卵巣出血の症状と原因とは?見逃してはいけないサインと受診のタイミング
生理痛のような痛みや下腹部の違和感、不正出血、さらには原因不明の吐き気やめまいに悩んでいませんか?これらの症状は、卵巣出血が原因である可能性があります。卵巣出血とは、卵巣からの出血によって腹腔内に血液がたまる状態を指します。
症状の程度には幅があり、自覚がほとんどない軽度のものから、迅速な対応が求められる重症のケースまでさまざまです。本記事では以下の項目に分けて、卵巣出血について詳しく解説します。
- 卵巣出血の代表的な症状
- 卵巣出血の主な原因
- 放置すると危険な兆候
- 卵巣出血で受診すべき目安
卵巣出血について正しく理解し、ご自身の健康を守るための判断に役立てましょう。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。
卵巣出血の主な症状
卵巣出血の主な症状について、以下の5つを解説します。
- 下腹部に感じる鋭い痛み
- 腹部の張りや圧迫感
- 吐き気や嘔吐の症状
- めまいや貧血に伴う体調不良
- 命に関わるショック状態
下腹部に感じる鋭い痛み
卵巣出血で一般的に見られる症状は、下腹部の痛みです。生理痛のような鈍痛ではなく、チクチク・ズキズキとした鋭い痛みが特徴です。痛みは出血している卵巣側に強く出やすく、左右どちらか一方の下腹部に限局して感じることが多い傾向です。
痛みの強さや感じ方には個人差があり、出血量や痛みに対する感受性によって、軽い違和感から激しい痛みまでさまざまです。たとえ痛みが軽度であっても、継続するようであれば注意が必要です。
腹部の張りや圧迫感
卵巣出血によって腹腔内に血液がたまると、周囲の臓器が圧迫され、腹部の膨満感や圧迫感を感じることがあります。お腹が張っているような感覚や、重苦しさ、不快な違和感によって自覚する傾向です。症状が現れた場合は、悪化する前に医療機関を受診することが重要です。
吐き気や嘔吐の症状
卵巣出血が原因で、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。腹腔内にたまった血液が腹膜(腹部内側の膜)を刺激することで引き起こされます。また、強い痛みによる自律神経の乱れが吐き気や嘔吐の要因となることもあります。
吐き気や嘔吐が続くと脱水症状を招く恐れがあるため、水分補給をこまめに行いましょう。さらに、激しい腹痛や発熱を伴う場合は、症状が重篤化している可能性があるため、早めの医療機関の受診が推奨されます。
めまいや貧血に伴う体調不良
出血量が多い場合、体内の血液量が減少し、貧血を引き起こす可能性があります。貧血により、酸素を運ぶ赤血球が不足し、以下のような症状が現れることがあります。
- めまいや立ちくらみ
- 動悸
- 息切れ
- 顔色の青白さ
- 全身の倦怠感
通常、血液中のヘモグロビン濃度は一定に保たれていますが、出血により濃度が低下すると、体内の酸素供給が不十分になり、さまざまな症状が出現します。これらの症状が見られる場合は、早急に医療機関へ相談してください。
命に関わるショック状態
卵巣出血が重症化すると、「出血性ショック」に至ることがあります。大量出血によって血圧が急激に低下し、生命を脅かす危険な状態です。出血性ショックの主な症状には以下のようなものがあります。
- 意識がもうろうとする
- 呼吸が浅く速くなる
- 冷や汗が出る
このような状態は、血液循環が著しく低下し、全身の臓器に十分な酸素が届かなくなることで、深刻な臓器障害を引き起こす恐れがあります。これらの兆候が見られた場合は、直ちに救急対応が必要です。
卵巣出血の主な原因
卵巣出血の主な原因として、以下の5つを解説します。
- 排卵による出血
- 卵巣嚢胞の破裂
- 黄体出血
- 激しい運動や外部からの衝撃
- 抗凝固薬の服用
排卵による出血
排卵とは、卵巣から卵子が放出される自然な生理現象です。このとき、卵子を包んでいる卵胞が破れる際に、周囲の毛細血管が傷つき、少量の出血が生じることがあります。排卵時の出血は、生理の数日前に見られることが多く、茶色っぽいおりものやごく少量の出血として気づかれるケースが一般的です。
通常は自然に治まりますが、出血が長引いたり、強い痛みを伴ったりする場合は、他の疾患が関与している可能性もあるため注意が必要です。
卵巣嚢胞の破裂
卵巣嚢胞とは、卵巣にできる液体が溜まった袋状の構造物です。多くは無症状で自然に消えることが多いものの、嚢胞が大きくなり破裂した場合には、卵巣出血の原因になります。
破裂の際には、突然の鋭い下腹部痛や吐き気、嘔吐などの症状が現れることがあり、出血量が多くなるとめまいや貧血、立ちくらみといった症状を伴うこともあります。重症化を防ぐためにも、早急な医療機関での診察が必要です。
黄体出血
排卵後に形成される黄体は、妊娠を維持するためのホルモン(プロゲステロン)を分泌する役割を担っています。黄体内の血管が破れることで出血が起こることがあり、黄体出血と呼びます。
黄体出血は、排卵後から次の月経が始まるまでの間に起こることが多く、性交渉がきっかけになる場合もあります。軽い下腹部痛や少量の出血で済むことが多いですが、まれに大量出血に至ることもあるため、症状が続く場合は注意が必要です。
激しい運動や外部からの衝撃
交通事故やコンタクトスポーツなどで腹部に強い衝撃を受けた場合、卵巣出血を引き起こすことがあります。バスケットボールやラクロスのような激しい運動中にも起こり得ます。
