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卵巣出血と性行為の関係性!原因と対処法、予防のポイント

[2025.09.10]

性交後に下腹部の痛みや出血を経験したことはありませんか?それは「卵巣出血」が原因かもしれません。日本では婦人科系の疾患についての認識がまだ十分とは言えず、違和感があっても我慢したり、病院に行かずに放置したりしてしまう方も少なくありません。

この記事では、卵巣出血と性行為との関連性や、主な原因・対処法・予防のポイントをわかりやすく解説します。自分の体の変化に気づき、正しい知識を持つことで、必要なタイミングで医療を受けることができ、より安心して日常生活を送ることができます。将来の健康を守るためにも、ぜひ最後までお読みください。

橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。

また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。

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性行為と卵巣出血の関連性

性行為そのものが卵巣出血を直接引き起こすわけではありません。しかし、性行為中に加わる物理的な刺激が卵巣に負担をかけ、出血の引き金となる可能性があります。特に排卵期や排卵直後の時期には注意が必要です。性行為による物理的な刺激には、以下のようなものがあります。

  • 排卵期の卵胞への刺激
  • 排卵後の黄体への刺激

排卵前後の卵胞は繊細な構造であり、性行為による圧力や振動が加わることで破裂し、卵胞出血が起こることがあります。出血は軽度で済む場合が多いものの、まれに大量出血を招くケースも報告されています。

排卵後に形成される黄体も同様に刺激に弱く、出血が生じて血液が内部にたまると「出血性黄体嚢胞」と呼ばれる状態になります。この状態で性行為による刺激が加わると、嚢胞が破裂し、激しい出血や腹痛を伴う可能性があります。

性行為の1〜2日後に激しい腹痛を感じる場合は、出血性黄体嚢胞の破裂が原因である可能性があるため、医療機関の受診が推奨されます。

卵巣出血の主な原因

卵巣出血は、少量で自然に止まることが多いです。しかし、大量出血や激しい痛みを伴う場合もあるため、症状に応じた適切な対応が重要です。卵巣出血の原因として、以下の3つが考えられます。

  • 排卵
  • 排卵期の性行為
  • その他の要因(激しい運動・抗凝固薬の服用など)

排卵

女性の月経周期において排卵は自然な現象であり、多くの方が経験します。卵巣内の卵胞(卵子を包む袋状の構造)が成熟して破裂し、卵子が放出される過程で、卵胞周囲の血管が損傷し、少量の出血が起こることがあります。

この出血は「排卵出血」と呼ばれ、生理の約2週間前に見られることが多く、症状としては以下のようなものがあります。

  • 出血量はごく少量
  • 痛みはほとんどない
  • おりものに血が混じる程度の軽い出血

多くの場合、排卵出血は自然に治まり心配は不要ですが、まれに強い痛みや大量出血を伴うことがあります。こうした症状が持続する場合は、婦人科での超音波検査などにより卵巣の状態を確認し、必要に応じた処置を受けることが大切です。

排卵期の性行為

排卵期の性行為が、卵巣出血の引き金となることがあります。排卵期には卵巣が腫れやすくなっており、性行為中の圧迫や刺激によって損傷を受けやすい状態です。卵巣に腫瘍や嚢胞がある場合は、さらに出血リスクが高まります。リスクが高まる理由は、以下のような点が関係しています。

  • 性行為中の物理的刺激が卵巣に負担をかける
  • 排卵期は卵巣が腫れており刺激に弱い
  • 卵巣嚢胞や腫瘍があると破裂する可能性がある

性行為後に突然の下腹部痛や出血が起きた場合は、卵巣出血の可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。出血量が少ない場合は安静にして経過観察されることが多いですが、大量出血が確認された場合は、輸血や手術などの処置が必要になることもあります。

その他の要因(激しい運動・抗凝固薬の服用など)

排卵や性行為以外にも、卵巣出血を引き起こす要因はさまざまです。以下に代表的な原因を示します。

  • 激しい運動や腹部への強い衝撃
  • 抗凝固薬の服用による出血傾向の上昇
  • 子宮内膜症による卵巣内での出血
  • 卵巣腫瘍の出血を伴う発育
  • 血液凝固異常などの先天的な体質や血液疾患

スポーツや交通事故で腹部を強く打つと、卵巣が損傷して出血することがあります。また、抗凝固薬を服用している方は血液が固まりにくくなるため、少量の刺激でも出血しやすくなります。子宮内膜症が卵巣に及ぶと、月経周期ごとに内部で出血を繰り返し、卵巣出血を引き起こすケースもあります。

腫瘍に関しては、良性でも出血を伴うことがあり、特に悪性腫瘍の場合は早期発見・治療が重要です。少しでも気になる症状や違和感がある場合は、早めに婦人科など専門医を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。

卵巣出血時の適切な対処法

卵巣出血は、卵巣からの出血が腹腔内にたまる状態です。卵巣は、子宮の両脇にある、通常3〜5cmほどの大きさの臓器で、排卵や女性ホルモンの分泌を担っています。卵巣からの出血は、放置すると深刻な事態に陥る可能性もあるため、以下のような対処が重要です。

