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不妊治療の保険適用を徹底解説!対象範囲・回数制限・メリット/デメリットまで

[2025.12.30]

「子どもを授かりたい」という想いを支援し、経済的な負担を軽くするために、2022年4月より不妊治療の費用が保険の対象となりました。ただし、保険適用を受けるには一定の条件が設けられています。この記事では、年齢や治療回数によって異なる保険適用の範囲や、保険診療における注意点やデメリットについて、詳しくご紹介します。

橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。

また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。

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2022年4月から不妊治療が保険の対象に

2022年4月より、不妊治療が健康保険および国民健康保険の適用対象となり、保険診療として受けられるようになりました。2022年3月以前は「特定不妊治療費助成事業」によって費用の一部が補助されていましたが、保険適用の開始に伴い、この制度は終了しました。

保険の対象となる不妊治療は「一般不妊治療」と「高度生殖医療(生殖補助医療)」の2つに分類されます。一般不妊治療の主な内容は以下のとおりです。

  • タイミング法:排卵の時期を超音波検査などで予測し、それに合わせて性交を行う方法
  • 人工授精:採取した精液を注入器を使って直接子宮に送り、妊娠を目指す方法

高度生殖医療(生殖補助医療)には以下のような治療法があります。

  • 体外受精:精子と卵子を採取し、体外で受精・培養を行った後、受精卵を子宮内に戻す治療法
  • 顕微授精:体外受精と同様に採取した卵子に、針などを使って精子を注入し、受精させる方法
  • 男性不妊の手術:顕微鏡を使用して精巣内から精子を取り出す顕微鏡下精巣内精子回収術(micro-TESE)

このほか、胚移植をはじめとしたいくつかの治療も、保険適用で受けることが可能です。

不妊治療の保険適用による経済的負担の変化

かつては、不妊治療の費用はすべて自費扱いで、患者自身が全額を負担する必要がありました。体外受精では1回あたり30〜50万円程度かかることが一般的で、複数回にわたる治療が必要になると、合計で数百万円に及ぶこともありました。

保険が適用されるようになったことで、治療費の自己負担は原則3割となり、大幅にコストが削減されました。高額療養費制度を併用することで、月ごとの医療費に上限が設けられて超過金額が払い戻され、患者の経済的な負担をさらに和らげられます

ただし、年齢制限や治療回数の上限、保険適用外の自由診療を選んだ場合は全額自己負担となるため、それぞれの状況に応じた治療の計画を立てることが求められます。

保険が適用される不妊治療の種類

不妊治療にはさまざまな方法がありますが、保険の対象となるのは国が指定する限られた治療のみです。まずは、どの治療が保険適用の対象になっているかを正しく理解することが重要です。「一般不妊治療」と「高度生殖医療(生殖補助医療)」に分けて、保険で受けられる主な治療法をご紹介します。

タイミング法・人工授精などの一般的な不妊治療

一般不妊治療とは、身体への負担が比較的軽く、できるだけ自然に近い形で妊娠を目指す治療法を指します。保険適用の範囲に含まれる治療としては、タイミング法と人工授精の2つが代表的です。

タイミング法は、排卵の時期を予測して性交渉のタイミングを調整する方法です。医師が超音波検査やホルモンの測定を行い、排卵日を特定して適切な時期をアドバイスします。保険が使えることで、検査や薬剤にかかる費用が3割負担となり、継続しやすくなっています。

人工授精は、洗浄・濃縮した精子をカテーテルを使って直接子宮に注入する方法で、受精の確率を高めるために行われます。タイミング法で結果が出なかったケースや、精子の運動率が低い場合によく選ばれる方法です。こちらも保険の適用範囲となるため、以前に比べて費用を抑えて受けられるようになりました。

高度生殖医療(生殖補助医療)

高度生殖医療は、一般不妊治療で妊娠が難しい場合に検討される次の段階の治療です。体外受精や顕微授精などの治療は、現在では一定の条件を満たせば保険適用となり、経済的な負担を抑えて受けられるようになっています。

高度生殖医療を検討する際に、特に押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 保険適用の範囲:年齢や治療内容に応じて適用条件が定められている
  • 回数制限:生涯で実施できる治療回数に上限がある
  • 自己負担割合:保険適用の場合は原則3割負担となる
  • 治療計画の重要性:限られた回数の中で計画的に進める必要がある

高度生殖医療は、身体的・精神的な負担も伴う治療です。そのため、治療の内容だけでなく、条件や制限を正しく理解したうえで進めることが重要です。医師と十分に相談し、自身の状況に合った治療方針を立てましょう。

不妊治療の保険適用には「年齢」と「回数」の制限がある

保険診療で不妊治療を受けるためには、年齢と治療回数に関する条件を満たす必要があります。年齢の条件は、治療を開始する時点で女性が43歳未満であることです。治療回数にも上限があり、1人の子どもにつき、40歳未満では最大6回、40歳以上43歳未満では最大3回までが保険の対象となります。

