黄色のおりものは放置しても大丈夫?考えられる原因と症状ごとの対処法を解説
おりものの色や状態の変化は、女性の体調や健康状態を映し出す大切なサインです。「黄色のおりもの」が見られる場合は、性感染症や細菌性腟炎などが原因であることもあり、注意が必要です。この記事では、黄色いおりものが現れる原因や、症状に応じた対処法について詳しくご紹介します。
おりものの変化に加え、かゆみ・痛み・不快感といった症状を伴うこともあり、その場合は早めの受診を推奨します。気になる症状がある場合には、自己判断せず医療機関に相談することが大切です。
橋本駅南口から徒歩1分にある長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の体調の変化に関するご相談をはじめ、男性不妊の検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、患者さま一人ひとりの不安に寄り添い、適切なサポートを提供いたします。
さらに、当院は神奈川県相模原市のソフィアレディスクリニック(淵野辺駅から徒歩2分)と連携し、婦人科診療および不妊治療を幅広く提供しています。両院間で検査結果や治療情報を共有することで、スムーズで安心の医療体制を整えております。
少しでも不安や違和感を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
黄色いおりものの原因
黄色のおりものが見られる場合の主な要因は、以下のとおりです。
- 性感染症
- 細菌性腟炎(BV)
- 子宮頸管炎
- 萎縮性腟炎
性感染症
性感染症とは、主に性行為を通じて感染する病気の総称であり、中には黄色いおりものを引き起こすものもあります。代表的な性感染症は以下の3つです。
- トリコモナス腟炎
- 淋菌感染症
- クラミジア感染症
トリコモナス腟炎は、黄色や黄緑色の泡状のおりものが特徴です。原因は「トリコモナス原虫」という寄生虫で、強い悪臭や外陰部のかゆみを伴うことがあります。性行為による感染が主ですが、まれに公衆浴場やトイレの便座などから感染することもあります。
淋菌感染症は、黄色く粘り気のあるおりものが見られることがあり、原因は「淋菌」という細菌です。自覚症状がないこともありますが、進行すると不正出血や下腹部の痛みが現れ、放置すると合併症を引き起こす恐れがあります。
クラミジア感染症は、水っぽい黄色のおりものに加え、下腹部痛や不正出血などの症状が現れることもあります。原因となる「クラミジア」という細菌は、子宮頸管炎を引き起こすことがあり、放置すると不妊症のリスクが高まることもあります。黄色いおりものが見られた場合、性感染症の可能性も考慮し、早めの検査と治療が重要です。
心当たりがある場合は、恥ずかしがらずに医療機関へ相談しましょう。
細菌性腟炎(BV)
細菌性腟炎(BV)は、腟内の常在菌のバランスが崩れることで起こる感染症です。通常は「乳酸桿菌(善玉菌)」が腟内を酸性に保ち、外部からの細菌の侵入や繁殖を防いでいます。過度な洗浄や、性行為などの影響でバランスが崩れると、悪玉菌が増殖し、炎症や不快な症状を引き起こすことがあります。
細菌性腟炎の主な特徴は以下のとおりです。
- 灰色がかった白や黄色のおりものが出る
- 魚のようなにおい(特徴的な悪臭)がする
- 軽いかゆみを感じる場合もあれば、無症状のこともある
細菌性腟炎は性感染症ではないものの、性行為がきっかけで悪化することがあるため注意が必要です。妊娠中の方が発症すると、早産のリスクが高まる可能性があるため、慎重な対応が求められます。研究では、細菌性腟炎は再発しやすく、子宮頸がんのリスクが高まることがわかっています。
医師の指導に従った治療と、治療後の定期的なチェックが重要です。「白いおりもの」が見られたとき、正常か異常かを見極めることも大切です。
子宮頸管炎
子宮頸管炎は、子宮の入り口である子宮頸管に炎症が起こる疾患です。原因の多くは、性感染症によるクラミジアや淋菌などの感染ですが、細菌やウイルスの侵入、アレルギー反応などによっても発症することがあります。子宮頸管炎の主な症状は以下のとおりです。
- 黄色、黄緑、灰色がかった粘り気のあるおりもの
- 下腹部痛
- 性行為中の痛み
- 排尿時の痛み
無症状のこともありますが、進行すると他の婦人科系疾患に影響を及ぼすこともあります。少しでも違和感や異常を感じた場合は、早めに婦人科を受診して正確な診断と治療を受けることが大切です。妊娠を希望している方は、早期の対応が将来的なリスク軽減につながります。
