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【医師監修】男性不妊になりやすい人とは?今すぐ確認したい5つの特徴と対処法

[2025.10.31]

不妊症とは「12か月間避妊せずに性交を続けても妊娠に至らない状態」と定義されています。2017年にWHOが実施した調査では、妊娠できない原因の約半数が男性側にある「男性不妊」であることが明らかになっています。妊娠は当たり前のように思われがちですが、多くの要因が関わっており、男性側に原因があるケースも多いです。

この記事では、医師の監修のもと、男性不妊の原因となりやすい特徴や症状、検査の方法、治療法まで解説します。将来の妊娠を考えるうえで、体の状態を正しく知ることが大切です。

橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。

また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。

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男性不妊になりやすい人に見られる5つの特徴

男性不妊になりやすい人の特徴として、以下の5つが挙げられます。

  • 睾丸(こうがん)に異常がある
  • 特定の手術歴や病歴がある
  • 生活習慣の乱れがある
  • 高温環境に長くさらされている
  • 造精機能に障害がある

睾丸(こうがん)に異常がある

睾丸(こうがん)は、精子をつくる重要な器官です。睾丸が小さい・柔らかい・高い位置にあるなどの状態は、男性不妊のリスクを高める可能性があります。以下の状態が見られる場合は注意が必要です。

  • 思春期と比べて睾丸が小さくなった
  • 睾丸を触ると柔らかく、張りが感じられない
  • 睾丸の位置が陰嚢の上部や鼠径部(そけいぶ)にある
  • 陰嚢の表面に血管のコブのようなものがある(精索静脈瘤)

特定の手術歴や病歴がある

幼少期や思春期に受けた手術や病気が、大人になってから男性不妊の原因になる場合があります。完治したと思っていても、精子をつくる機能や通り道に影響が残っている可能性もあるため、医師に伝えることが大切です。以下の既往歴がある方は、男性不妊との関係が指摘されています。

  • 幼少期の鼠径ヘルニア手術
  • おたふく風邪のあとに睾丸が腫れた経験(精巣炎)
  • 抗がん剤や放射線治療を受けたことがある
  • 停留睾丸の治療や手術を受けた

生活習慣の乱れがある

毎日の生活習慣は、精子の質や量に大きく関わります。ホルモンバランスに影響を与える行動や習慣は、精子を作る力を弱める可能性があります。以下の生活習慣がある場合は、見直しが必要です。

  • 喫煙
  • 多量の飲酒
  • 肥満またはやせすぎの体型
  • 慢性的なストレス
  • 睡眠不足や夜型の生活

生活リズムを整え、心身ともに健康的な状態を維持することが大切です。

高温環境に長くさらされている

精子は熱に敏感で、高温の状態が続くと精子の数が減ったり、運動能力が低下したりする可能性があります。睾丸は、体温よりも少し低い温度で保たれることで正常に機能するように設計されています。夏場の蒸し暑い環境や密閉された空間での長時間の作業、体に密着した服装などは、睾丸の温度を上げる要因です。

日常生活の中で熱がこもらないよう意識し、精子にとって健全な環境を整えましょう。

造精機能に障害がある

造精機能とは、精子を正常に作るための男性の身体機能を指し、機能に問題がある状態を「造精機能障害」と呼びます。精子の数が極端に少ないことや、精子の動きが鈍く運動率が低下していること、正常な形をしていない精子(奇形精子)が多いことなどが挙げられます。

造精機能の異常があるからといって、必ずしも不妊につながりませんが、妊娠の確率に影響を及ぼす可能性があります。気になる点がある場合は、早めに専門医に相談し、適切な検査や治療を受けましょう。

男性不妊の主な原因

男性不妊の原因として、以下の4つを解説します。

  • 精子に起因する問題
  • 精路の通過障害
  • ホルモン異常
  • 免疫学的因子

精子に起因する問題

男性不妊の原因で最も多いのは「精子に関する問題」です。妊娠の成立には、精子が数多く存在して活発に運動し、正常な形をしていることが重要です。さまざまな要因によって精子の数や運動能力、形に異常が生じることがあり、不妊につながることがあります。精子の数が基準値を下回っている状態は「乏精子症」と呼ばれます。

乏精子症とは、精液1mlあたりの精子数が1,500万個未満である状態です。精子の数が少ないと、卵子までたどり着ける確率が大きく下がります。「精子無力症」は、精子の運動能力が十分でない状態です。精子は卵子まで泳いでいく必要がありますが、運動能力が低い場合、卵子にたどりつけず受精の可能性も下がります。

