子宮頸がん検診の費用はどれくらい?保険適応・無料になる条件も解説
子宮頸がんは早期に発見できれば、治療の効果が高くなるとされており、定期的な検診の受診が勧められています。子宮頸がん検診の料金は、検査の種類や受け方によって異なり、保険が使えるかどうかや無料となる条件も複雑でわかりにくいのが現状です。
本記事では、子宮頸がん検診にかかる費用を検査の種類ごとに分けて解説し、保険が適用される条件や無料になるケースもご紹介します。費用だけでなく、ご自身の年齢やこれまでの検診の有無などの背景も考慮し、適した検診方法を選ぶことが重要です。安心して検診に臨めるよう、正しい知識を身につけましょう。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関する検査・治療に対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
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子宮頸がん検診の種類
子宮頸がん検診の種類は、以下の4つです。
- 子宮頸部細胞診
- HPV(ヒトパピローマウイルス)検査
- 経腟エコー検査
- コルポスコピー検査
子宮頸部細胞診
細胞診は、子宮頸部の表面を専用のブラシなどで軽くこすり、剥がれた細胞を採取して顕微鏡で調べる検査です。子宮頸がんや前段階の異常細胞が存在していないかを確認します。検査時間は数分程度で、多くの方にとっては軽い不快感のみで済みます。費用は6,000円程度です。
細胞診は、子宮頸がん検診の基本となる方法で、全国の多くの医療機関で受けることが可能です。細胞診では、がんや前がん状態の細胞の変化を直接確認できるため、比較的進行した病変の早期発見に役立つとされています。
HPV(ヒトパピローマウイルス)検査
HPV(ヒトパピローマウイルス)検査は、子宮頸がんの主な原因とされるHPVへの感染の有無を調べる検査です。「ハイリスク型HPV」と呼ばれる一部のウイルス型は、子宮頸がんの発症に関与していることが知られています。HPV検査は、細胞診と同時に子宮頸部から採取した細胞を使って行われることが多く、検診の精度向上にもつながります。
費用は、細胞診とのセットで8,000〜10,000円程度が一般的です。HPVに感染しても、免疫機能によりウイルスが排除されることが多いですが、感染が続くと子宮頸がんのリスクが高まることがあります。HPV検査は、細胞診とは異なる視点からリスクを評価できる点が大きな特徴です。近年では検出精度を高める技術の研究も進んでいます。
経腟エコー検査
経腟エコー検査は、超音波を利用して子宮や卵巣の状態を確認するための検査です。細長いプローブを腟内に挿入し、超音波を照射することで、子宮や卵巣の形状、大きさ、内部の様子などを画像で確認します。経腟エコーでは、子宮頸がんだけではなく、子宮筋腫や卵巣嚢腫など他の婦人科疾患を発見できる場合があります。費用の目安は5,000円程度です。
検査自体は5〜10分ほどで終了し、個人差はあるものの痛みはほとんど感じないとされています。妊娠中の場合は妊娠週数や母体の状態によっては実施が難しい場合もあるため、事前に医師に相談しましょう。
コルポスコピー検査
コルポスコピー検査は、コルポスコープと呼ばれる拡大鏡を使って、子宮頸部の表面を観察する検査方法です。肉眼では確認できないような微細な病変の発見に役立つとされます。費用は保険が適用される場合で5,000円程度、保険適用外の自費診療では15,000円ほどかかることがあります。検査時間は通常10〜15分程度です。
検査時には酢酸を子宮頸部に塗布して観察を行うため、軽い刺激を感じることがあります。検査は、子宮頸部の細胞診やHPV検査で異常が見つかった際に、病変の性質や広がりを調べるために行われます。コルポスコピー検査は、正確な診断の補助として活用される検査です。
子宮頸がん検診の受診方法と費用の目安
子宮頸がん検診の受診方法と費用の目安について、以下の3つを解説します。
- 自治体による住民検診:無料〜数千円
- 職場の健康診断:無料〜数千円
- 人間ドック:5,000~15,000円程度
自治体による住民検診の費用:無料〜数千円
自治体が実施する住民検診は、無料〜数千円程度で受診できることが多く、経済的負担が少ないのが特徴です。自治体によっては、特定の年齢層に対して無料クーポンを配布している場合もあります。70歳以上の高齢者や、生活保護を受けている方、住民税が非課税の世帯などは、多くの自治体で自己負担なしで検診を受けられます。
受診方法は自治体によって異なりますが、一般的には受診票が必要となるケースが多いです。事前に自治体の公式サイトなどで、対象年齢や費用、必要な持ち物、予約の方法などを確認しましょう。検査内容は、2年に1回の細胞診が基本ですが、細胞診のみではHPV感染を見逃す可能性もあります。
