見逃さないで!卵巣腫瘍の初期症状と受診のタイミング
下腹部の張りや膨満感、食欲不振、頻尿などの症状は、卵巣腫瘍の初期段階に見られる可能性があります。卵巣腫瘍は初期には自覚症状が乏しく、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。腫瘍が進行すると、腰痛や腹痛といった症状が現れるため、日常の変化を見逃さないことが大切です。
この記事では、見逃しがちな卵巣腫瘍の初期症状5つや、受診の判断基準、検査方法について詳しく解説します。卵巣腫瘍は誰にでも起こりうる婦人科疾患の一つです。大切な体を守るためにも、初期サインに早く気づけるよう、ぜひ最後までご覧ください。
橋本駅南口から徒歩1分の長谷川レディースクリニックでは、生理不順やPMS(月経前症候群)など、女性特有の症状に関するご相談に加え、男性不妊に関する検査・治療にも対応しています。経験豊富な専門医が、一人ひとりのお悩みに寄り添いながら、適切な医療サポートを提供いたします。
また当院では、神奈川県相模原市・淵野辺駅から徒歩2分のソフィアレディスクリニックと連携し、婦人科および不妊治療においてスムーズな連携体制を構築しています。検査結果や治療方針の共有により、患者さまにとって安心かつ効率的な診療環境をご提供いたします。
卵巣腫瘍の知っておきたい初期症状
卵巣腫瘍の初期症状について、以下の5つを解説します。
- 腹部膨満感
- 食欲不振
- 頻尿・尿意切迫感
- 骨盤痛・下腹部痛・腰痛
- 便秘・排便習慣の変化
腹部膨満感
卵巣に腫瘍ができると、お腹に水がたまる「腹水」が原因で、腹部の張りや圧迫感が続くことがあります。このような腹部膨満感は、以下のような変化として現れることがあります。
- 服のウエストがきつく感じる
- 下腹部が以前より大きく見える
- お腹全体が膨らんだ感じが続く
腹部膨満感は便秘や消化不良、月経前症候群などでも起こることがありますが、症状が2週間以上続く場合は、婦人科の受診を検討しましょう。
食欲不振
腫瘍が胃や腸を圧迫すると、食べ物を十分に摂れなくなることがあります。食欲不振のサインとして「少量の食事でもすぐに満腹になる」「以前より食べられる量が減った」などは要注意です。
特にダイエットをしていないのに体重が減って来ている場合も、体が発するサインの可能性があります。
頻尿・尿意切迫感
卵巣腫瘍が大きくなると、膀胱を圧迫して排尿トラブルを引き起こすことがあります。以下のような症状が見られたら注意が必要です。
- 頻尿:トイレに行く回数が増える
- 尿意切迫感:急に強い尿意を感じ、我慢しにくくなる
- 夜間頻尿:夜に何度もトイレに起きる
これらは膀胱炎や過活動膀胱でも起こることがあります。自己判断せず、必要に応じて医療機関で診断を受けましょう。
骨盤痛・下腹部痛・腰痛
卵巣腫瘍では、腫瘍が周囲の組織を圧迫することによって痛みが生じる場合があります。痛みのタイプや発生場所には次のような傾向があります。
- 生理痛のような鈍い下腹部の痛み
- チクチクとした骨盤や腰の痛み
- 腫瘍の捻転や破裂による急激な激痛
痛みが継続したり、急に強くなったりする場合は、早めの受診が必要です。
便秘・排便習慣の変化
腸が腫瘍により圧迫されると、排便がスムーズに行えなくなることがあります。次のような排便の変化がある場合は注意しましょう。
- これまで便秘がなかったのに、急に便秘になる
- 便秘が長引いたり悪化したりする
- 便の回数や形状に変化がある
食事やストレスによる便秘との見分けが難しい場合もありますが、原因が特定できない場合は医療機関での相談が安心です。
卵巣腫瘍を疑う症状があるときの受診の目安
卵巣腫瘍は初期症状が乏しく、気づかないうちに進行することがあるため、日常の中での小さな変化を見逃さないことが大切です。以下のような症状に当てはまる場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
- 下腹部の張りが2週間以上続いている
- 1か月で体重が5%以上減少した
- 頻尿が続き、日常生活に支障を感じる
これらの症状は、卵巣腫瘍に限らず他の病気が関係している可能性もあるため、自己判断で様子を見るのではなく、早めの相談が重要です。特に、急激な腹痛や吐き気を伴う場合は、緊急性を要するケースもあるため、速やかに医療機関を受診してください。
また、症状がなくても定期的な婦人科検診を受けることで、卵巣腫瘍を含む婦人科疾患の早期発見につながります。
卵巣腫瘍の検査方法
卵巣腫瘍の検査方法について、以下の5つを解説します。
- 婦人科検診(内診、触診)
- 経腟超音波検査
- 血液検査(腫瘍マーカーCA125など)
- MRI・CT検査
- 腹腔鏡検査・開腹手術
婦人科検診(内診、触診)
