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【医師が解説】子宮の位置異常による症状や治療の必要性

[2025.09.10]

「子宮」は命を育む大切な臓器ですが、形や位置、役割について正しく理解している方は少ないです。子宮は骨盤内で靭帯などにより支えられていますが、何らかの要因で位置が変わってしまうことがあります。代表的なものに子宮後屈・子宮前屈・子宮下垂などがあり、月経痛や腰痛、排尿障害などの不調につながることがあります。

この記事では、子宮の基本構造や役割をはじめ、位置異常の原因や症状、検査方法、治療の選択肢もご紹介します。記事を読むことで、子宮の理解が深まり、不調への対処法を知ることができます。

橋本駅南口から徒歩1分にある長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)といった女性特有の不調のほか、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりの状況に合わせて丁寧にサポートいたします。

さらに当院は、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックとも連携し、婦人科診療や不妊治療においてスムーズな医療体制を整えています。検査結果や治療方針を共有することで、より安心かつ効率的な診療を受けていただけます。

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子宮とはどんな臓器?位置・役割・構造の基礎を解説

子宮の機能について、以下を解説します。

  • 子宮の形・大きさ・重さ
  • 子宮の位置は骨盤の中
  • 子宮の壁をつくる3つの層と役割

子宮の形・大きさ・重さ

子宮は「逆さにした洋なし」のような形をしており、上部が広く、下にいくほど細くなっています。大きさは鶏卵ほどで、重さは40〜50グラム程度で、握りこぶしよりもやや小さいサイズです。妊娠経験の有無や年齢によって大きさには個人差があります。小さな臓器でありながら新しい命を育むという点で、とても神秘的な臓器です。

子宮の位置は骨盤の中

子宮はおへその下あたりにある「骨盤」と呼ばれる骨で囲まれた空間に存在します。膀胱の後ろ、直腸の前という位置関係にあり、周囲の靭帯によって支えられているため、多少の前後左右の動きがあります。同じ骨盤内には、尿をためる膀胱や便を一時的に貯める直腸も並んで存在しています。

子宮の壁をつくる3つの層と役割

子宮の壁は内側から順に「子宮内膜」「子宮筋層」「漿膜(しょうまく)」の3層構造になっています。子宮内膜は、最も内側の層で、受精卵が着床し、妊娠が成立すると胎児が育つ場所です。月経周期に合わせて厚みを増したり薄くなったりし、妊娠しなかった場合は剥がれ落ちて月経として排出されます。

子宮筋層は子宮内膜の外側にある厚い筋肉の層です。妊娠中は子宮を大きくし、出産時には収縮して胎児を押し出す働きをします。陣痛の痛みはこの筋層の収縮によるものです。出産後には収縮によって子宮が元の大きさに戻ります。

漿膜は子宮の一番外側を覆う薄い膜で、外部からの刺激を守ると同時に、腸など周囲の臓器と摩擦が起こらないようにします。子宮は小さな臓器ですが、妊娠や出産において重要です。

子宮の位置異常とは?種類・原因・症状を解説

子宮の位置異常とは、子宮が本来の位置からずれてしまい、自然には元の位置に戻れない状態です。子宮の位置異常について、以下を解説します。

  • 子宮の位置異常の種類
  • 子宮の位置異常の原因
  • 子宮の位置異常による症状

子宮の位置異常の種類

子宮の位置異常は大きく以下の3つに分けられます。

  • 過度な子宮後屈
  • 過度な子宮前屈
  • 子宮下垂

過度な子宮後屈は、子宮が後方に傾き直腸の方向に曲がった状態です。研究によると、子宮後屈の有病率は16〜18%とされ、骨盤底の機能異常や子宮脱・膀胱脱などの泌尿生殖器の脱出症との関連が示唆されています。多くの場合無症状ですが、症状があれば手術による治療が検討されることもあります。

過度な子宮前屈は、子宮が前方に傾き膀胱側に倒れた状態です。頻度が高いものの、特に症状がなければ問題にならないケースも多いです。一方、子宮下垂は子宮が本来の位置より下に下がってしまいます。骨盤底筋の著しい衰えや靭帯の損傷などが原因で起こり、進行すると子宮が腟外に出てくることもあります。