必要に応じて、追加料金がかかる場合でもHPV検査の併用を検討しましょう。
職場の健康診断:無料〜数千円
職場の健康診断に子宮頸がん検診が含まれている場合、多くは会社の費用負担により無料、あるいは数千円程度の自己負担で受診できるケースが多いです。自治体の公費補助が適用され、自己負担がない場合もあります。実施される検査のほとんどは細胞診のみで、HPV検査は含まれないことが一般的です。
詳しい検査を希望する場合は、別途医療機関でHPV検査を受けることを検討しましょう。職場の健康診断で子宮頸がん検診を受ける場合は、会社の人事部などに問い合わせ、内容や受診方法を確認しましょう。
人間ドック:5,000~15,000円程度
人間ドックで子宮頸がん検診を受ける場合は自由診療扱いとなり、全額自己負担です。細胞診のみを受ける場合は5,000円前後がかかることが多いです。HPV検査や超音波検査をオプションで追加すると、費用が10,000~15,000円程度になることもあります。検査内容や医療機関によって料金が異なるため、事前の確認が必要です。
人間ドックは、他の検査項目と合わせ、総合的な健康状態をチェックできる利点があります。
子宮頸がん検診が保険適用になる場合
子宮頸がん検診が健康保険の適用対象となる場合は、以下の条件があります。
- 症状がある場合
- 再検査が必要な場合
症状がある場合
子宮頸がんは、初期の段階では自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行している場合もあります。がんが進行するにつれて、いくつかの症状が現れることがあります。代表的な症状は以下のとおりです。
- 不正出血
- おりものの異常
- 下腹部痛や腰痛
- 排尿時の痛み
生理以外のタイミングでの出血や、性交後の出血などは、不正出血の可能性があります。少量でも普段と違う出血があれば注意が必要です。おりものの量や色、においがいつもと違う場合も、子宮頸がんを含む何らかの異常が隠れている可能性があります。
症状は、子宮頸がんに限ったものではありませんが、早めに医師の診察を受けて原因を明らかにすることが大切です。自己判断は避け、専門的な診断と適切な対応を受けましょう。
再検査が必要な場合
子宮頸がん検診を受けた結果、「要精密検査」と判断された場合には、追加の検査を受ける必要があります。精密検査が求められるのは、以下の異形成の所見がみられたときです。
- ASC-US(意義不明異型扁平上皮細胞)
- LSIL(軽度扁平上皮内病変)
- HSIL(高度扁平上皮内病変)
異形成をみられた場合、コルポスコピー検査や組織診などの追加検査が行われ、保険適用の対象です。必要に応じて子宮頸部から組織を採取し、病理検査を通じて確定診断を行います。検査の内容や費用、治療の流れなどについて不明点がある場合は、医師や看護師に遠慮なく相談しましょう。
子宮頸がん検診が無料で受けられる条件
子宮頸がん検診が無料になる条件は、以下のとおりです。
- 市区町村の子宮頸がん検診クーポンがある
- 70歳以上である
- 住民税非課税世帯である
- 妊婦健診の一環として実施される
市区町村の子宮頸がん検診クーポンがある
多くの市区町村では、費用を助成するクーポンを配布しています。クーポンを使えば、自己負担が数百〜数千円程度に抑えられ、条件によっては無料で検診を受けられることもあります。クーポンの対象年齢や配布の方法は自治体によって異なりますが、20歳以上の方を対象に、2年に1度の頻度で郵送されるケースが多いです。
対象年齢に達してもクーポンが届かない場合は、お住まいの市区町村の担当窓口に問い合わせましょう。クーポンを利用できる医療機関は市区町村が指定していることがあるため、事前に確認したうえで受診しましょう。
70歳以上である
70歳以上の方で「後期高齢者医療被保険者証」をお持ちの場合、多くの自治体で子宮頸がん検診を無料で受けることができます。国の制度によって費用が全額助成されるため、原則として自己負担は発生しません。受診の際は、後期高齢者医療被保険者証を持参してください。
HPV検査などの高度な検査を追加する場合や、子宮頸がんを疑わせる症状がある場合は、保険診療として扱われ、別途費用がかかることもあります。
住民税非課税世帯である
住民税非課税世帯に該当する方は、子宮頸がん検診を無料で受けられることがあります。市区町村が独自に設けている公費助成制度によるもので、対象年齢や実施医療機関、検診の内容などは自治体によって異なります。詳細は市区町村の公式ホームページを確認するか、窓口で直接問い合わせましょう。
非課税世帯でなくても、低所得世帯を対象とした費用助成制度を導入している自治体もあります。世帯状況に応じた支援制度が利用できる可能性もあるため、一度調べてみることをおすすめします。
