを調べます。ホルモンバランスの乱れの程度や甲状腺機能の異常が明らかになり、更年期への移行期かどうかの判断材料にもなります。
超音波検査は、子宮や卵巣の内部を画像で確認し、子宮筋腫や子宮内膜症、卵巣嚢胞などの有無や大きさ・位置を調べます。放射線被ばくがなく痛みもないため、安心して受けられる検査です。40代では子宮筋腫が増える傾向のため、生理不順の原因確認において重要です。
検査結果を総合的に判断し、生理不順の原因を特定して治療方針を決めます。必要な検査は、症状や年齢、既往歴によって異なるため、不安な点は医師と相談しながら進めましょう。
生理不順の治療法
代表的な治療法は以下のとおりです。
- ホルモン補充療法(HRT)
- 低用量ピル
更年期に差しかかり、女性ホルモンの分泌量が低下している場合には、ホルモン補充療法(HRT)が有効とされます。足りなくなった女性ホルモンを外から補うことで、ホルモンバランスを整え、生理周期の安定が目的です。のぼせやほてり、発汗、イライラなどの更年期症状の緩和にも効果が期待されます。
低用量ピルは、ホルモン分泌を一定に保つことで生理周期をコントロールする治療薬です。生理痛の軽減や経血量の減少といったメリットがあり、子宮内膜症の予防にも役立つとされています。どちらの治療法も、医師の診断と継続的なフォローのもとで行うことが重要です。ライフスタイルや将来の妊娠希望などに応じて、適切な治療法が選択されます。
生理不順を改善するためのセルフケアと対策
生理不順を改善するために、以下の3つを意識しましょう。
- 生活習慣の改善
- ストレス管理
- サプリメントの活用
栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動はホルモンバランスを整えるために大切です。大豆製品には女性ホルモンの調整に役立つ成分が含まれており、野菜や果物からはビタミンやミネラルを摂取できます。睡眠不足はホルモンの乱れを悪化させることが研究でわかっています。1日7〜8時間の質の高い睡眠を心がけましょう。
ストレスは自律神経を乱し、ホルモン分泌にも悪影響を与えます。リラックスできる時間を意識的に作ることが重要です。趣味を楽しむ、深呼吸や瞑想を取り入れる、気の合う人と過ごすなど、自分に合った方法でストレスを発散しましょう。
食事だけで補いきれない栄養素をサポートするために、サプリメントを取り入れるのも効果が高いとされます。サプリメントはあくまで補助的な役割であり、基本はバランスの良い食事が大切です。
生理不順と更年期障害のつながり
更年期・更年期障害・生理不順の関係性について、以下を解説します。
- 更年期とは閉経を挟んだ10年間
- 更年期障害の代表的な症状
- 生理不順は更年期障害の初期症状の可能性
- 更年期障害に似た他の病気との見分け方
更年期とは閉経を挟んだ10年間を指す
更年期とは、閉経を挟んだ前後約5年間、計10年間を指します。閉経とは卵巣の働きが低下し、女性ホルモン(特にエストロゲン)の分泌がほとんどなくなり、生理が永久に停止した状態です。閉経の平均年齢は50〜52歳頃ですが、個人差があり、40代前半で閉経する方もいれば、50代後半まで生理が続く方もいます。
更年期の過ごし方が、健康状態に大きな影響を及ぼします。
更年期障害の代表的な症状
更年期障害の代表的な症状は以下のとおりです。
- ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)
- 動悸やめまい
- 頭痛、肩こり、腰痛
- 倦怠感(だるさ)
- イライラや気分の落ち込み
症状は日によって波があり、ある日は平気でも、翌日は突然顔が熱くなって汗が止まらなくなったり、理由もなくイライラしたりすることもあります。更年期障害の背景には、女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの乱れに加えて、加齢による身体の変化や生活環境の変化、心理的要因などが複雑に関わっていると考えられています。
更年期障害は「不定愁訴(ふていしゅうそ)」と呼ばれることもあります。不定愁訴とは、身体に明らかな異常が見られないにもかかわらず、さまざまな不調を訴える状態を指す医学用語です。不定愁訴は、検査をしても明確な異常が見つからないケースも少なくありません。
生理不順は更年期障害の初期症状の可能性
更年期の始まりには、生理不順が最初のサインとして現れることがあります。生理不順は、卵巣機能の低下により、女性ホルモンの分泌が不安定になることが原因です。生理の乱れ方は人によってさまざまです。40代で生理不順が継続している場合は、更年期障害の初期症状である可能性を考慮する必要があります。
更年期障害に似た他の病気との見分け方
以下のような病気が更年期障害と類似した症状を示すことがあります。
- 甲状腺機能低下症
- 子宮筋腫・子宮内膜症
- 貧血
甲状腺ホルモンが不足すると、倦怠感や気分の落ち込み、生理不順などが現れ、更年期障害と誤解されやすいです。子宮筋腫や子宮内膜症は、子宮にできる良性の疾患ですが、生理痛の悪化や経血量の増加、生理不順の原因になることがあります。貧血は、だるさやめまい、集中力の低下など、更年期症状と似た体調不良を引き起こす代表的な疾患です。
更年期障害と間違いやすい病気は多く存在します。正確な診断を受けるためにも、少しでも気になる症状があるときは、早めに婦人科や内科を受診することが大切です。自己判断で放置すると、隠れた疾患が進行してしまう可能性もあるため注意しましょう。
まとめ
40代女性の生理不順は、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、生活習慣の乱れ、婦人科疾患などが主な原因です。症状としては、生理周期や出血量の変化、生理痛の悪化、無月経、不正出血などが挙げられます。
40代は更年期への移行期で卵巣機能が低下しやすいため、生理不順が起こりやすい時期です。症状が続く場合は自己判断せず、早めに婦人科を受診し、必要に応じてホルモン補充療法や低用量ピルなどで治療します。
栄養バランスの良い食事や十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理といった生活習慣の見直しも改善に役立ちます。
参考文献
- Risa Mitsuhashi, Akemi Sawai, Kosuke Kiyohara, Hitoshi Shiraki, Yoshio Nakata.Factors Associated with the Prevalence and Severity of Menstrual-Related Symptoms: A Systematic Review and Meta-Analysis.Int J Environ Res Public Health,2022,20,1,p.569
- Fiona C Baker, Kathryn Aldrich Lee.Menstrual Cycle Effects on Sleep.Sleep Med Clin,2018,13,3,p.283-294