萎縮性腟炎
萎縮性腟炎は、主に閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することで発症しやすくなる腟の炎症です。エストロゲンの低下によって、腟の粘膜が薄くなり、乾燥しやすくなることで、細菌が侵入しやすくなり、自浄作用が低下して炎症を引き起こします。更年期以降の女性に多く見られるのが特徴です。
萎縮性腟炎で見られる主な症状は以下のとおりです。
- 黄色いおりもの
- 外陰部のかゆみやヒリヒリ感
- 性行為時の痛み
- 排尿時の痛み
- 軽い出血
炎症は自然に治癒することが少ないため、放置しておくと日常生活に支障をきたすこともあります。更年期以降でおりものの色や状態に変化を感じたり、不快な症状が現れたりした場合は、医師の診察にもとづいた適切な治療を受けることが大切です。早めの対処で、症状の進行を防ぎ、快適な生活を取り戻すことができる可能性が高まります。
黄色いおりもので見られる主な症状5つ
黄色いおりものに伴って現れる主な症状には、以下の5つがあります。
- かゆみ
- 痛み
- 悪臭
- 不正出血
- 下腹部痛
症状の有無や程度によって原因が異なる場合があるため、注意深く観察しましょう。
かゆみ
かゆみは、黄色いおりものの異常に伴ってよく見られる症状の一つです。おりものの色や状態に変化があると同時に、外陰部や腟周辺にかゆみを感じることがあります。かゆみの感じ方には個人差があり、軽いむずがゆさから強い不快感までさまざまです。かゆみの原因として以下が考えられます。
- 下着による摩擦や汗、おりもの自体の刺激
- カンジダ腟炎などの真菌感染症
- トリコモナス腟炎などの性感染症
かゆみが強かったり、症状が数日以上続いたりする場合には、自己判断での市販薬の使用は避け、婦人科を受診することが重要です。間違った対処によって、症状が悪化する恐れがあります。
痛み
痛みも、黄色いおりものとともに現れやすい代表的な症状です。痛みの部位や種類は以下のとおりです。
- 外陰部のヒリヒリ感や熱感
- 性行為時の腟の痛み
- 下腹部の鈍痛や生理痛に似た痛み
- 排尿時の痛み
性交時の痛みは、細菌性腟炎や萎縮性腟炎、性感染症などが原因の場合があります。下腹部の痛みは、子宮頸管炎や子宮内膜炎、卵管炎などによって引き起こされる場合があります。痛みは体からの炎症や感染の警告サインであることが多いため、無理をせず、早めに医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
悪臭
おりもののにおいが生臭かったり、魚が腐ったようなにおいがしたりする場合は、体の異常を示すサインの可能性があります。細菌性腟炎では、悪臭を伴う黄色いおりものがよく見られます。細菌性腟炎の主な特徴は以下のとおりです。
- おりものの量が増える
- 色が黄色や灰白色に変化
- 強い悪臭を伴うことがある
健康な腟内では「乳酸桿菌(善玉菌)」が環境を酸性に保ち、悪玉菌の増殖を防いでいます。性行為や過度な洗浄によってバランスが崩れると、悪玉菌が増え、炎症やにおいの原因となる可能性があります。においに異変を感じたら、早めに婦人科で相談することが大切です。
不正出血
不正出血とは、月経以外のタイミングで起こる出血です。原因はさまざまで、子宮や卵巣の異常、ホルモンバランスの乱れ、性感染症などが関係していることがあります。黄色いおりものと同時に不正出血が見られる場合は、以下の疾患が疑われます。
- クラミジア感染症や淋菌感染症などの性感染症
- 子宮頸がんの初期症状
- 子宮頸管や子宮内膜の炎症
出血量が少なくても油断せず、早めの婦人科受診と検査を受けることが大切です。早期発見・早期治療が予後を左右するため、違和感を見逃さないようにしましょう。
下腹部痛
下腹部痛は、子宮や卵巣、卵管などの女性生殖器に炎症が起こっているサインの可能性があります。黄色いおりものと併発する場合、以下の病気が考えられます。
- 子宮頸管炎
- 子宮内膜炎
- 卵管炎(付属器炎)
腹痛の程度は、軽い鈍痛から鋭く強い痛みまで個人差があり、発熱や吐き気を伴うこともあります。症状が強い場合や数日以上続く場合は、放置せず医療機関を受診してください。進行すると、不妊症や骨盤内感染症(PID)など、重い合併症につながるリスクもあるため、早期の対応が重要です。
黄色いおりものが気になるときの対処法
黄色いおりものが見られた場合は、症状の有無や体調の変化に注意しながら、以下の対処法を心がけましょう。
- 婦人科での診察と検査
- 薬物療法
- 市販薬でのセルフケア
