PMSは何科を受診すればいい?症状や診察内容、対処法までわかりやすく解説
PMS(月経前症候群)は、はっきりとした診断基準がないにもかかわらず、多くの女性が経験する身近な不調です。生理前にイライラしたり、気分が沈んだりするなどの症状は、PMSの可能性があります。
この記事では、PMSの主な症状や考えられる原因や受診するべき診療科、治療の選択肢などについて解説します。正しい知識を持つことで、適切なケアを受けることにつながります。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。
PMSの治療は何科を受診すべき?選び方のポイント
PMSの治療で受診すべき科と選び方のポイントについて、以下の項目を解説します。
- 婦人科
- 心療内科・精神科
- オンライン診療
婦人科
PMSの治療で多くの方が受診するのが婦人科です。婦人科では、月経周期や症状の内容について丁寧な問診が行われます。症状がいつから現れ、どれくらい続くのか、日常生活にどの程度影響しているかなど、できるだけ具体的に伝えることが大切です。必要に応じて、以下の検査が行われます。
- 超音波検査
- 血液検査
検査では、子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系疾患の有無や、ホルモンバランスの異常がないかを確認します。PMSと診断された場合は、症状に応じて治療が行われます。治療は以下が選択されます。
- 低用量ピル:排卵を抑制し、生理痛の原因となるプロスタグランジンの分泌を抑える
- 漢方薬:体と心のバランスを整える
婦人科はPMS治療の中心となる診療科であり、症状に合わせた適切な対応が受けられます。
心療内科・精神科
PMSの症状には「イライラしやすい」「気分が落ち込む」「不安が強くなる」などの精神的な不調も含まれます。精神的な不調がある場合は、心療内科や精神科の受診が選択肢です。問診や心理検査を通じて心の状態を把握し、適切な治療やアドバイスを受けることができます。
治療法としては、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることもあります。婦人科で治療を受けている場合でも、精神的な症状が続くようなら、心療内科や精神科の併用受診を検討しましょう。身体面と精神面の両方からアプローチすることで、PMSの改善が期待できます。
オンライン診療
近年広がりを見せているオンライン診療は、PMSの相談や治療にも活用されています。スマートフォンやパソコンを通じて、自宅にいながら医師の診察を受けることができ、必要に応じて薬の処方も受けられます。通院が難しい方や忙しい方にとっては、オンライン診療は便利な選択肢の一つです。
最近では、オンライン診療に対応した婦人科クリニックも増えてきており、初診から対応しているところもあります。対面での診察や検査が必要なケースには対応できないこともあるため、予約前に医療機関の対応内容を確認してください。症状や状況に応じて、オンラインと対面を上手に使い分けましょう。
PMSの症状
PMSの症状について、身体的な症状と精神的な症状の2つを解説します。
身体的な症状
PMSの代表的な症状の一つが身体的な不調です。症状には個人差があり、軽度で済む人もいれば、日常生活に支障をきたすほど強く出る人もいます。よく見られる症状は以下のとおりです。
- 下腹部や腰の痛み・重だるさ
- 生理痛のような腹部の張り
- 腰のだるさ
体が鉛のように重く感じてやる気が出ない、強い倦怠感に悩まされる人もいます。頭痛もよくある症状で、月経前にズキズキする片頭痛や、頭全体が締め付けられるような痛みを訴える方も多くいます。ホルモン変化の影響で食欲が増し、甘いものや脂っこいものを無性に食べたくなるなどの変化もPMSの症状の一つです。
腸の動きが鈍くなることで便秘になりやすく、乳腺の張りによって胸が痛んだり、ブラジャーがきつく感じることもあります。水分を溜め込みやすくなる影響で、むくみや体重増加を感じやすくなるのもPMSの特徴です。
精神的な症状
PMSでは、身体的な不調だけでなく、精神的な症状が現れることも多いです。ホルモンバランスの変化により感情のコントロールが難しくなり、不安や落ち込みを感じることがあります。以下は代表的な精神的症状の一例です。
- イライラしやすく怒りっぽくなる
- 些細なことでカッとなり、周囲にあたってしまう
- 気分が落ち込み、理由もなく憂うつになる
- 涙もろくなる
- 漠然とした不安感に襲われる
- そわそわして落ち着かない
- 集中力が続かず、仕事や勉強にミスが増える
- 日中に強い眠気や倦怠感を感じる
精神的な症状は人によって異なり、重くなると日常生活に支障をきたすこともあります。
症状が現れる時期
PMSの特徴は、症状が出るタイミングが月経周期と関係している点です。生理が始まる1週間〜10日前頃に症状が出始め、生理の開始とともに自然に軽くなる傾向です。気分の落ち込みやイライラ、眠気、食欲の増加、胸の張りなど、心と体にさまざまな変化が見られます。
「生理前になると気分が乱れる」「決まって食欲が増す」など、周期的に同じような症状が現れる場合は、PMSの可能性が高いと考えられます。
