子宮頸がんワクチンの副作用とは?接種前に知っておきたいリスクと対処法
子宮頸がんワクチンの接種を検討する際、副作用への不安を抱く方は多いです。ワクチンは将来の自分の健康を守るための大切な選択です。この記事では、子宮頸がんワクチン接種に伴う副作用や接種前に確認すべきポイント、副作用が起きた場合の対処法も解説します。
ワクチンに関する正しい知識を持つことで、医師との相談や判断にも役立ちます。自分の体と将来の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
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子宮頸がんワクチンで起こりうる5つの副作用
子宮頸がんワクチンの接種に伴って起こりうる副作用について、以下の5つを解説します。
- 接種部位の痛み・腫れ・赤み
- 発熱・頭痛・倦怠感などの全身症状
- 接種直後に起こる失神(血管迷走神経反射)
- アナフィラキシーなど重度のアレルギー反応
- ワクチン接種後に長引く痛みやしびれなどの症状
接種部位の痛み・腫れ・赤み
子宮頸がんワクチンを接種した後、注射した部位に痛み・腫れ・赤み・かゆみ・熱っぽさなどの症状が現れることがあります。症状は、接種を受けた方の半数以上に見られる副反応であり、体の免疫システムが正常に反応している証拠と考えられています。
通常は数日以内に自然に軽快しますが、痛みが気になる場合は、清潔なタオルで包んだ保冷剤などを使って、患部を冷やすと楽になることがあります。痛みがあるからといって腕を強くもんだり、こすったりするのは逆効果になるため避けましょう。痛みや腫れが数日以上続いたり、腫れがひどくなったりする場合は、接種を受けた医療機関に相談してください。
発熱・頭痛・倦怠感などの全身症状
ワクチン接種後には、接種部位だけでなく、体全体に影響が出る「全身症状」が現れることもあります。主な症状は、以下が挙げられます。
- 発熱
- 頭痛
- 倦怠感(体のだるさ)
- 筋肉痛や関節痛
- 腹痛、下痢、嘔吐
症状は、ほとんどの場合接種後数日で自然に回復します。高熱が続く場合や、症状が長引いたり重く感じたりする場合は、我慢せず早めに医療機関を受診してください。
接種直後に起こる失神(血管迷走神経反射)
血管迷走神経反射は、注射への強い緊張、不安、恐怖、痛みなどが引き金となって起こる一過性の反応です。アレルギー反応ではなく、神経系の一時的な反応であるため、正しく区別して対処する必要があります。症状は以下のとおりです。
- めまい
- 気分の悪さ
- 顔面蒼白
- 冷や汗
- 一時的な意識消失(失神)
反応は、特に10代以降の若年層で起こりやすく、急に立ち上がったときに倒れてけがをする恐れもあります。ワクチン接種後は、すぐに立ち上がらず、30分間程度は安静に座って過ごしましょう。もし気分が悪くなった場合は、無理をせず、すぐに近くのスタッフに声をかけてください。
アナフィラキシーなど重度のアレルギー反応
アナフィラキシーは、ワクチンに含まれる成分に対して起こる重篤なアレルギー反応で、命に関わる可能性があるため、迅速な対応が必要です。主な症状は以下が挙げられます。
- 全身のじんましん
- 呼吸困難
- 急激な血圧低下
- 意識レベルの低下
アナフィラキシーは、接種後30分以内に起こることが多いです。厚生労働省の報告によると、アナフィラキシーの発生頻度はおよそ100万回の接種に319回(0.03%程度)とされています。子宮頸がんワクチンを接種した後は、病院内で30分間待機することが推奨されています。過去に薬や食品でアレルギー反応を起こしたことがある方は、接種前に医師に伝えてください。
接種後に少しでも異常を感じた場合は、医療スタッフへ相談しましょう。
ワクチン接種後に長引く痛みやしびれなどの症状
子宮頸がんワクチンの接種後に見られる副作用の一部として、以下の症状が現れることがあります。
- 広範囲にわたる持続的な痛み
- 手足のしびれや感覚の異常
- 手足の力が入りにくい、動かしにくいなどの運動障害
- 自分の意思とは関係なく身体が動いてしまう不随意運動
- 記憶力や集中力の低下