「精子奇形率」が高い場合にも問題が生じます。奇形精子には頭が丸すぎたり、尾が2本あったりなどの形態の異常が見られます。奇形精子は卵子との受精が難しくなり、受精しても正常に発育しない可能性もあります。精子の状態は妊娠に大きな影響を与えるため、男性不妊の検査では精液検査が基本です。

精路の通過障害

精子は精巣でつくられた後「精路」と呼ばれる細い管を通って体外へ運ばれます。精路のどこかが塞がれていると、精子は体外に排出されず、男性不妊の原因になります。「精管閉塞」は、精子の通り道である精管が詰まってしまっている状態です。

閉塞があると精子が尿道まで到達できず、射精された精液の中に精子が含まれない「無精子症」を引き起こすことがあります。

ホルモン異常

精子の産生には、男性ホルモンである「テストステロン」が重要です。テストステロンは精巣で分泌され、精子の形成を促す働きがあります。ストレス・加齢・不規則な生活習慣などの影響でテストステロンの分泌が低下すると、精子の産生が阻害される場合もあります

テストステロンの分泌量の低下により、精子の数が減ったり、運動能力が落ちたりすることで、妊娠しにくくなる可能性があります。

免疫学的因子

私たちの体には、ウイルスや細菌などから身を守る「免疫システム」が備わっています。免疫システムが誤って精子を「異物」と認識し、攻撃する場合があります。精子は自分の細胞として認識されるため、攻撃対象にはなりません。

何らかのきっかけで精子が異物とみなされると、免疫によって精子が減少したり、運動性が損なわれたりして、受精能力が低下することがあります。

精液検査の方法と評価ポイント

精液検査は、採取した精液を顕微鏡で観察し、精子の数や運動性、形態などを詳細に調べる検査です。検査結果は、WHO(世界保健機関)が定めた基準と照らし合わせて評価され、数値が基準値を下回る場合には、男性不妊の可能性が示唆されることがあります。精液検査で確認される項目は以下のとおりです。

  • 精液量
  • 精子濃度
  • 精子の運動率
  • 精子の形態(奇形率)
  • 精液のpH(酸性・アルカリ性の度合い)
  • 白血球の数(炎症の有無の確認)

検査は、禁欲期間(通常2〜7日間)を守ったうえで実施され、クリニック内で採取する場合と、指定の容器に入れて持参する方法があります。精液の状態は一時的な体調や生活習慣にも影響を受けるため、2回以上の検査が推奨される場合もあります。基準を下回る結果が出たとしても、生活習慣の見直しや適切な治療によって改善が見込める可能性もあります。

男性不妊の治療法

男性不妊に対する代表的な治療法は、以下のとおりです。

  • 薬物療法
  • 人工授精
  • 体外受精・顕微授精

薬物療法

薬物療法は、医師の診断のもと、男性ホルモンの分泌を促す薬などを使用し、精子の質や数の改善を目的とした治療法です。使用する薬の種類や服用方法は、患者さん一人ひとりの状態に合わせて異なります。男性ホルモンの分泌が不足していると診断された場合には、ホルモン補充療法を行うことがあります。

治療には、注射や内服薬、塗り薬の他に、体内でホルモン分泌を促す薬を用いるケースも増えています。比較的身体への負担が少なく、治療を受けやすい方法ですが、効果が出るまでに時間を要する場合があります。

人工授精

人工授精は、採取した精子を洗浄・濃縮し、排卵のタイミングに合わせて子宮内に直接注入する方法です。タイミング法などの基本的な不妊治療で結果が出ない場合に、次のステップとして行われることが多いです。

体外受精に比べて体への負担が少なく、費用も比較的抑えられるため、負担を軽減しながら妊娠を目指したい方にとって取り組みやすい治療法です。

体外受精・顕微授精

体外受精は、卵子と精子を体外に取り出して受精させ、受精卵(胚)を子宮に戻す治療法です。顕微授精は、精子の運動能力が著しく低い場合や精子数が少ない場合に、1つの精子を顕微鏡下で直接卵子に注入する方法です。

体外受精や顕微授精は、他の治療法では妊娠が難しい場合や、重度の男性不妊が原因である場合に選択される高度生殖医療です。医師の指導のもと、症状や状況に応じた適切な方法を選ぶことが重要です。

男性不妊治療にかかる費用の目安

男性不妊治療にかかる費用の目安について、以下を解説します。

  • 検査費用
  • 手術費用
  • その他にかかる費用
  • 保険適用
  • 自治体による助成制度

検査費用

主な検査費用の目安は以下のとおりです。

  • 精液検査:約9,000〜11,000円
  • 内分泌(ホルモン)検査:約9,900〜22,000円
  • 染色体検査:約20,000〜40,000円

男性不妊の検査で基本は精液検査です。ホルモンの分泌状態や内分泌系の働きを調べるために、血液検査やホルモン検査が行われることもあります。医療機関によって費用は異なり、保険適用の有無によっても負担額が変わるため、事前に確認しておくと安心です。