他の病気との関係性
PMSは、主に女性ホルモンの分泌バランスの変化が関係して起こるとされていますが、実は他の病気が背景にあるケースも多いです。子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科疾患や、甲状腺機能の異常などの内分泌系の疾患がPMSと似た症状を引き起こすことがあります。
下腹部痛や腰痛、気分の不安定さ、疲れやすさなど、PMSと重なる症状が多いため、自分では区別がつきにくいことも特徴です。「症状が以前より重くなった」「月経周期に関係なく不調が続いている」などの場合は、他の病気の可能性も視野に入れる必要があります。
自己判断で放置せず、婦人科や内科などの専門医に相談し、必要な検査を受けることが大切です。正確な診断によって、適切な治療やケアにつながります。
PMSの対処法
PMSの対処法について、以下の内容を解説します。
- 薬物療法
- 生活習慣の改善
- セルフケア
薬物療法
PMSの症状を軽減するためには、さまざまな種類の薬が使用されます。PMSの治療薬は以下が挙げられます。
|
薬の種類 |
代表例 |
効果・特徴 |
注意点 |
|
低用量ピル |
ホルモン配合薬(避妊薬としても使用) |
ホルモン分泌を調整し、PMS症状の緩和が期待できる |
血栓症のリスクがあるため、特に喫煙者は注意する |
|
漢方薬 |
加味逍遙散、当帰芍薬散など |
生薬により体のバランスを整え、副作用が少ない |
効果は個人差があり、継続的な服用が必要な場合もある |
|
鎮痛剤 |
NSAIDs、アセトアミノフェン |
頭痛、腹痛、腰痛など身体的なPMS症状の緩和する |
胃への負担や、服用過多による副作用に注意する |
|
精神安定剤(抗不安薬) |
ベンゾジアゼピン系など |
不安、イライラ、不眠などの精神症状を和らげる効果がある |
依存リスクがあり、医師からの指導が必要な場合がある |
使用する薬は、症状のタイプや体質、治療に対する希望などを考慮して、医師と相談し決定します。
生活習慣の改善
生活習慣の見直しは基本となる対処法です。睡眠不足や偏った食生活、運動不足、過度なストレスは、PMSの症状を悪化させる要因です。特に睡眠は、ホルモンバランスを整え、自律神経の働きを正常に保ちます。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを整えることで、心身の安定につながります。
栄養バランスの取れた食事を心がけることも、ホルモンの働きをサポートするうえで欠かせません。ストレス解消もPMS対策として大切な要素です。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、ホルモン分泌に悪影響を与えるため、日常的にリラックスできる時間を持ちましょう。リラックスできる習慣として、以下が挙げられます。
- ヨガや瞑想
- 音楽鑑賞
- 読書
- 散歩
ウォーキングやストレッチを日常的に行うと、ストレス軽減や気分の安定につながる「セロトニン」の分泌に関与するとされています。ヨガは、PMSの症状であるうつや不安、ストレスを軽減するのに有効な非薬物療法であるという報告もあります。
セルフケア
PMSの症状が現れたときは、自身でできるセルフケアを試してみましょう。いつ、どんな症状が出たのかを記録し、基礎体温と一緒に月経周期も管理すると、状態を客観的に把握しやすくなります。症状が出やすい時期には無理をせず、意識的に休息をとることも重要です。仕事や家事を完璧にこなそうとせず、自分のペースを大切にしましょう。
温かいお風呂にゆっくり浸かるのもおすすめです。ぬるめのお湯で心身を温めることでリラックス効果が得られます。入浴剤やアロマキャンドルを取り入れることで、さらに心地よい時間を過ごせます。リラックス効果があるとされる香りのラベンダーやカモミールなどを楽しむこともおすすめです。
まとめ
PMSの治療を受ける際は、婦人科の受診が一般的です。婦人科では、問診や超音波検査、血液検査などを通じて原因を探り、ピルや漢方薬などを処方します。精神的な症状が強く日常生活に支障がある場合は、心療内科や精神科の受診も検討しましょう。
PMSの診断は明確な基準がなく、症状の内容や程度は人によって異なります。腹痛や頭痛、食欲の増加などの身体的な症状や、イライラや憂うつ、不安感など精神的な症状も見られます。治療方法には薬物療法に加え、生活習慣の見直しやストレス対策も大切です。
症状がつらいと感じたら無理をせず、医療機関を受診し、自分に合った治療法を見つけましょう。
参考文献
Abic A, Dag-Canatan S, Er-Korucu A, Aksoy-Can A. The effects of yoga and progressive muscle relaxation exercises on premenstrual syndrome: a randomized controlled trial. Women & health 64, no. 3 (2024): 261-273.