女性の排卵は月に1回程度で、自然妊娠の機会は年間でも限られています。そのため、妊娠を希望している場合は、年齢や回数の制限を見据え、できるだけ早めに専門の医療機関へ相談することが大切です。

長谷川レディースクリニックでは、保険診療に対応した不妊治療を行っています。「何から準備すれば良いかわからない」などの不安にも、専門医が状況に合わせた治療方針を丁寧にご提案します。こうしたお悩みをお持ちの方は、ぜひ当院の不妊治療専門医にご相談ください。

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治療を始める時点で女性が43歳未満であることが必須条件

不妊治療で保険を適用するためには、治療をスタートするときの女性の年齢が「43歳未満」である必要があります。仮にこれまでの治療回数が上限に達していなくても、治療開始時点で43歳を超えている場合は、保険による診療を受けることはできません。

治療中に43歳の誕生日を迎えた場合は、その時点からは保険適用外となり、自費診療へと切り替わります。

「回数制限」は胚移植の実施数でカウントされる

保険診療で設けられている治療回数の制限は、「採卵」の回数ではなく「胚移植」を行った回数によって数えられます。高度生殖医療(生殖補助医療)の1サイクルは、採卵・採精、体外受精、胚移植で構成されており、保険でカウントされるのはこの中の「移植」を行った回数です。

採卵をしても卵子が採れなかった場合はカウントされず「0回」となります。1回の採卵で複数の胚を得て、それを2回に分けて移植した場合は「2回」としてカウントされます。

なお、採卵に関しては回数制限が設けられていませんが、凍結保存された受精卵(凍結胚)が残っている状態では、新たな採卵に保険を適用できません。すべての凍結胚を融解・移植し終えた後でなければ、次の採卵に保険が使えない点にご注意ください。

不妊治療の保険適用によって得られる主なメリット

不妊治療の保険適用によって得られる主なメリットは以下の3つです。

  • 医療機関での支払いが大幅に軽くなる
  • 高額療養費制度を活用してさらに負担軽減
  • 民間医療保険でも給付対象になる可能性

保険適用に伴い、診療報酬の取り扱いも改正され、これまで使えなかった制度が申請によって利用可能になるケースもあります。費用負担の軽減の観点から、それぞれのメリットを詳しく解説します。

医療機関での支払いが大幅に軽くなる

保険が適用されるようになってからは、自己負担が3割となり、治療にかかる費用がぐっと下がりました。保険適用になるまでは助成制度があったものの、申請は治療後に行う必要があり、窓口ではまず全額を支払う必要があったため、経済的なハードルが高かったのです。

現在では、治療時にかかる費用が抑えられ、以前は費用の問題で選べなかった治療法にも、アクセスしやすくなりました

高額療養費制度を活用してさらに負担軽減

不妊治療が保険診療の対象となったことで、高額療養費制度の利用が可能になりました。高額療養費制度とは、1か月あたりに支払った医療費が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。

この上限額は加入している保険や収入によって異なります。年収370〜770万円の方が1か月に30万円の医療費を支払った場合、実際の自己負担額は87,430円となり、それを超えた金額は後日返金されます。

ただし、保険適用外の治療やオプションの施術は対象外となるため、治療前に保険の適用範囲を医師に確認しておくことが大切です。

民間医療保険でも給付対象になる可能性

人工授精や体外受精における採卵、胚移植などの治療は、診療報酬上「手術」として扱われるようになりました。そのため、手術給付金が付帯している民間医療保険に加入している場合、これらの治療に対して保険金を請求できる可能性があります

保険適用外の治療であっても、先進医療特約がついている医療保険であれば、先進医療に関する給付金を受け取れることがあります。治療を開始する前に、ご自身が加入している保険内容を確認し、対象となる保障を把握しておくと安心です。

不妊治療の保険適用には注意すべきデメリット

不妊治療に保険が適用されることで、以下のようなデメリットが発生することも理解してきましょう。

  • 助成制度終了により自己負担が増える場合がある
  • 治療内容が限定され選択肢が狭まる可能性がある
  • 保険適用外の薬剤は使用が制限されることがある

助成制度終了により自己負担が増える場合がある

以前は「特定不妊治療費助成制度」によって、体外受精や顕微授精に対して1回あたり10〜30万円の補助が受けられましたが、この制度は2022年3月をもって終了しました。

現在は保険診療で自己負担3割となりましたが、治療内容によっては自己負担額が増えてしまうケースもあります。1回の治療費が40万円だった場合、保険適用後は約12万円の自己負担ですが、助成制度の場合は給付30万円で実質負担が10万円となり、保険よりも安く済んでいるケースがあるのです。