手術費用

男性不妊の原因によっては、手術が必要となるケースもあります。代表的なものに、精索静脈瘤の手術や、精巣から精子を直接採取するTESE(精巣内精子採取術)などがあります。精索静脈瘤手術は約165,000〜275,000円、TESEは約275,000〜385,000円と比較的高額になりやすく、医療機関や手術方法によって費用に幅があります。

保険が適用されることもあるため、事前に医師や医療機関へ確認しておくことが重要です。

その他にかかる費用

治療以外にも、将来の体外受精や人工授精に備えて精子を凍結保存するケースが増えています。定期的な検査や通院などに伴う費用も考慮する必要があります。精子保存にかかる費用は、保存方法や保管期間によって異なるため、必要に応じてプランを選びましょう。その他にかかる費用の目安は以下のとおりです。

  • 精子凍結保存(初期費用):約33,000〜132,000円
  • 凍結保管料(6か月分):約33,000円

費用面に不安がある場合は、公的支援制度や助成金の有無についても事前に調べておくと、経済的な負担を軽減できる可能性があります。

保険適用

2022年4月から男性不妊治療の多くが保険適用の対象になりました。一方で初期段階のスクリーニング検査は自由診療である点には注意が必要です。保険が適用される治療には、以下が挙げられます。

  • 精液の状態を改善するための薬物療法
  • 勃起障害(ED)に対する治療薬
  • 無精子症や射精障害に対して行われる精子採取手術(TESEなど)

自治体による助成制度

男性不妊の治療では、条件を満たせば自治体から助成金を受けられる場合があります。精索静脈瘤の手術やTESEなどの精子採取手術に対して、費用の一部を補助する制度が設けられている地域もあります。例として、自治体ごとに以下の助成制度があります。

  • 千葉県:男性不妊の手術に対し、1回あたり最大30万円を助成
  • 船橋市:医療費の1/2(上限5万円)を補助
  • 東京都:所定の条件を満たすと、手術費用に対して上限15万円の助成

助成対象となる治療の範囲や金額、申請回数、申請方法などは自治体ごとに異なります。各市区町村や都道府県の公式ホームページで最新情報を確認するか、窓口で直接相談しましょう。

男性不妊になりやすい人に関するよくある質問

男性不妊になりやすい人に関するよくある質問は、以下のとおりです。

  • 男性不妊の検査は必要?
  • 妊活サプリは効果ある?
  • 検査は1回で十分?

男性不妊の検査は必要?

「症状がないから検査は必要ない」と考える方もいますが、男性不妊は自覚がないまま進行している場合も多いです。1年以上避妊せずに妊娠していない場合や、年齢が35歳を超えている方は、一度検査を受けることをおすすめします。精液検査は比較的簡単に受けられ、結果もすぐにわかるため、自分の体の状態の把握につながります。

妊活サプリは効果ある?

ビタミン類や亜鉛、抗酸化成分などは、精子の質の維持やサポートに役立つ可能性があるとされていますが、あくまで補助的な存在です。食事・睡眠・運動など、基本的な生活習慣を整えたうえで、必要に応じてサプリを活用しましょう。男性向けの妊活サプリも多く販売されており、目的に合った製品を選ぶことが重要です。

検査は1回で十分?

一度の検査結果だけで安心してしまうのは避けましょう。精子の状態は日々の体調や生活習慣によって変動するため、1回の検査だけでは正確な判断が難しい場合があります。医療機関では、通常2回以上の精液検査を行って平均的な状態を確認します。継続的なチェックを行うことで、正確な体の状態を把握し、適切な治療や対策につながります。

まとめ

男性不妊は、多くの要因が複雑に関係して発症するため、治療には専門的な診断と個別対応が必要です。睾丸の状態や過去の病歴、日々の生活習慣などがリスクを高める要因となり、精子の数や運動能力、ホルモンバランスも重要な指標です。

原因を明らかにするためには、精液検査やホルモン検査などの基礎的な検査が行われ、適切な治療が選択されます。治療法には、薬物療法や手術療法、人工授精や体外受精・顕微授精などの生殖補助医療があり、妊娠の可能性を高められるとされています。2022年4月からは不妊治療への保険適用が拡大され、自治体による助成制度も利用可能です。

専門医に相談し、自分に合った治療法やサポート制度を活用しましょう。

参考文献

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