  • すぐ安静にして体を休める
  • 強い痛みや貧血気味の際は受診する
  • 病院での診察・治療を受ける

すぐ安静にして体を休める

卵巣出血の可能性がある場合、まず最優先すべきなのは安静にすることです。卵巣は骨盤内に位置しており、出血や痛みがあるときに無理な動作や刺激を加えると、症状が悪化する恐れがあります。出血を悪化させないためにも、以下の行動が重要です。

  • 無理な動きや激しい運動を避ける
  • 楽な姿勢で横になって体を休める
  • 深呼吸やリラックスを意識する
  • 白湯(さゆ)やノンカフェインの飲み物を選ぶ
  • 体を冷やさず温かく保つ

痛みがある場合には、体を横にして楽な体勢をとり、落ち着いて過ごすことが大切です。また、不安が強いときは、家族や友人に助けを求めましょう。周囲のサポートが精神的な安心につながり、体の回復を促進する助けになります。

強い痛みや貧血気味の際は受診する

安静にしていても改善せず、痛みが強まったり、貧血のような症状が現れたりする場合は、速やかに婦人科を受診してください。卵巣出血はまれに大量出血を引き起こし、命に関わる状態に進行することがあります。以下のような症状が出たら要注意です。

  • めまいや立ちくらみがする
  • 顔色が青白い
  • 動悸や息切れがある
  • 意識がもうろうとする
  • 呼吸が苦しく冷や汗が止まらない
  • 脈が速いまたは弱く感じる

これらの症状は出血性ショックの兆候であり、緊急対応が必要です。自己判断せず、医療機関に連絡を取り、指示を仰ぎましょう。症状が急速に悪化する場合は、迷わず救急車を呼ぶことが重要です。

病院での診察・治療を受ける

卵巣出血が疑われる場合、医療機関では症状の重症度や出血の有無を判断し、適切な診断と治療が行われます。診察内容は以下のとおりです。

  • 問診:月経周期や性行為の有無や症状の経過を確認
  • 内診:子宮や卵巣の状態を直接確認し出血の有無や量を評価
  • 超音波検査:卵巣の腫瘍や嚢胞の有無と出血範囲を確認

必要に応じて、血液検査やMRI検査を追加で実施します。

出血量が少ない場合は安静と経過観察が基本で、必要に応じて鎮痛剤や止血剤を使用します。出血が多い・止まらない場合は、輸血や点滴、腹腔鏡や開腹による手術が行われることもあります。

黄体嚢胞の破裂が原因なら自然吸収を待ち、子宮内膜症が原因の場合はホルモン療法や手術が行われます。治療後も再発予防や他疾患の早期発見のため、医師の指示に従って定期的な受診を続けましょう。

卵巣出血の予防策

卵巣出血は、誰にでも起こりうる症状です。突然の痛みや出血は不安に感じるものですが、以下の予防策を知ることで適切なケアでリスクを減らすことができます。

  • 生活習慣の改善
  • ピルの使用
  • 婦人科の定期受診

生活習慣の改善

卵巣の健康維持には、日々の生活習慣が大きく影響します。卵巣の働きはホルモンや血流と深く関わっているため、良好な状態を保つことが大切です。生活習慣で改善できる点は、主に以下の3つです。

  • バランスの良い食事:鉄分やビタミンC・Eを含む栄養バランスの良い食事は、ホルモンバランスを整え、卵巣の働きを支える
  • 適度な運動:血流を促しホルモンバランスを整えるウォーキングやヨガなどの無理のない運動を習慣化する
  • ストレス管理:睡眠や趣味の時間を確保し自分に合った方法でストレスを軽減する

ピルの使用

低用量ピル(経口避妊薬)を用いることで、ホルモンバランスを整えながら排卵を抑えることができます。そのため、排卵に伴う卵巣出血の予防に効果が期待されます。ピルは排卵そのものを抑制するため、出血のリスク軽減に役立ちます。

自分の体質や生活に合った種類を婦人科で相談しながら選ぶことが重要です。ピルに含まれるプロゲステロン様成分(黄体ホルモン)は、卵巣だけでなく全身に影響を及ぼす可能性があります。副作用についても医師と話し合いながら使用を検討しましょう。

婦人科の定期受診

卵巣出血を含む婦人科系の疾患は、早期発見が予後を大きく左右します。年に一度は婦人科を受診することで、症状が出る前に異常を見つけて適切な対応をとることが可能です。定期的な検診によって卵巣の状態を把握し、病状の悪化を防ぐことで、治療期間の短縮や負担の軽減にもつながる場合があります。

まとめ

性行為が直接的に卵巣出血を引き起こすわけではありません。排卵期前後の敏感な時期には物理的刺激が卵巣への負担となり、出血を悪化させる可能性があります。出血が起きている際は無理をせず安静にし、強い腹痛や貧血の兆候がある場合は速やかに医療機関を受診しましょう。

日常的に栄養バランスの良い食事や適度な運動、ストレスコントロールを意識し、必要に応じてピルや婦人科の定期受診を取り入れることが予防につながります。自分の体と丁寧に向き合いながら、健やかな生活を目指しましょう。

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参考文献

Eva Dreisler, Christian Seerup Frandsen, Lian Ulrich. Perimenopausal abnormal uterine bleeding. Maturitas, 2024, 184, 107944.

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