体外受精に伴う7つのリスク!先天性異常や合併症の可能性を徹底解説
体外受精は、不妊治療の一環として妊娠や出産の可能性を高める医療手段の一つです。体外受精をしても必ず妊娠に至るわけではなく、さまざまなリスクも存在します。本記事では、体外受精によって生じる可能性のある母体への影響や、胎児における先天性疾患などのリスクを解説します。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。
体外受精に伴う7つのリスク
体外受精に関連する代表的なリスクについて、以下の7つを解説します。
- 年齢とともに妊娠率は低下、流産のリスクは増加
- 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスク
- 子宮外妊娠が起こる可能性
- 自然妊娠よりも多胎妊娠のリスクが高まる
- 採卵による合併症の発症
- 定期的に通院が必要
- 体外受精を継続するための経済的負担
年齢とともに妊娠率は低下、流産のリスクは増加
妊娠や流産に関する確率は、女性の年齢が影響するとされています。厚生労働省によると年齢が上がるほど、妊娠および出産に至る可能性は低くなると報告されています。体外受精における妊娠率は、34歳以下で約40%台ですが、40歳を超えると20%前後、45歳以上では数%にまで下がります。
流産率に関しては35歳で約21.5%、40歳で約32.6%、そして45歳で57.1%にまで上昇します。女性の卵子は胎児の段階で形成され、生まれた後に新たに作られることはありません。加齢とともに卵子の質が低下します。体外受精はいつでも成功する治療ではない点を理解する必要があります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスク
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は、排卵を促すために使用される排卵誘発剤の副作用として発生する可能性があります。排卵誘発剤を使用すると、個人差はありますが、過剰に反応すると卵巣が腫れたり、ホルモン分泌が異常に増加したりすることがあります。
卵巣過剰刺激症候群を抱えたまま妊娠した場合、症状がさらに悪化して入院治療が必要となるケースもあります。排卵誘発剤を使用中に腹部の張りや吐き気、急激な体重増加などの異変が現れた際には、速やかに医療機関を受診してください。
子宮外妊娠が起こる可能性
体外受精においても、数%というわずかな確率ではありますが、子宮外妊娠が発生する可能性があります。子宮外妊娠とは、胚(受精卵)を子宮内に戻した際に、卵管や卵巣などの子宮以外の部位に着床してしまう状態です。子宮外に着床した場合、胎児は正常に成長できないため、妊娠を継続することはできません。
自然妊娠よりも多胎妊娠のリスクが高まる
体外受精では、自然妊娠と比較して多胎妊娠(双子以上)の可能性が高くなる傾向です。多胎妊娠の一因として、複数の受精卵を子宮内に戻す処置が挙げられます。原則として、移植する胚の数は1個とされています。35歳以上の女性や、なかなか妊娠が成立しない方には、2個の胚を戻す場合もあります。
多胎妊娠では、早産や妊娠中の合併症を引き起こしやすくなるだけでなく、胎児にとっても未熟児として生まれるリスクが伴います。
採卵による合併症の発症
採卵は、細い針を卵巣に刺して卵子を採取する医療処置であり、少なからず体への侵襲を伴います。採卵の過程で腟壁や卵巣からの出血が起こることがあり、ごくまれに腸管など周辺臓器を損傷するリスクもあります。採卵時に使用される麻酔によって、血圧の低下や吐き気、アレルギー反応などの副作用が出る可能性もあるため注意が必要です。
定期的に通院が必要
体外受精は1回で完結する治療ではなく、検査・排卵誘発・採卵・受精・胚移植・妊娠判定という複数の工程を経るため、頻回な通院が必要です。排卵誘発から採卵、胚移植までは、生理周期に合わせたタイミングで処置を行うため、1周期あたり4〜5回の通院が一般的です。
事前検査から妊娠判定までに3か月ほどかかることも多く、仕事や家庭の都合と両立するのが難しいと感じる方も多いです。
体外受精を継続するための経済的負担
2022年4月より、体外受精には一定の条件を満たせば医療保険が適用となり、以前に比べて経済的負担は軽減されています。保険適用の条件は、以下のとおりです。
- 法的な夫婦または事実婚であること
- 女性の年齢が43歳未満であること
- 治療回数が40歳未満で最大6回、40〜43歳未満で最大3回まで
すべての薬剤や治療内容が保険適用になるわけではなく、一部は自費診療となる場合があります。治療を繰り返すうちに、検査・薬・処置の費用が積み重なり、総額で数十〜数百万円に及ぶケースもあります。経済的な見通しを立てたうえで、パートナーと相談しながら無理のない治療計画を立てましょう。
体外受精を成功へ導くためのクリニック選びのポイント
体外受精には、時間的・身体的・経済的な負担が伴うため、治療を開始する前に信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。一度治療を始めてから医療機関を変更するのは容易ではないため、最初の段階での選択が結果に大きく影響します。
不妊治療を検討している方は、不妊治療を専門とするクリニックや、生殖医療の資格を持つ専門医の受診をおすすめします。実績と経験が豊富で、不妊治療に特化した医師が在籍する医療機関に相談しましょう。
体外受精が赤ちゃんの健康に与える影響
体外受精を検討する場合「生まれてくる子どもに健康への影響があるのではないか」と心配になる方も多いです。自然妊娠であっても、一定の確率で自閉スペクトラム症(ASD)などの先天的障害が発生します。海外の研究データによると、ふりかけ法の場合は、自然妊娠と比べて先天的障害の発生率に大きな差は見られないと報告されています。
顕微授精(ICSI)に関しては、ASDの発生率が自然妊娠に比べて約2.49倍、発達遅延についても1.92倍に高まる可能性があるとする研究もあります。リスクの上昇が顕微授精に起因するのか、不妊症という基礎疾患や体質が関与しているのかは、現時点では明確ではありません。