症状とワクチン接種との間に、明確な因果関係は現時点で証明されていません。「機能性身体症状」と呼ばれる状態と考えられており、痛みなどの刺激で脳が体の機能を調整できなくなることによって起こるとされています。
接種後に体調の違和感が続く場合は、自己判断で放置せず、接種を受けた医療機関や、かかりつけ医に早めに相談しましょう。
接種前に確認すべき3つのポイント
子宮頸がんワクチンを安全に受けるためには、以下の3つを事前にチェックしましょう。
- ワクチンの種類と効果・費用を正しく知る
- 自分にワクチン接種が適しているかを確認する
- 子宮頸がんワクチン接種当日の注意点(入浴・運動・飲酒など)
ワクチンの種類と効果・費用を正しく知る
子宮頸がんワクチンには、対応するHPVの型に応じていくつかの種類があり、予防できるウイルスの数によって「2価」「4価」「9価」と分けられます。公費で接種できるワクチンと対応するHPV型は、以下のとおりです。
- 2価ワクチン(サーバリックス®):HPV16型・18型に対応
- 4価ワクチン(ガーダシル®):HPV6型・11型・16型・18型に対応
- 9価ワクチン(シルガード9®):HPV6型・11型・16型・18型・31型・33型・45型・52型・58型に対応
3種すべてが、子宮頸がんの原因とされるHPV16型と18型に対応しています。公費で接種できる対象者は、小学校6年生〜高校1年生までの女子です。平成9年度〜20年度生まれの女性で、過去に接種の機会を逃した方は、令和4年4月1日〜令和7年3月31日までの間に1回以上接種を受けた場合に限り、公費で接種を受けることが可能です。
ワクチンの種類や接種方法、費用負担の詳細については、お住まいの市区町村のホームページや予防接種相談窓口で最新情報を確認しましょう。
自分にワクチン接種が適しているかを確認する
子宮頸がんワクチンの接種前の問診では、以下のポイントを医師に伝え、自分にとって適切かどうかを確認しましょう。
- 過去の予防接種で体調を崩したことがあるか
- 医薬品・食品・ワクチン成分によるアレルギー歴(アナフィラキシー含む)があるか
- 心臓・腎臓・肝臓・血液などの持病があるか
- 妊娠している、または妊娠の可能性があるか
- 発熱や風邪など体調不良がないか
接種前の問診は、ご自身の体を守る大切なステップです。体調や体質に不安がある場合は、医師に相談し、納得したうえで接種を決めましょう。
子宮頸がんワクチン接種当日の注意点(入浴・運動・飲酒など)
子宮頸がんワクチンを安心して接種するためには、当日の過ごし方にも注意が必要です。接種後の入浴は、基本的に問題ありませんが、注射した部分を強くこすらないよう注意してください。水泳やランニング、筋トレなどの激しい運動は、体に負担をかけるため避けましょう。体調が整うまでは、できるだけ体をゆっくり休めることが大切です。
当日の飲酒は控えましょう。アルコールは体調を悪化させたり、副反応を強めたりする可能性があります。接種した部位は清潔に保ち、異常があれば接種を受けた医療機関へ相談しましょう。
副作用が出たときの適切な対処法
副作用が出たときは、以下の対処法が推奨されます。
- 軽い副作用にはセルフケアを行う
- 重い症状が出たらすぐに医療機関を受診する
軽い副作用にはセルフケアを行う
子宮頸がんワクチン接種後に現れる副作用の多くは、数日で自然に治まるケースがほとんどです。体調を整えるためにも、以下のセルフケアを取り入れましょう。
- 安静にしてゆっくり休む
- 注射部位を冷やす
- 市販薬を上手に活用する
接種当日は、体が免疫をつくる大切なタイミングのため、激しい運動や飲酒は避け、無理をせずリラックスした時間を過ごしましょう。質の良い睡眠と十分な休息が、体の回復につながります。注射した腕に痛みや腫れ、熱っぽさがある場合には、保冷剤などでやさしく冷やしましょう。冷やしすぎないように注意しながら、心地よい温度で対応してください。
痛みや発熱がつらいときは、市販の解熱鎮痛薬を使うのも一つの方法です。薬にアレルギーがある方や、他の薬を服用中の方は、自己判断せずに、事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
重い症状が出たらすぐに医療機関を受診する
ごくまれにですが、ワクチン接種後に早急な対応が必要となる重篤な症状が出ることがあります。以下の症状が見られた場合は、時間帯を問わず、病院を受診してください。