- デリケートゾーンを清潔に保つ
婦人科での診察と検査
黄色いおりものが気になる場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。診察では、以下の内容の問診が行われます。
- おりものに気づいた時期や変化
- 伴う症状の有無(かゆみ・痛み・出血など)
- 過去の病歴や性交渉の有無
内診台での視診・内診を通じて、おりものの色・量・におい、腟や子宮頸部の状態をチェックします。必要に応じて、以下の検査が行われます。
- おりもの検査:細菌・真菌・トリコモナス原虫などの有無
- pH検査:おりものの酸性度を確認
- 性感染症の検査:クラミジアや淋菌の有無
- 超音波検査:子宮筋腫や卵巣嚢腫などの異常の有無
問診・内診・検査結果を総合的に判断し、医師が原因に合った治療法を提案します。婦人科の受診に不安を感じる方も多いですが、医師は一人ひとりの体と健康を丁寧に診てくれる存在です。気になる症状や心配なことがあれば、遠慮せず相談しましょう。
薬物療法
黄色いおりものの原因が細菌や真菌による感染症である場合、薬物療法による治療が行われます。症状や原因菌に応じて、適切な抗生物質や抗真菌薬が処方されます。感染症別の主な治療薬は以下のとおりです。
- クラミジア感染症:アジスロマイシン、ドキシサイクリン
- 淋菌感染症:セフトリアキソン
- カンジダ腟炎:抗真菌薬
薬物療法では、医師の指示を正確に守ることが重要です。服用期間を守らず、自己判断で服薬を中止したり、量を調整したりすると、症状が改善せず再発する可能性があります。薬剤耐性菌(薬が効きにくくなる菌)を生み出すリスクも高まります。副作用(吐き気・発疹・下痢など)が現れた場合は、すぐに医師に相談しましょう。
市販薬でのセルフケア
ドラッグストアなどでは、おりものの不快症状を一時的に和らげる市販薬が購入できますが、根本的な治療にはなりません。原因が特定できていない状態での自己判断による使用は症状の悪化を招く可能性があるため注意が必要です。
カンジダ腟炎用の市販薬が販売されていますが、実際にはトリコモナス腟炎だった場合、誤った薬の使用によって症状が悪化する恐れがあります。性感染症が疑われる場合は、市販薬では対応できないため、必ず婦人科で診察を受けることが重要です。
デリケートゾーンを清潔に保つ
デリケートゾーンの適切なケアは、腟内トラブルの予防が期待できます。過度な洗浄や刺激の強い洗浄剤の使用は逆効果になることもあるため、正しい方法でのケアが大切です。セルフケアのポイントは以下のとおりです。
- ぬるま湯で優しく洗浄する(強い石けんは使用しない)
- 清潔なタオルで水分をしっかり拭き取る
- 通気性の良い下着(綿素材など)を着用する
- 締め付けの強い下着や化学繊維は避ける
生理用品の使い方にも注意が必要です。通気性の高いナプキンを選び、タンポンは長時間使用せず2〜4時間ごとに交換しましょう。タンポンの長時間使用は、まれにトキシックショック症候群(TSS)という重篤な感染症を引き起こす可能性があります。
日頃からおりものの色やにおい、量などをセルフチェックし、少しでも異変を感じたら、早めに婦人科を受診することが大切です。
黄色いおりものを予防するために意識したい習慣
黄色いおりものを予防するには、日常生活の中での心がけが大切です。以下のポイントを意識して、腟内の健康を保ちましょう。
- 規則正しい生活習慣で腟内環境を整える
- バランスの良い食生活
- 適切な性生活と避妊
- おりもののセルフチェック
規則正しい生活習慣で腟内環境を整える
睡眠不足や過労、ストレスは免疫力を低下させ、腟内のバランスが乱れやすくなる要因です。免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなり、黄色いおりものなどの不調が現れることもあります。免疫力を維持し、健康な腟内環境を保つために以下の3つのポイントを意識しましょう。
- 十分な睡眠をとる
- 適度な運動を習慣づける
- ストレスをため込まない
毎日同じ時間に寝起きし、7〜8時間の睡眠を意識しましょう。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、体の修復や細胞の再生が行われます。睡眠不足は免疫機能の低下を招く大きな原因です。適度な運動を習慣づけることも免疫力維持のために大切です。軽い運動は血行を促進し、免疫細胞の働きを活性化させます。