因果関係がはっきりと証明されたわけではなく、複数の要因が複雑に絡んでいると考えられています。過度に不安を抱える必要はありませんが、治療に進む前にリスクを把握することは大切です。不安や疑問がある場合は、一人で抱え込まずに、医師に相談しましょう。
体外受精に伴うリスクを最小限に抑える対処法
体外受精に関連するリスクを軽減するための対策について、以下の3つを解説します。
- 年齢に応じた治療計画の立て方
- 生活習慣の改善による成功率向上の可能性
- 心のケアとカウンセリングの重要性
年齢に応じた治療計画の立て方
年齢は体外受精の成功率に大きく関わるため、年齢に応じた適切な治療計画を立てることが重要です。35歳未満の方であれば、比較的余裕を持った治療スケジュールを組むことが可能です。35歳以上では妊娠率が徐々に低下し始めるため、治療の開始時期や進行スピードに工夫が求められます。
40歳を超えると、排卵誘発剤を使用して短期間で複数回の採卵を行うなど、効率性を重視した治療方針が取られる場合もあります。
生活習慣の改善による成功率向上の可能性
体外受精の成功率を高めるには、生活習慣の見直しも大切です。規則正しい生活リズムやバランスの良い食事、適度な運動、禁煙・禁酒など、日々の健康管理が体の状態を整えることにつながります。
食事面では、葉酸やビタミンD、亜鉛などの妊娠に関わる栄養素を意識的に摂取することが推奨されます。緑黄色野菜や魚、豆類などを取り入れた食生活が理想です。運動習慣としては、週に3回ほど30分程度のウォーキングを目安にするなど、無理のない範囲での継続を意識しましょう。
心のケアとカウンセリングの重要性
体外受精は、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも大きい治療です。治療結果の不確定性や高額な費用、周囲からの期待や無言の圧力などにより、多くの方が強い不安や緊張を感じることがあります。精神面のサポートは、治療を前向きに継続するうえで欠かせない要素です。
多くの不妊治療専門クリニックにおいて、臨床心理士や専門カウンセラーによる心理的サポートが提供されています。治療への不安や恐怖を安心して話せる環境が整えられており、ストレスを軽減する方法や対処法を学ぶことが可能です。リラクゼーションの技法や認知行動療法を取り入れることで、治療中の精神的安定を保つことにつながります。
体外受精に関するよくある質問
体外受精によく寄せられる質問について、以下の3つを解説します。
- 体外受精は何回まで受けられる?
- 保険適用の条件や費用の詳細は?
- 仕事との両立はどのように行えばいい?
体外受精は何回まで受けられる?
体外受精には法律による実施回数の上限は設けられていませんが、医学的・経済的・精神的な観点から、何度まで試みるかを慎重に検討する必要があります。一般的な目安としては、新鮮胚移植および凍結胚移植を含めて、3〜6回程度が一つの基準とされます。
年齢や卵巣の状態、過去の治療経過など、さまざまな要素を踏まえて、適切な回数は個別に判断されます。保険適用の範囲では、女性が40歳未満であれば通算6回まで、40歳以上43歳未満の場合は通算3回まで助成を受けることが可能です。医師と相談しながら、心身への負担も考慮したうえで、自分に合った治療回数を見極めましょう。
保険適用の条件や費用の詳細は?
2022年4月より、体外受精は保険診療の対象となり、経済的な負担が大幅に軽減されました。保険が適用されるためには以下の条件に該当する必要があります。
- 法律上の夫婦であること
- 女性の年齢が43歳未満であること
- 他の不妊治療を試しても妊娠に至らなかったこと
保険適用により、治療費の自己負担は原則3割になりますが、一部の検査や特殊な処置は保険外となる場合もあります。正確な費用については、通院を予定しているクリニックで事前に確認すると安心です。
仕事との両立はどのように行えばいい?
体外受精と仕事の両立は、多くの方が直面する課題ですが、スケジュールを把握し、計画的に対応することで、無理なく治療の継続が可能とされています。採卵前後の期間は通院頻度が高くなるため、勤務時間や出勤日の調整が重要なポイントです。
信頼できる上司や人事担当者に事情を伝え、柔軟な勤務体制を整えることが大切です。フレックスタイム制度や時短勤務、有給休暇の積極的な活用を検討しましょう。テレワークが可能な職場であれば、在宅勤務を活用することで通院と仕事の両立がしやすくなります。
まとめ
体外受精は妊娠の可能性を高める一方で、卵巣過剰刺激症候群や子宮外妊娠、多胎妊娠、採卵時の合併症など、さまざまなリスクを伴います。頻回な通院や経済的負担も大きく、仕事との両立に悩む方も多いです。リスクを軽減するためには、年齢・体調に合わせた治療計画や生活習慣の改善、心のケアが重要です。
信頼できるクリニックと相談しながら、自分に合った治療を選択しましょう。
参考文献
- 厚生労働省:不妊治療の実態に関する調査研究(令和2年)
- Rolv T Lie, Anita Lyngstadaas, Karen Helene Ørstavik, Leiv S Bakketeig, Geir Jacobsen, Tom Tanbo.Birth defects in children conceived by ICSI compared with children conceived by other IVF-methods; a meta-analysis.Int J Epidemiol,2005,34,3,p.696-701
- Maria P Velez, Natalie Dayan, Jonas Shellenberger, Jessica Pudwell, Dia Kapoor, Simone N Vigod, Joel G Ray.Infertility and Risk of Autism Spectrum Disorder in Children.JAMA Netw Open,2023,6,11,p.e2343954