このような外傷による出血は、卵巣に限らず周囲の臓器や血管にも損傷を及ぼしている可能性があるため、ただちに医療機関での評価と処置が必要です。
抗凝固薬の服用
血液を固まりにくくする抗凝固薬は、血栓症の予防や治療に使用されますが、副作用として出血しやすくなる傾向があります。その結果、卵巣出血のリスクも高まる可能性があります。
ただし、薬の服用を自己判断で中止するのは極めて危険です。異常な出血や不調を感じた場合は、必ず医師に相談し、適切な対応を受けることが大切です。
放置すると危険なサイン
卵巣出血は、多くの場合自然に止まりますが、放置することで重篤な状態に進行する可能性もあるため、注意が必要です。放置すると危険なサインについて、以下の5つを解説します。
- 激しい下腹部痛
- めまい・立ちくらみ・意識のぼんやり感
- 冷や汗・動悸・息切れ
- お腹の異常な張りや強い圧迫感
- 発熱・吐き気・嘔吐が続く
激しい下腹部痛
卵巣出血で特に注意すべきサインが、突然始まる激しい下腹部痛です。腹腔内に血液が漏れることで神経が刺激され、鋭い・刺すような痛みとして現れることがあります。痛みが強くなったり波のように繰り返したりする場合は、卵巣出血の可能性が高くなります。
子宮外妊娠や虫垂炎など他の緊急疾患の可能性もあるため、早急に受診することが必要です。
めまい・立ちくらみ・意識のぼんやり感
卵巣出血により多量の出血が起こると、体内の血液量が減少し、酸素を運ぶ赤血球が不足します。その結果、脳への酸素供給が不十分になり、めまい、立ちくらみ、意識がぼんやりするといった貧血症状が現れることがあります。
上記の症状は、出血量が多いことを示すサインである可能性があります。まずは安静にして横になる、水分を摂るなどの対処も有効ですが、それだけで安心せず、必ず医療機関での診察を受けることが重要です。
冷や汗・動悸・息切れ
冷や汗が出たり、動悸や息苦しさを感じたりする場合、出血性ショックの初期症状が疑われます。卵巣出血による大量の出血が心臓に負担をかけ、拍動が速くなることで動悸が生じます。
同時に、血圧の低下によって皮膚の血流が悪くなり、冷や汗が出たり、全身の酸素不足によって息切れしたりすることもあります。これらの症状が出た際には、ただちに医療機関を受診してください。
お腹の異常な張りや強い圧迫感
腹腔内に血液がたまると、お腹が異常に張り、圧迫されるような重苦しさを感じることがあります。症状が進行すると、お腹が硬くなったり、触ると痛みを伴ったりすることもあります。
特に、腹部膨満感が急に強くなった場合は、出血量が増加している可能性があり、放置せず速やかに医療機関を受診することが必要です。
発熱・吐き気・嘔吐が続く
発熱や吐き気、嘔吐が続く場合は、腹腔内に感染が起きている腹膜炎の可能性があります。卵巣出血によって腹腔内に血液が溜まると、細菌感染のリスクが高まり、炎症を引き起こすことがあります。
激しい腹痛やお腹の異常な張りがある場合は、重篤な状態に進行している恐れもあるため、早急に医療機関での診察を受けてください。
卵巣出血の受診目安
症状を正しく理解し、適切なタイミングで医療機関を受診するために、下記の2つを解説します。
- 緊急受診が必要な症状
- 早めに婦人科を受診すべき症状
緊急受診が必要な症状
卵巣出血は、出血性ショックなど重篤な状態に進行することもあります。以下のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 激しい下腹部痛:歩けないほどの痛みや波のような強弱を感じる痛みがある
- 意識がもうろうとする:反応が鈍く、呼びかけに反応しづらい状態になる
- 冷や汗・動悸・息苦しさ:顔面蒼白や息苦しさを伴う出血性ショックの可能性がある
- 吐き気や嘔吐が続く:強い吐き気が止まらず、腹膜炎などの併発が疑われる
- 失神:突然意識を失う場合は、重度の貧血やショック状態の可能性がある
上記の症状は卵巣出血以外の重大な疾患でも見られるため、自己判断せず早急な対応が必要です。
早めに婦人科を受診すべき症状
次のような症状がある場合は、急を要さないものの、早めに婦人科を受診することをおすすめします。
- 軽い下腹部痛:生理痛のような鈍い痛みやチクチクした痛みが続く
- 不正出血:生理でないのに鮮血や茶色のおりものが出る
- だるさ・めまい・立ちくらみ:貧血の可能性があり、検査が必要になる
- 発熱:出血部位の炎症や感染症の併発が疑われる
- 腹部の張り・圧迫感:お腹の膨満感や圧迫感が続く
- 性交後の腹痛:性交後に下腹部に痛みを感じる
気になる症状がある場合は、自己判断を避けて早期に婦人科での診察を受けましょう。
まとめ
卵巣出血は、軽い下腹部痛や不正出血といった初期症状から、激しい腹痛・意識障害などの重篤な症状まで幅広く現れます。出血量が少ない場合は気づきにくいこともありますが、放置すると貧血や腹膜炎、ショック状態に進行するおそれがあります。
特に以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 激しい下腹部痛
- 意識がもうろうとする
- 冷や汗・動悸・息苦しさ
- 吐き気や嘔吐が続く
- 失神
また、以下のような症状がある場合も早めの婦人科受診が推奨されます。
- 軽い下腹部痛
- 不正出血
- だるさ・めまい・立ちくらみ
- 発熱
- 腹部の張り・圧迫感
- 性交後の腹痛
自己判断せず、早期発見・早期治療を心がけましょう。気になる症状があれば、迷わず専門医に相談してください。