位置異常によって、月経痛や腰痛、排尿障害などの不調が起こることがあります。

子宮の位置異常の原因

子宮の位置異常の主な原因には、以下が挙げられます。

  • 骨盤底筋の衰え:加齢・出産・肥満・運動不足などによって筋力が低下し、子宮を支えきれなくなる
  • 子宮筋腫:大きな筋腫が子宮を押し出し、位置を変えてしまう
  • 子宮内膜症:癒着によって子宮が引っ張られ、位置が変化することがある
  • 妊娠・出産歴:靭帯や骨盤底筋が伸びたり損傷することで支える力が弱くなる
  • 遺伝的要因:体質的に子宮の位置異常を起こしやすい場合がある

子宮の位置異常による症状

自覚症状がない場合もありますが、現れると以下の不調につながります。

  • 月経痛(生理痛):子宮が神経や周囲組織を圧迫し、強い痛みを引き起こす
  • 腰痛:子宮の位置異常による神経圧迫が原因となることがある
  • 排尿障害:膀胱への圧迫により、頻尿や尿漏れが起こりやすくなる
  • 便秘:直腸の圧迫で便が出にくくなる
  • 性交痛:特に子宮後屈では性交時に子宮が刺激され、痛みを感じることがある

子宮の位置異常は、軽度では自覚症状がなく経過観察となる場合も多いです。日常生活に支障が出るほど症状が強い場合には、医療機関での診察や治療が必要です。

子宮の位置異常の検査・治療・セルフケア

子宮の位置異常の検査方法や治療法、自宅でできるセルフケアについて以下を解説します。

  • 子宮の位置異常を調べる方法
  • 子宮の位置異常の治療法
  • 子宮の位置異常を予防・改善するセルフケア

子宮の位置異常を調べる方法

婦人科を受診し、問診と内診によって症状や子宮の状態を確認します。超音波検査で子宮の位置や形、周囲の臓器との関係を画像で調べ、種類や程度を診断します。

子宮の位置異常の治療法

治療は症状の重さや原因、妊娠希望の有無によって異なります。軽度で妊娠を希望しない場合には、経過観察となることもあります。骨盤底筋を鍛える体操や、子宮の位置を調整する治療が行われる場合もあります。

改善が見られない場合や重度のケースでは、子宮の位置を修正する手術や、場合によっては摘出手術(子宮全摘術)を検討する場合もあります。

子宮の位置異常を予防・改善するセルフケア

子宮の位置異常を予防、改善するセルフケアは以下のとおりです。

  • 骨盤底筋を鍛える:子宮や膀胱、直腸を支える筋肉を強化し、位置の安定を助ける
  • 姿勢を正しく保つ:骨盤の歪みや位置異常の要因となるため、背筋を伸ばして正しい姿勢を意識する
  • 適度な運動をする:ウォーキングやヨガなどで血流を良くし、骨盤底筋の衰えを防ぐ
  • 食生活を整える:カルシウム、タンパク質、ビタミンDなど骨や筋肉を支える栄養素を摂取する

重い物を持ち上げるときは腰に負担をかけないよう膝を曲げるなど、日常生活での工夫も大切です。子宮の位置異常は、適切な治療とセルフケアを組み合わせることで症状の軽減が期待できます。

まとめ

子宮は、妊娠すると赤ちゃんが約10か月間過ごす大切な臓器であり、骨盤内で靭帯によって支えられています。妊娠・出産に欠かせない臓器ですが、骨盤底筋の衰えや子宮筋腫などによって位置異常が起こることがあります。

子宮の位置異常は、月経痛や腰痛、排尿障害などの症状を引き起こす場合があります。ただし、生活習慣の改善や骨盤底筋を鍛えるセルフケアによって改善が期待できることもあります。診断は問診・内診・超音波検査で行われ、治療方法は症状の程度や原因、妊娠の希望有無によって異なります。

気になる症状があるときは、一人で抱え込まず、まずは医療機関に相談することが大切です。

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参考文献

Bernard T Haylen, Dzung Vu.The Retroverted Uterus and Pelvic Floor Dysfunction: 400 BC to 2025 AD.Int Urogynecol J,2025.

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