ウォーキングやヨガ、軽いストレッチなど、無理なく継続できる運動を選び、週3回・30分程度を目安に行いましょう。ストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫力低下の原因になります。深呼吸や瞑想、好きな音楽を聴くなど、自分なりのリラックス法を取り入れましょう。
バランスの良い食生活
偏った食事は免疫力の低下を招きやすくなるため、栄養バランスの整った食生活を意識することが大切です。食事の際は、以下の3つのポイントを意識しましょう。
- ビタミン・ミネラルをしっかり摂取する
- 発酵食品で腸内環境を整える
- 糖質や脂質の摂りすぎに注意する
免疫力を保つためには、ビタミンやミネラルをしっかり摂ることが大切です。ビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどを毎日の食事にバランス良く取り入れることで、体の防御力を高められます。ヨーグルトや納豆、キムチなどの発酵食品を食べることで、腸内環境が整い、免疫機能もサポートされます。
腸の健康は全身の免疫力に深く関わっているため、毎日続けて取り入れることがおすすめです。糖質や脂質の摂りすぎには注意しましょう。加工食品やファストフードに多いトランス脂肪酸は、免疫細胞の働きを妨げる恐れがあるため、控えることが大切です。
栄養バランスを意識した食生活は、ホルモンバランスや腟内環境を整えるうえでも重要です。日々の食事を見直し、内側から健康を守る習慣を身につけましょう。
適切な性生活と避妊
黄色いおりものの原因のひとつに、性感染症が関係している場合があります。性感染症を予防し、自分自身の健康を守るためには、適切な性生活と避妊が重要です。以下の3つのポイントを意識しましょう。
- コンドームを正しく使用する
- パートナーとオープンに話し合う
- 定期的な性感染症検査を受ける
コンドームは性行為のたびに毎回正しく使うことが大切です。破損や着用ミスを防ぐためにも、正しい使い方を身につけましょう。性感染症だけでなく、望まない妊娠の予防にも役立ちます。
パートナーとオープンに話し合うことも重要です。性生活に関する悩みや不安を率直に共有することで、安心・安全な関係づくりにつながります。性感染症はパートナー間で感染するケースが多いため、お互いの健康を守るためにも定期的に話し合いましょう。性感染症の中には、自覚症状がほとんどないまま進行するものもあります。
検査を定期的に行うことで早期発見・早期治療が可能となり、感染拡大を防ぐことが期待できます。
おりもののセルフチェック
おりものの状態を日々チェックすることは、婦人科系のトラブルの早期発見に役立つだけでなく、自身の健康状態を知る大切な手がかりです。セルフチェックのポイントは以下のとおりです。
|
項目 |
通常の状態 |
異常のサイン・可能性 |
|
色 |
無色透明〜白っぽい |
黄色・緑・茶色などは異常のサイン |
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量 |
生理周期で変動あり |
急な増加・減少(ホルモン異常や感染症の可能性) |
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におい |
ほとんど無臭 |
強い悪臭・生臭さ(細菌性腟炎などの可能性) |
|
かゆみ・痛み・不正出血の有無 |
なし |
かゆみ・痛み・不正出血(性感染症や腟・子宮疾患の可能性) |
まとめ
黄色のおりものは、多くの女性が一度は経験する身近な症状です。原因として、細菌性腟炎・トリコモナス腟炎・クラミジア感染症・淋菌感染症など、さまざまな疾患が考えられます。おりものの色やにおい、量、かゆみや痛みなどの症状に変化が見られた場合は、体からの大切なサインの可能性があります。
日頃からおりものの状態を観察する習慣を持ち、自分の体の変化に気づけるようにしましょう。少しでも不安や異変を感じたときは、自己判断せず、早めに婦人科を受診することをおすすめします。婦人科は、医療機関として女性の健康管理をサポートします。
早期発見・早期治療を心がけ、安心して毎日を過ごせるよう、体と向き合っていきましょう。
参考文献
Makella S Coudray, Purnima Madhivanan. Bacterial vaginosis-A brief synopsis of the literature. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol, 2020, 245, p.143-148.