このように、治療内容や費用の組み合わせによっては、保険診療のほうが負担が大きくなる場合もあります。

治療内容が限定され選択肢が狭まる可能性がある

保険診療が導入されたことで、不妊治療の内容が一定の基準に沿った「標準化」へと移行しています。以前は自由診療だったため、患者それぞれの状態に合わせて柔軟な治療の選択が可能でしたが、保険適用後は費用の制約から、保険範囲内での治療を選ぶケースが増加しています。

不妊の原因は人それぞれ異なり、標準的な治療で成果が出る方もいれば、難治性のケースでは一般的な治療法では妊娠が難しいこともあります。結果として、自由度の高い治療が選びづらくなる可能性がある点は注意が必要です。

保険適用外の薬剤は使用が制限されることがある

不妊治療薬の中には、現在も保険適用外とされているものがあります。基本的に、保険診療と自由診療を併用する「混合診療」は原則として認められていません。そのため、保険適用外の薬を使うと、その治療全体が自費診療扱いとなる場合もあります。

治療の進行段階によって処方される薬は異なるため、自分の治療方針と使用可能な薬の確認を事前に行うことが大切です。

長谷川レディースクリニックでは、患者様一人ひとりの状況に応じて、保険診療内で選べる最適な治療法をご提案しています。「保険適用で治療を進めたいが、どの選択が自分に合っているかわからない」といったお悩みがある方は、まずはお気軽にご相談ください。

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不妊治療の保険適用に関するよくあるご質問(Q&A)

不妊治療に保険が適用されるようになったことで、多くの方から寄せられる疑問や不安があります。ここでは、実際によく寄せられる質問に回答します。

保険が使えると治療費は本当に安くなるの?

はい、保険適用によって不妊治療の自己負担額は大幅に軽減されます。体外受精は、以前は1回あたり数十万円の費用がかかっていましたが、保険診療では原則3割負担となり、費用が従来の約3分の1まで下がります。

ただし、すべての治療が保険の対象ではありません。先進的な技術を使った治療や、保険外の薬を使用する場合は、全額自己負担となる点に注意が必要です。年齢や回数の制限を超えた場合も保険は適用されません。治療内容やご自身の年齢、治療歴などを踏まえ、どの制度が適しているかを事前に確認することが重要です。

43歳を過ぎても不妊治療はできるの?

はい、43歳以上でも不妊治療そのものは可能です。ただし、公的保険の対象となるのは「治療を始めた時点で女性が43歳未満であること」が条件です。43歳を超えてからの治療は、すべて自由診療(自費)扱いとなります。

この年齢制限は、加齢とともに妊娠率・出産率が下がるという医学的根拠にもとづいて設定されています。治療効果が限られる可能性があるためですが、43歳以上でも、医療機関によっては年齢に応じた治療方法を提案してくれる場合もあります。

保険適用外であっても治療を検討している方は、一度専門の医師に相談し、自分に合った治療プランについて話し合うことをおすすめします

保険の適用と助成金の併用はできるの?

原則として、保険が適用される不妊治療と助成金は同時には利用できません。2022年4月に不妊治療が保険診療となったことで、従来の制度は廃止されています。そのため、保険診療を受けた治療には助成金は出ません。

ただし、一部の自治体では、保険適用外となる自由診療や先進医療、保険で認められた回数を超える治療について、独自に助成制度を設けている場合があります。内容や条件は地域ごとに異なるため、最新情報はお住まいの自治体のホームページや窓口で確認しましょう。

医療機関でも制度の案内を行っていることがあるので、治療開始前に相談しておくとスムーズです。

保険適用が始まる前に受けていた治療はどうなる?

保険適用が始まる前から不妊治療を受けていた方も、2022年4月以降に行われる治療については保険診療の対象となります。

以前の「特定不妊治療費助成制度」で受けた助成回数は、保険による治療回数の制限には影響しません。現在39歳の方が過去に助成制度を使って体外受精や顕微授精を6回受けていた場合でも、保険診療で新たに6回(40歳未満の場合)の治療が可能です。

助成金を利用した回数と保険診療の回数は別々にカウントされるため、治療の継続を考えている方には安心できる仕組みとなっています。

まとめ

不妊治療が保険の対象となったことで、経済的な負担は大きく軽減されました。ただし、保険診療には年齢や治療回数といった条件が設けられており、すべての方が自由に選べるわけではありません。不妊の原因や体の状態によって、必要な治療内容は大きく変わります。

「妊娠しにくいかもしれない」と感じた時点で、早めに不妊治療に対応している産婦人科を受診することをおすすめします

長谷川レディースクリニックでは、不妊治療の専門医が一人ひとりの状況を丁寧に確認し、適切な治療プランをご提案いたします。お気軽にご相談ください。

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