卵巣腫瘍の早期発見には、定期的な婦人科検診が非常に重要です。検診では内診と触診が行われ、それぞれ以下のような目的があります。
まず内診では、医師が腟内診を行い、子宮や卵巣の大きさ・形・硬さ・表面の状態などを直接確認します。腫瘤(しゅりゅう)がある場合、その存在や位置も評価されます。触診ではお腹の上から下腹部を優しく押し、卵巣や子宮の大きさ、硬さ、可動性などをチェックします。
内診と触診を組み合わせることで、より正確な状態把握が可能となり、卵巣腫瘍だけでなく、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮頸がんなどの他の婦人科疾患の早期発見にもつながります。年に1回の検診を習慣にすることが推奨されます。
経腟超音波検査
卵巣腫瘍の診断において、経腟超音波検査は有効な手段です。この検査では、専用の細いプローブを腟内に挿入し、卵巣や子宮の状態をリアルタイムで画像化します。この検査で確認できる項目は次のとおりです。
- 卵巣の大きさや形
- 嚢胞や腫瘍の有無とその性質(内容が液体か固体かなど)
- 血流の状態
検査時間は約5〜10分程度で、痛みを伴うことはほとんどありません。身体的負担も少ないため、検診の一環として広く用いられています。
血液検査(腫瘍マーカーCA125など)
腫瘍マーカーは、がん細胞が体内で作り出す特定の物質を血液中から検出する検査です。卵巣腫瘍では、特にCA125というマーカーがよく使用されます。主なポイントは以下のとおりです。
- CA125の値が高いと、卵巣がんや卵巣腫瘍が疑われる
- 子宮内膜症・妊娠・良性腫瘍でも数値が上昇することがある
- 早期の卵巣がんでは正常値でも安心できない
そのため、CA125単独では確定診断はできず、他の腫瘍マーカー(HE4やCA19-9など)との併用や画像検査とあわせて総合的に判断されます。
MRI・CT検査
MRIやCTは、卵巣腫瘍の大きさ、性質、周囲の臓器との関係性、転移の有無などを精密に把握するための画像検査です。それぞれの特徴は次のとおりです。
- MRI:磁気を使い、軟部組織の描出に優れており、腫瘍の性状や広がりを詳細に確認できる
- CT:X線を用いて体内を断面図として可視化し、転移の有無や周辺臓器への影響をチェックできる
また、婦人科がん治療後に生じやすい尿失禁や骨盤底の状態を把握するためにも効果が期待できます。骨盤底筋トレーニング(PFMT)などの治療介入の判断にも役立ちます。
腹腔鏡検査・開腹手術
腹腔鏡検査や開腹手術は、卵巣腫瘍の確定診断と同時に治療を行うこともできる重要な検査方法です。それぞれ以下のような特徴があります。
- 腹腔鏡検査:小さな切開からカメラ付きの細い管(腹腔鏡)を挿入し、卵巣や周囲の臓器を直接観察する
- 開腹手術:お腹を切開し、腫瘍を直接確認・摘出する方法。より広範囲の観察や処置ができる
近年では低侵襲の腹腔鏡手術が広く用いられており、開腹手術に比べて術後の回復が早く、体への負担が少ないといったメリットがあります。検査の目的に応じて、医師と相談しながら最適な方法を選びましょう。
卵巣腫瘍の治療法
卵巣腫瘍の治療は、腫瘍の種類や進行度、患者さんの体調に応じて複数の方法から選ばれます。主な治療法は以下の4つです。
- 手術療法:腫瘍を摘出する
- 化学療法:抗がん剤でがん細胞を攻撃する
- 放射線療法:放射線でがん細胞を破壊する
- ホルモン療法:女性ホルモンの作用をコントロールする
手術療法では、良性の場合は腫瘍のみを切除し、悪性の場合は子宮や卵巣などを広範囲に切除します。近年では、体への負担が少ない腹腔鏡手術も選ばれています。
化学療法は、手術後や再発予防のために行われ、点滴や内服で抗がん剤を投与します。放射線療法は再発時などに使用され、がん細胞を直接破壊します。
ホルモン療法は、ホルモンの働きを抑えてがんの進行を抑える方法で、一部の卵巣がんに有効です。どの治療も副作用がありますが、医師と相談しながら最適な治療を選ぶことが大切です。
まとめ
卵巣腫瘍は初期には自覚症状が出にくいため、見逃されやすい病気です。腹部の張りや食欲不振、頻尿、骨盤の痛み、便秘などの「いつもと違う」と感じる体の変化があれば、早めに婦人科を受診することが大切です。
診断には、内診や超音波検査、血液検査(腫瘍マーカー)、MRI・CT検査など複数の方法があり、これらを組み合わせることで、腫瘍の有無や種類を正確に把握できます。
治療法は、腫瘍の性質や進行度に応じて異なり、手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法などから選ばれます。医師とよく相談し、自分にとって最適な治療方針を見つけることが重要です。
早期発見・早期治療のためにも、日頃から初期症状への理解を深め、少しでも不安を感じたら婦人科へ相談しましょう。