妊婦健診の一環として実施される
妊娠中の女性は、妊婦健診の一部として子宮頸がん検診を無料で受けられる場合があります。母子保健法にもとづいた制度で、妊娠初期に1回、原則として無料で細胞診が実施されます。妊婦健診は、母体と胎児の健康管理を目的とした診察であり、子宮頸がん検診も大切な項目の一つとして含まれます。
実施内容は医療機関によって異なる場合があり、基本的には細胞診のみが対象で、HPV検査は含まれないことが一般的です。妊婦健診を受ける際には、子宮頸がん検診が実施されるかどうかを確認し、必要に応じて追加の検査も検討しましょう。
子宮頸がん検診を受ける際の注意点
検診を受けるうえで知っておくべきポイントについて、以下の4つを解説します。
- 検査前の準備・持ち物
- 検査中の痛みや出血
- 検診後の注意点
- 妊娠中・授乳中の検診
検診前の準備と持ち物
子宮頸がん検診は、内診台を使用して行うため、スカートなど内診が受けやすい服装で来院するとスムーズです。検査自体は数分で終わりますが、問診や診察を含めると全体で30分程度かかることが多いです。当日は、健康保険証、自治体の検診を受ける場合には受診票を持参しましょう。
検査後に少量の出血がみられることがあるため、念のため生理用ナプキンを用意しておくと安心です。検査前日は、腟洗浄を避けてください。腟内環境が変化し、検査結果に影響を与える可能性があります。正確な診断のために、検査前の性交渉も控えることが望ましいとされています。
検査中の痛みや出血
子宮頸がん検診では、子宮頸部の細胞を採取するために、専用のブラシやヘラが使用されます。細胞の採取時に軽い痛みや少量の出血を伴うことがありますが、ほとんど痛みを感じず、短時間で検査が終わることが多いです。痛みに敏感な方や出血に不安を感じやすい方の中には、検診を避ける傾向の方もいます。
子宮頸がんは早期発見・早期治療が重要な病気であり、定期的な検診はご自身の健康を守るうえで欠かせません。不安がある場合は、検査前に医師や看護師に遠慮なく相談しましょう。
検診後の注意点
子宮頸がん検診の後は、日常生活に制限はありません。子宮頸部に軽い刺激が加わっているため、検査当日から数日間は激しい運動や性交渉を控えることが推奨されます。検査後に少量の出血が見られることがありますが、数日以内に自然に治まることが多いです。
大量の出血や強い痛み、発熱、悪臭のあるおりものなどの異常がある場合は、感染症などの可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。検査結果は通常、1〜2週間以内に郵送や電話で通知され、医療機関によってはオンラインで確認できるケースもあります。
「要精密検査」と診断された場合には、コルポスコピー検査や組織診などの検査が必要になる場合があるため、指示に従って医療機関を受診しましょう。
妊娠中・授乳中の検診
妊娠中や授乳中でも、子宮頸がん検診を受けることは可能ですが、妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮への刺激による影響を考慮する必要があります。検診を受ける際は、必ず医師に妊娠中または授乳中であることを伝えたうえで、適切な検査方法や時期について相談しましょう。
まとめ
子宮頸がん検診は、早期発見により予後の改善が期待できるとされる検査です。細胞診やHPV検査などがあり、費用や受診方法もさまざまです。自治体の助成や妊婦健診、公費制度を利用すれば無料で受けられる場合もあります。検診前は腟洗浄や性交渉を控え、内診しやすい服装で受診しましょう。
結果が「要精密検査」となった場合は、速やかに追加検査を受け、妊娠中や授乳中の方は医師に相談することが大切です。子宮頸がん検診の費用や方法を理解し、ご自身に合った検診を選び、早期発見・治療につなげましょう。
参考文献
O Fashedemi, Okoroike C Ozoemena, Siwaphiwe Peteni, Aderemi B Haruna, Leshweni J Shai, Aicheng Chen, Frankie Rawson, Maggie E Cruickshank, David Grant, Oluwafunmilola Ola, Kenneth I Ozoemena.Advances in human papillomavirus detection for cervical cancer screening and diagnosis: challenges of conventional methods and opportunities for emergent tools.Anal Methods,2025,17,7,p.1428-1450