- 息苦しさやゼーゼーとした呼吸
- 顔やまぶた、唇、舌の急な腫れ
- 全身へのじんましんの発生
- 意識がもうろうとして反応が鈍い
- けいれん(ひきつけ)が起こる
- 注射部位の痛みが異常に強くなり、悪化している
- 手足に力が入らない、またはしびれが続いている
呼吸の異常やじんましんは、重度のアレルギー反応の可能性があり、迅速な処置が必要です。手足のしびれや動かしづらさなど、神経系の症状が長く続く場合も注意が必要です。接種後に体の異変を感じたら、夜間や休日であっても我慢せず、医療機関へ連絡しましょう。
不安や症状が続くときの相談先
子宮頸がんワクチン接種後に体調の変化や不安が続く場合の相談先は、以下のとおりです。
- かかりつけ医や産婦人科に相談する
- 自治体の予防接種相談窓口も活用する
- 厚生労働省の相談窓口を活用する
かかりつけ医や産婦人科に相談する
ワクチン接種後に症状が軽快しないときは、接種を受けた病院や、日頃から通っているかかりつけ医に相談しましょう。子宮頸がんに詳しい産婦人科での相談も一つの方法です。
相談の際は、状況をあらかじめメモにまとめておくと、医師に正確に伝わりやすくなります。以下の情報を整理しておくとスムーズです。
- 接種日と接種回数
- ワクチンの種類(2価、4価、9価)
- 症状が出始めた日、症状の内容と経過の変化
- 特に不安に思っていること
情報を明確にしておくことで、診察が円滑に進み、より適切な対応やアドバイスを受けやすくなります。子宮頸がん検診で「再検査が必要」と言われた場合でも、必ずしもがんが見つかるわけではありません。精密検査での確認が必要な段階であることが多いため、落ち着いて医師に相談しましょう。
自治体の予防接種相談窓口も活用する
多くの市区町村では、保健所や保健センターに予防接種相談窓口を設けており、ワクチン接種に関する不安や疑問に対して、看護師や保健師が丁寧に対応します。副反応に関する一般的な質問への回答や、地域の協力医療機関・専門医療機関の紹介、国が設けている健康被害救済制度の案内などが受けられます。
どの病院に行けばいいかわからない場合は、地域の相談窓口に問い合わせることをおすすめします。市区町村のホームページでは「HPVワクチン相談」や「予防接種相談窓口」などで検索してみましょう。地域によっては、子宮頸がん予防ワクチンに特化した相談窓口を設けている自治体もあります。
厚生労働省の相談窓口を活用する
子宮頸がんワクチンの接種後に、症状が長く続いて日常生活に支障を感じているようなときには、国が設けている公的な相談窓口を利用することができます。「感染症・予防接種相談窓口」では、ワクチンに関する専門的な視点からの相談対応を行っています。
「健康被害救済制度」は、予防接種を受けたことで何らかの健康被害が生じたと認められた場合に、医療費や障害に関する給付が行われる制度です。厚生労働大臣による審査のうえ、病院での治療が必要になったり、生活に影響を及ぼす障害が残ったりしたケースでは、救済の対象となる可能性があります。
制度の手続きはやや複雑で、専門的な判断も関わるため、手続きを始める際には、接種を受けた病院や自治体の担当窓口、厚生労働省の相談窓口に相談しましょう。一人で悩まず、信頼できる情報源や専門家の力を借りながら、冷静に対応していくことが大切です。
まとめ
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんを予防する選択肢の一つです。接種後には軽い副反応が見られることが多く、多くの場合は一時的です。まれに重い副作用が起こる可能性もあるため、リスクを正しく理解することが大切です。過度に不安になる必要はありませんが、万が一に備えて冷静に対応できるよう準備しておくことが安心につながります。
接種の前後で不安な点や体調の変化があれば、一人で抱え込まずに、接種した医療機関やかかりつけ医に相談しましょう。自治体や国の相談窓口では、副反応に関する質問や制度に関する手続きなども丁寧に対応してくれます。困ったときは、専門の相談窓口を積極的に活用しましょう。
参考文献
- 厚生労働省:国内でのアナフィラキシーの発生状況について
- 厚生労働省:感染症・予防接種相談窓口(令和7年)
